気になる「ペタンコ髪」改善方法、教えます!〈美容師ライター直伝〉

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第一印象を大きく左右する髪の毛は、色や長さだけでなく、ボリュームも重要になってくるでしょう。
特に年齢を重ねるごとに、ペタンコ髪は若々しさを半減する要因にもなります。 逆にふんわりとしたボリュームのあるヘアスタイルは若々しい印象を与えるでしょう。
さらに、ペタンコ髪にスタイリング剤や皮脂のベタつきが加わることで、清潔感も欠いてしまいます。 ペタンコ髪をできるだけ改善し、良い印象を与えたいところ。
そこでこの記事では、ペタンコ髪になる原因を解説。改善方法やヘアアレンジ方法もあわせてご紹介します。

ペタンコ髪になる原因

ペタンコ髪の悩みを抱えている方には、もともと猫っ毛の方から年齢を重ねるごとに気になる方、日によって異なる方など人それぞれです。 また、いくつかの要素が組み合わさり、ペタンコ髪になる方もいるため「さまざまな方法を試しているのに改善されない」と感じる方も多いでしょう。
そこでペタンコ髪になる原因として考えられるものを解説しています。

髪の水分量が多い

雨の日や梅雨時期など、湿度の高い日にペタンコ髪が気になる方は、髪の水分量が増えたことが原因である可能性が高いです。
髪の水分量が増えることで、根元は濡れた髪の毛のような状態になり、髪自体が重くなることでふんわり感を失います。 また、湿度による影響は、ダメージを受けている髪ほど大きいです。
ダメージを受けた髪は、髪内部の構造が空洞になり、この空洞に大気中の水分が吸収されることによって、髪の毛が重くなってしまいます。

皮脂が多い

頭皮の皮脂の重みによって、ペタンコ髪になる場合もあります。
皮脂の分泌が過剰になる原因はいくつか考えられ、複数の原因が組み合わさっていることも少なくありません。 以下では、頭皮の皮脂が増える原因を紹介します。

ストレス

ストレスは、2つの原因によって皮脂の分泌を促します。
1つ目はストレスを感じたときに分泌されるアドレナリンによって、活性酸素が発生。 体内では活性酸素に対抗するために男性ホルモンが分泌され、このホルモンによって皮脂の分泌量が増えるというものです。
もう一方は、ストレスにより自立神経が乱れて交感神経が優位になることで、血管が収縮。 酸素や栄養を運ぶ血液が不足することで、頭皮の環境が悪くなり、乾燥から守るために皮脂を多く分泌するようになります。
長く続くストレスによって、頭皮の皮脂分泌が多くなることは珍しいことではありません。

偏った食生活

顔にできるニキビと同じように、脂っこいものや糖質が高いものを食べ過ぎると、頭皮も皮脂の分泌が促されます。 食事やおやつとして適度であれば問題ありませんが、偏り過ぎる食生活を続けていると、頭皮や髪のベタつきの原因となるでしょう。

生活リズムの乱れ

不規則な生活リズムは自立神経が乱れ、ホルモンバランスまで影響を及ぼします。 特に睡眠時間はターンオーバーなどに大切な時間であるため重要です。
ターンオーバーが規則的になされない場合には、皮脂の増加や毛穴の詰まりに繋がり、頭皮だけでなく顔のベタつきも感じるようになるでしょう。

ホルモンバランスの乱れ

女性は毎月ホルモンバランスが変化しますが、特に女性ホルモンの「プロゲステロン」は皮脂の分泌を増やす作用があります。 排卵後から月経までのいわゆる「生理前」に分泌されるため、皮脂の分泌が増えてニキビが増える方も多く、頭皮でも同じことが言えます。
また、閉経前後の更年期には女性ホルモンよりも男性ホルモンが優位になり、皮脂の分泌が増える場合もあります。 毎月、ホルモンバランスが乱れるタイミングや更年期への理解と対策をしておきましょう。

喫煙

タバコを吸うと体内に活性酸素が増え、男性ホルモンが分泌され対抗します。 また、体内のビタミンCも活性酸素に対抗する成分であり、体内で多く消費されます。
ビタミンCは、皮脂の分泌を抑える働きもあるため、消費されることで不足し、皮脂の分泌が増加。 さらにタバコのニコチンには、交感神経を優位にさせる作用があるため、男性ホルモンの分泌や血管の収縮によって、皮脂の分泌の歯止めが効かない状態になってしまっているかもしれません。

髪・頭皮のダメージ

紫外線やカラー剤・パーマ剤の薬剤などによってダメージを受けることで、頭皮のバリア機能が破壊されてしまいます。
三層構造によって内部を守っている髪ですが、バリア部分にダメージがあることで、髪は無防備な状態になります。 枝毛や切れ毛などのように、髪にハリやコシがなくなり、ペタンコ髪を導きます。

