【永久保存版】抜け毛・薄毛の原因を食事で予防・対策・改善しよう

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あなたが気にしている抜け毛や薄毛。
もしかしたら普段食べている物が原因で起きているかもしれません。
食べ物には髪の毛に良い物・良くない物があるのをご存じでしょうか?
今回は髪の毛や頭皮の構造から、抜け毛や薄毛の要因につながる食べ物まで徹底解説。 育毛のサポートができる食品までを網羅しています。
抜け毛や薄毛が気になる方、食生活が乱れがちな方、必見です。

髪の毛に良い食べ物を選ぶには頭髪の構造を知ること

食生活が乱れがちだと髪に必要な栄養素が足りておらず、抜け毛や薄毛の要因になっているかもしれません。
まずはどんな栄養素が必要かというのを知る前に、髪の毛の構造や仕組みを理解し、「髪にとってなぜ有効なのか」というポイントを知りましょう。

髪の毛を構成する主成分は「ケラチン」

髪の毛の成分は「タンパク質」が90%を占めています。
人体の中にはさまざまなタンパク質が存在しますが、その中でも髪の毛は「ケラチン」というタンパク質で構成されています。 残りは髪の毛を着色をするメラニンや水分、脂肪分などがあります。
髪の毛は外側がキューティクルに覆われていて、その中には「コルテックス」と呼ばれる髪の内部組織があります。 中央には「メデュラ」と呼ばれる組織がありますが、太毛には存在し、細毛には存在しないことが多いです。
このコルテックスの中に繊維状のケラチンが満たされていて髪の毛を形成しています。

ケラチンとは

髪の毛を構成している大部分であるケラチン。
人体を構成する主なタンパク質はケラチンとコラーゲン。コラーゲンは広く認知されていて、肌や関節などの内部にあり、軟性のあるやわらかなタンパク質です。
一方でケラチンは、髪や爪、皮膚の角質などに含まれていて硬い性質を持ちます。
ケラチンはキューティクルの下にある「コルテックス」の部分に含まれていて髪の毛の構成の大部分です。 髪の毛のしなやかさや強さのもととなります。
コルテックス内の細胞の構成は、
・髪の毛を着色する「メラニン」
・「マイクロフィブリル」と呼ばれる繊維状のケラチンの集合体
・メラニンとマイクロフィブリルの間を埋める「間充物質」
から成り立っています。
つまりケラチンをしっかりと充足させることが「髪のハリやコシ」を維持し、健やかな髪を作ることにつながるのです。

毛根部の構造

髪の毛の健やかな生育を促すには、毛乳頭にある「毛母細胞」の働きを低下させないことが大切です。
また、生えてきた髪の毛の出口である毛穴が詰まっていると頭皮環境が悪化し、髪の毛の成長が阻害される可能性が高まります。 太くしっかりとした髪の毛を生育するためには頭皮環境を維持することも重要です。
各毛母細胞は、毛細血管より髪の毛を生やすための栄養素を運搬され、受け取ることで毛母細胞が細胞分裂し髪の毛が生まれてきます。
つまり髪の毛の健やかな生育には、頭皮や皮下組織は以下のような状態であることが理想的です。
・髪が健やかに生育できるような整った頭皮環境
・細胞分裂に必要な栄養素がしっかりと運搬される血流状態の維持
・不要な老廃物がきちんと流れていくこと
このような髪の毛の構造から必要な栄養素を知り、髪の毛の健やかな生育や頭皮環境を整えるために摂取しておきたい髪に良い食べ物や必要な栄養素を確認していきましょう。

髪の毛に必要な栄養素

摂取した栄養素がダイレクトに髪の生育につながるのかといわれると、答えは「NO」です。 髪の毛に運ばれる栄養素は、体の中でさまざまな臓器や機能に運搬された後、最後の方に髪の毛に回ります。
ですので、普段の食事では「良質な栄養素をしっかりと摂取すること」を意識するのが大切です。
それでは、髪の毛の構成成分や髪の毛を成長させるのに必要な栄養素を見ていきます。

タンパク質

タンパク質の中でも大切なのは「シスチン」質。Lシステインが2分子結合したものです。
髪の毛の主成分であるケラチンのアミノ酸組成で最も多いのがシスチン。 ケラチンにはシスチンだけではなくグルタミン酸やアルギニンなどのアミノ酸も含まれています。
これらのタンパク質をきちんと摂取することによって毛母細胞が増殖し、健康でしっかりとした髪の毛が生えてくるようになります。
おすすめの食材:チーズ、レバー、納豆、たまご、鶏むね肉

亜鉛

亜鉛は細胞の代謝に関与しています。 髪の毛に関する役割として、タンパク質として体内に取り入れたアミノ酸をケラチンに合成する働きがあります。
さらに亜鉛にはAGAの発症原因の一つであるDHTを生産する「5アルファリダクターゼ」を抑制する働きも確認されています。
おすすめの食材:牡蠣、うなぎ、レバー

ヨウ素

ヨウ素は体内の代謝に関与しています。 代謝活動を活発にして毛母細胞の働きを促進し、髪の毛の成長に一役買っています。
ヨウ素は海藻類に多く含まれていることから「髪の毛には海藻がいい」といわれるようになった理由の1つになっているのかもしれません。
おすすめの食材:わかめ、昆布、もずく

ビタミンA

ビタミンAには皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。 直接的な作用としては皮膚をはじめ外界につながる組織の上皮細胞を正常に保ちます。
ビタミンAをしっかりと摂ることで頭皮環境が整えられ、健やかな髪の毛の生育に貢献します。 ビタミンAには最初からビタミンAの形になっている「レチノール」と、体内に入ってから変えられる「カロチン」の2種類があります。
おすすめの食材:ほうれん草、にんじん、うなぎ、銀ダラ、レバー

