【18-MEA(メチルエイコサン酸)が髪の美しさと健康のサポートに重要な理由

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髪の美しさと健康をサポートするためには「18-MEA(メチルエイコサン酸)」という必須脂肪酸の存在が欠かせません。 18-MEAは、髪のキューティクル層の表面に位置し、髪を外部のダメージから守り、健康的な状態を維持するサポートをしています。
しかし、18-MEAは外部からのダメージやヘアカラー・パーマなどの化学処理、加齢によって減少してしまい、基本的に再生しません。
18-MEAが損失するとキューティクルの保護機能が劣化し、髪のダメージや乾燥が進行する恐れがあります。 そこで適切なヘアケア製品やトリートメントを活用して、18-MEAの機能をサポートすることが重要です。
この記事では、18-MEAについて解説し、損失してしまった場合に意識したいヘアケアについてご紹介します。

18-MEA(メチルエイコサン酸)とは

18-MEA(18-Methyleicosanoic Acid)は、髪の毛に存在する必須脂肪酸のひとつです。 主に髪の表面を覆うキューティクル層(表皮の一部)に存在し、髪の保護や健康を維持するために重要な役割を果たしています。
髪の毛は表面を覆うキューティクル層が健康で整っていると、より艶やかでなめらかになります。 18-MEA(メチルエイコサン酸)は、このキューティクル層の一番外側に存在し、髪の毛を保護するキューティクルの保護機能における重要な役割を担っています。
また、18-MEAは髪の毛の水分バランスを調整する役割も果たしています。 適切な水分量が保たれることで髪の柔軟性や弾力性が維持され、健康的な髪の状態を保つ一助となるのです。

18-MEAが損失する要因

一般的に18-MEAは何もしなければ髪の毛に存在しますが、外部からのダメージや加齢などによって減少することがあります。 基本的に一度失われた18-MEAは再生することはないといわれています。
18-MEAは、髪のパーマやカラーリングなどの化学処理によって失われます。 1回のカラーリングにおける18-MEAの損失量はなんと9割にも上るとされているのです。
キューティクルの保護機能でもある18-MEAの損失により、髪のダメージが進行しやすくなるのは容易に想像できますね。
また、ケミカル処理だけではなく髪の老化によっても18-MEAが失われます。 18-MEAの損失によりキューティクルのダメージが進行すれば、さらにキューティクルも剥がれやすくなりヘアダメージが進みます。
子どもの髪が艶やかでしなやかなのは、18-MEAが十分に存在しているから。 対して高齢者の髪にハリがなく、艶やかさがなくなる要因は18-MEAが徐々に失われているからだと考えられています。

18-MEAの働き

18-MEA(18-Methyleicosanoic acid)は、髪の健康だけではなく美しさや艶やかさなど、見た目印象の変化にも影響をおよぼす脂肪酸の一種です。
では実際に、18-MEAにはどのような働きが期待できるのでしょうか?

保護作用

18-MEAはキューティクルの中でも外側を覆うバリアを形成する一部です。 外部からのダメージや摩擦から髪を保護する働きがあります。
18-MEAが十分であれば、髪の毛はより健康でよりツヤやなめらかさを保つことができるでしょう。

保湿作用

18-MEAは髪の表面に存在し、キューティクルの乱れを防ぎます。 キューティクルの配列が整っていれば髪内部の水分を保持し、しっとりとした髪の状態を保てるでしょう。
髪の毛の乾燥やパサつきを防ぎ、柔軟性やなめらかさにもつながります。

表面の疎水性を保つ

18-MEAは髪の表面を覆う薄膜を形成し、髪の毛が水や湿気に浸透するのを防ぎます。
一般的に髪の毛は、水に濡れたり湿気が増えるとキューティクルが開いてしまい、髪内部の水分が流出します。 (キューティクルの中のエンドキューティクルが膨らみ開く)
18-MEAの疎水性により、湿度などによるキューティクルの開きが抑えられるため、髪は水分を保持し、よりしっとりとした状態を維持できるでしょう。
また、髪のパーマやカラーリングなどの化学処理や熱によるダメージから髪を保護し、修復する効果があります。 これにより、ダメージを受けた髪が健康的で艶やかな状態に戻るのを助けます。

18-MEAがなくなるとどうなる?