すすぎ残し

シャンプーやコンディショナー、トリートメントなどが頭皮に残るとベタつきが生じます。 シャンプーはしっかり泡立て、頭皮を洗いますが、すすぎ残しがあると逆に髪をベタつかせる原因になります。
そのため、美容室ではシャンプーをした際に、必ず念入りなすすぎを行います。 「どのくらいすすぐのが適切なのだろう」と疑問の方は、美容室のシャンプー時などに意識してみてください。
さらに、コンディショナーやトリートメントは、頭皮に付かないように注意しましょう。 なかには、頭皮まで付けてしっかりすすぐタイプのトリートメントも存在するため、使用方法をしっかりと確認しましょう。

髪にハリやコシがない

加齢が原因で髪にハリやコシがなくなった方や、もともと猫っ毛の方などは、頭頂部の髪同士によってペタンコ髪になりやすいです。 加齢により、女性ホルモンが減少することでトップの髪の毛が細くなる場合があり、根元が持ち上がらない方もいるでしょう。
加齢が原因の場合は、対応せずに放っておくと悩みが大きくなる可能性が高いため、後述する改善方法を参考に実践してみてください。

ペタンコ髪の改善方法

ペタンコ髪の改善方法には、主に以下のようなものがあります。
いくつかの原因が重なることでペタンコ髪になっている場合もあるため、心当たりのある場合はいくつかの方法を試してみてください。

食生活や生活リズムの改善

偏った食生活や生活リズムの乱れを改善することで、皮脂の分泌が正常になり、ペタンコ髪の改善が期待できます。
まずは、生活スタイルを振り返り、野菜が不足していないか、甘いものや油っこいものが多くないかなどをチェックし、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。
また、生活リズムは質の良い睡眠を取ることで、整いやすくなります。湯船に浸かって体を温めたり、寝る前のスマホは避ける、起床後は太陽の光を浴びるなどを行うことで、睡眠の質が向上します。 さらにタバコの量を減らすことも皮脂の分泌を抑えるのに効果的でしょう。

外からのダメージケア

紫外線やカラー剤などで傷んだ髪をケアすることで、髪にハリやコシが出て一本一本が立ち上がりやすくなります。 外出時は髪の日焼け止めを使用し、定期的なトリートメントなどで髪を労りましょう。
また、頭皮の血行を良くすることは、健康な髪の生育に効果的です。
頭皮への当たりが優しいブラシを使用し、根元を持ち上げるように下から上に向かって、マッサージのようにブラッシングを行ってみましょう。

すすぎは下向き洗い

頭を下げて洗い流すことで、襟足や後頭部のすすぎ残しを防ぎます。下向きになり上からシャワーを当てることで、しっかりと根元が洗えます。
しかし、下向き洗いだけだとフェイスラインやこめかみ部分のすすぎ残しが気になるため、上向き洗いも一緒に行いましょう。

ボリュームアップシャンプーの使用

ボリュームアップシャンプーには、アミノ酸系のノンシリコンシャンプーが多く、頭皮の乾燥や傷みをケアしながら、髪に軽さを与えます。 アミノ酸系シャンプーは洗浄力がやさしく、頭皮と同じ弱酸性のため、刺激が少ないのが特徴です。
また、シリコンシャンプーはコーティングの力によって、しっとりとまとまりのある髪に仕上がるのに対し、ノンシリコンシャンプーは軽くふんわりとした髪へと導きます。 そのため、ペタンコ髪に悩む方はノンシリコンシャンプーがおすすめです。

ディープクレンジングの使用

頭皮のクレンジングを定期的に行い、毛穴の詰まりに対してアプローチしましょう。 頭皮のディープクレンジングは美容室だけでなく、自宅でも行え、さまざまな商品が登場しています。
シャンプータイプやオイルタイプ、ジェルタイプ、スクラブタイプ、パチパチと弾ける炭酸タイプなど種類も豊富です。
頭皮に直接塗布して、指の腹でマッサージを行い、クレンジングと同時に血行も良くします。 蒸しタオルを巻いて湯船に浸かることで、頭皮の汚れを浮き上がらせる効果と血行を促進させる効果が得られるため、試してみてください。

ドライヤーの当て方を変える

ドライヤーは基本的に上から風を当てますが、ボリュームが欲しい方は根元を立ち上げるようにいつもとは、別の方向から風を当てるのがおすすめです。 ただし、髪の流れと逆らったドライヤーは髪の構造上、傷む原因にもなるため、濡れているうちは毛並みに沿って風を当てます。
ある程度乾いた後は、お辞儀するように頭を下に向け、上から風を当てて髪の根元から持ち上げます。 また、前髪は分け目と違う方向へ向けてドライヤーをかけることで、分け目に反発した髪がふんわりと立ち上がるでしょう。