ビタミンE

ビタミンEには血液中の善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らし、血行を良くして血管壁の強化をすることがわかっています。 血液中の中性脂肪も減るので動脈硬化にも有効であると考えられているため、血流が良くなり頭皮に栄養が行き届きやすくなります。
おすすめの食材:うなぎ、アーモンド、かぼちゃ、ほうれん草

ビタミンB2

ビタミンB2は過酸化脂質の生成を防ぎ、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。
過酸化脂質や中性脂肪、コレステロールなどは動脈硬化を促進し、毛母細胞へと栄養を供給する血流の運搬を阻害します。 さらに体内のあらゆる栄養素の代謝にも関与していて、発育や成長のために必要なビタミンでもあります。
おすすめの食材:さんま、ブリ、うなぎ、レバー

ビタミンB6

ビタミンB6はタンパク質の代謝に必要不可欠な成分です。 ビタミンB6はタンパク質に含まれているアミノ酸を作り、分解する際の補酵素として使われています。
おすすめの食材:ヒラメ、サバ、イワシ、鶏肉、大豆

ビオチン

ビオチンは別名「ビタミンH」ともいわれています。実はビタミンB群の仲間です。 ビオチンはアミノ酸や脂肪酸の代謝に関係し、甲状腺や皮膚組織を維持するのに関わっています。
ビオチンが不足すると皮膚炎などの皮膚症状が現れやすくなるので、頭皮環境を整えるために必要な栄養素です。
おすすめの食材:卵黄、大豆、ナッツ類

ビタミンC

ビタミンCにはさまざまな効果が確認されています。
毛髪に関する作用としては細胞を活性化させるミネラルの吸収をサポートする役割があります。
またタンパク質、とくにコラーゲンを作るプロセスに必要な成分。 髪の毛の主成分はケラチンですが頭皮の真皮層にはコラーゲンも存在しています。
頭皮環境を整え細胞の働きをサポートするためには必要なビタミンといえるでしょう。
おすすめの食材:オレンジ、グレープフルーツ、イチゴ、キウイ、ブロッコリー

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きを持ち、AGAの原因となる 「DHT」の生成を抑えるともされています。
最初に紹介したタンパク質を摂取するのにプロテインなどを活用したいと考えている場合には、大豆イソフラボンを主成分としたプロテインを活用してみると良いでしょう。
おすすめの食材:納豆、豆乳、 おから、きなこ、豆腐

エイコサペンタエン酸(EPA)

EPAは魚の油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸の1つです。 コレステロール値や中性脂肪値を下げ、血液を固まりにくくするので頭皮の血行を良くするとされています。
おすすめの食材:サンマ、サバ、アジ、アナゴ、マグロ

髪の毛に良くない食べ物!抜け毛・薄毛を促進させる原因

髪の毛の成長を促す栄養素や食材がある一方で、髪の毛に悪影響を与え、抜け毛や薄毛を促進させる食べ物もあります。
薄毛や抜け毛が気になっている方はこれから紹介する食べ物はできるだけ摂りすぎないように意識した方がいいかもしれません。

油分が多い食べ物

脂質が多い食べ物は皮脂が過剰分泌し毛穴を詰まらせ、髪が太く長く生育するのに悪影響を及ぼします。
また、中性脂肪やコレステロールが高まると血液の流れも滞りがちになり、毛母細胞に栄養を運搬するのにもマイナス要素として働きます。
揚げ物を始め、脂肪分の多い食べ物は髪の毛の生育を促すことを考えると摂りすぎないように適度な量に抑えた方が良いでしょう。

糖質が多い食べ物

糖質が多い食べ物をたくさん摂っていると結果的にエネルギーとして消費できず、体内に脂肪として蓄えられます。 結果として中性脂肪が高まり、動脈硬化をはじめとする血流の滞りをもたらす可能性につながってしまいます。
また糖質の過剰摂取は、体内の糖化を促進します。糖化が進むと毛母細胞の活性を弱め、ヘアサイクルの乱れを起こします。

飲酒、喫煙

喫煙によるニコチンの摂取は、血管を収縮させるので頭皮への栄養供給がはばかられます。 さらに体内では、ニコチンを分解するのにビタミンやミネラルなどを大量消費します。
飲酒も髪の毛のことを考えるとあまりおすすめはできません。 アルコールを摂取した後分解する際にアミノ酸を大量に消費します。
アミノ酸はケラチンの材料の1つです。 飲酒や喫煙は髪の毛にとって、貴重な栄養源を積極的に壊してしまうことにつながるのです。

食事だけではなく生活習慣の改善も意識しよう

髪の毛を健やかに生育させることを考えると、食事だけではなく、「ストレスを溜めないこと」や「規則正しい生活習慣」なども意識したいところです。

まとめ

髪の毛や頭皮の構造を解説し、頭皮環境や髪の毛の生育につながる栄養素と食材を紹介しました。
「食生活がそんなに髪の成長につながるの?」と考えるかもしれませんが、毎日3食摂取することを考えると「塵も積もれば山となる」。 毎日の乱れた食生活が薄毛や脱毛を促進しているかもしれません。
少しずつ、髪の健康を意識した食事を摂ることで、体の内側から抜け毛や薄毛にアプローチしていきましょう。
すぐに効果がでたり、目に見えて大きな変化を実感することは正直難しいかもしれません。
目に見えづらいことを続けていくのは大変ですが、5年後、10年後の自分の髪の毛を見て、食生活を意識していて良かったと思える日がきっとくるはずです。


監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。 同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。