18-MEAが髪から失われると、髪の健康や美しさにさまざまな影響が及びます。
以下にその主な影響を解説します。

キューティクルの保護不足

18-MEAはキューティクルを覆うバリア形成の一助を担っています。
つまり、18-MEAがなくなると外部からのダメージや摩擦に弱くなり、ヘアダメージが進行しやすくなるでしょう。
キューティクルが脆弱になり、ダメージや乾燥などの影響を受けやすくなります。

乾燥やパサつきの増加

18-MEAは髪の表面に水分を保持し、髪をしっとりとした状態に保ちます。
そのため、18-MEAが失われると髪が乾燥しやすくなり、髪同士の摩擦や絡まりが強くなるでしょう。
結果としてパサつきや枝毛が増える可能性があります。

ツヤやなめらかさの喪失

18-MEAが髪の表面を覆う薄膜を形成しているので、髪にツヤやなめらかさを与える役割もあります。
そのため、18-MEAが失われるとキューティクルの配列が乱れ、髪の表面が粗くなりツヤやなめらかさが失われる可能性があります。

18-MEAを意識したヘアケアでキューティクルの健康をサポート

近年になり、18-MEAがキューティクルの構造を維持するのに重要な役割を担っていることがわかってきました。(2024年4月現在)
しかしながら、一度損失した18-MEAを補うのは容易ではありません。
ここでは、18-MEAを意識したヘアケアを取り入れることでキューティクルの健康を効率的にサポートする方法を解説します。

18-MEAの保護機能をサポートするヘアケア製品

近年になり18-MEAの髪の「ラッピング(保護)」機能に着目された商品も販売されています。 18-MEAが失われ、失われた保護機能をサポートすることができます。
シャンプーやトリートメント、ヘアマスクなど、髪に栄養を与える製品を選ぶ際に、18-MEAの働きをサポートする成分が配合されているかを確認しましょう。
【参考成分】
・シリコン(シリコンオイル)
シリコンは髪の表面に薄い保護膜を形成し、摩擦を防ぎます。
・オイル
植物系のヘアオイルは、髪の表面に薄い保護膜を形成し、摩擦を防ぎます。
アルガンオイルやホホバオイルなどの天然オイルであれば、髪への負担もマイルドでさらなるダメージの進行に配慮できます。
・セラミド
セラミドは髪の表面を覆っているキューティクルを接合するのをサポートし、摩擦を軽減します。
また、髪の内部の水分を保持してキューティクルを補強し、摩擦を低減させます。

水分の補給や損失を防ぐトリートメントやヘアオイル

18-MEAの損失は、髪の毛の水分の流出の一因となります。
髪の水分保持や損失予防につながる成分を含むトリートメントやヘアオイルを定期的に使用するヘアケアを意識しましょう。
【参考成分】
・ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は保湿効果が高く、髪に水分を供給して髪の潤いをキープします。
・グリセリン
グリセリンは保湿剤として広く使用されており、頭皮や髪の水分を保持して乾燥から守ります。
・アルガンオイル
アルガンオイルは、豊富なビタミンEと脂肪酸を含んでおり、髪の水分蒸散を防ぎ保湿をキープします。
また、髪の表面に保護膜を形成してキューティクルを保護してくれるので、ブローやアイロン前などのヒートプロテクトとしてもおすすめです。

美容室でのトリートメント

美容室での専門的なトリートメントやヘアケアコースでは、18-MEAを髪に補給するメニューが提供されていることもあります。
美容師に相談し、髪の状態や自分のニーズに合わせたトリートメントを選択しましょう。
18-MEAだけでなく、髪の毛の状態やお悩みに合わせたさまざまな有効成分を取捨選択することで理想的な髪の状態を追求する強力なサポーターとなるでしょう。
また、専門科の目で確認し対策を取り入れることは個別性に特化した「髪のパーソナライゼーション」とされていて、近年非常に注目をあびています。

まとめ

18-MEA(メチルエイコサン酸)は、髪の毛において重要な役割を果たす必須脂肪酸の一つです。
髪のキューティクル層の表面に存在し、髪を保護し、健康的な状態を維持するために欠かせない成分です。
しかし、外部からのダメージやカラーやパーマなどの化学処理、加齢などによって18-MEAが減少すると髪のダメージや乾燥の原因となります。
18-MEAは髪の保護や健康維持だけでなく、髪の美しさやなめらかさなど、見た目印象にも大きな影響を与えます。
そのため、損失が考えられる場合は適切なヘアケア製品やトリートメントを利用して18-MEAの働きを補うことが重要です。
ヒアルロン酸や植物性オイル、セラミドなどが含まれる製品を活用し、18-MEAの機能をサポートするヘアケアを取り入れましょう。
18-MEAの働きを意識したヘアケアを行うことで、キューティクルの健康をサポートし、美しい髪をキープしましょう。