脱ペタンコ髪!スタイリング方法

頭皮や髪質の改善には時間を要しますが、手っ取り早くペタンコ髪を解消するにはスタイリングがおすすめです。
スタイリング剤は、重さが出るワックスよりもスプレータイプを使い、髪型をキープするハードスプレーよりもふんわり感が出るものが良いでしょう。 スタイリング前に根元から髪のクセをとることで、理想的なヘアスタイルが作れます。
そのため、クセがある場合は根元を寝癖なおしスプレーなどで湿らせ、先述したブロー方法で根元から髪を立てるように乾かしましょう。 丁寧に土台を作ることできれいなスタイリングが可能です。
以下では、ペタンコ髪を改善するスタイリング方法をいくつかご紹介します。

ショートヘアはトップにカーラーを使用する

ショートヘアの方は、トップや前髪などにカーラーを使用することでふんわりとした印象を簡単につくれます。 マジックカーラーを使用することで、初心者でも簡単に自然なカールが作れるでしょう。
カーラーは付けたまま家事やメイクができるため、忙しい方にもおすすめです。
また、パーマを当てるのもひとつの手。猫っ毛の方などはパーマが取れやすいため、デジタルパーマなど熱処理する施術を選ぶことで、持ちが長くなります。 ただし、髪がダメージを受けやすいため保湿を行うなどのケアは必須です。

ミディアムヘアはくびれを意識する

ミディアムヘアの方は、首まわりの髪にくびれを意識するとトップがふんわりと強調されます。 トップはブローやカーラーでボリュームを出し、顔・首まわりはコテで外はねにスタイリングすることで、自然なくびれが完成。
また、カットで段をつくることで簡単に「くびれヘア」が作れるため、レイヤーを入れたスタイルをオーダーしてみてください。

まとめ髪で簡単アレンジ

ミディアム・ロングヘアの方は、まとめ髪にアレンジすることでペタンコ髪を解消できます。 特に分け目が気になる方は、ふんわりと自然に隠すことも可能です。
以下では、いくつかのアレンジ方法をご紹介します。

ポニーテール

簡単ヘアの代表ポニーテールは、全体を巻いて手ぐしでまとめることで、トップにボリュームが出やすいです。 トップの束を少しだけ出すことで、こなれ感も演出できます。巻いた髪によって、毛先にもボリュームが出てくれるでしょう。
せっかくのカールはスプレーでキープしてください。 また、同様の手順を踏むことでハーフアップも作れます。

シニヨン

ポニーテールの手順で低めのシニヨンを作り、トップを持ち上げることでどの年代の方にも似合うアレンジが完成です。
きっちりとしたイメージのシニヨンですが、手ぐしでやさしくまとめ、シニヨン部分もすこしほぐすことで、柔らかいイメージになります。 シニヨン部分は数箇所ピンで留めて、スプレーを多めに吹きかけてキープしましょう。

編み込み

大きめの編み込みで低めのポニーテールを作ることで、髪全体にふんわり感が出ます。
また、ポニーテールよりも崩れにくいため、長時間のおでかけ時にもおすすめです。 巻いてスタイリングすることで、ボリュームが出やすいでしょう。

外出先ではドライシャンプー

外出前にスタイリングをしても時間が経つと頭皮にベタつきが出て、ペタンコ髪になってしまうという方はドライシャンプーの使用がおすすめです。
ドライシャンプーとは、水を使用せずに頭皮を洗浄できるため、災害時にも重宝するアイテムですが、ペタンコ髪を解消する即席スタイリングにも一役買ってくれます。 スプレータイプであれば、外出先であっても頭皮にスプレーして揉み込むことで、ベタつきを解消してふんわり感が戻ってきます。
天然由来100%を使用したものや、持ち運び可能な小さいサイズのスプレーも登場しているため、チェックしてみてください。

【まとめ】

ペタンコ髪に悩む方は、もともと猫っ毛の方や加齢によって髪が細くなってしまった方に多く、さらに皮脂の分泌やシャンプーのすすぎ残しによるベタつきなどによっても起こります。
皮脂の過剰分泌の原因には、食生活・生活リズム・ストレス・喫煙など多くの要素があるため、まずは生活を見直すことが重要です。 ペタンコ髪の改善にはほかにも、ダメージケアやヘアケア商品を使用して頭皮環境や髪質を改善することで効果が得られることもあるでしょう。
ヘアアレンジによって、ふんわり感のあるヘアスタイルを作ることもできるため、生活リズムの改善やヘアケアとともに挑戦してみてください。