抜け毛の原因は?対策や治療で症状を改善するポイント

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抜け毛の原因は、1つではありません。種類や症状によって異なり、それに応じて適切な治療を選ぶ必要があります。また、1日の抜け毛本数が何本までなら心配ないかなど、基本的な情報を押さえておくことも大切です。
今回は、抜け毛のさまざまな原因・種類・症状をご紹介するとともに、薄毛予防に欠かせない対策をお伝えします。「最近、抜け毛の本数が増えた気がする」そんな悩みを持つ方は、ぜひご一読ください。

1日に抜け毛が何本あると注意?

抜け毛 髪の毛が抜けたとしても、成長サイクルに沿った自然脱毛の範囲内であれば問題ありません。しかし、一定レベルを超えた抜け毛は、薄毛を知らせる危険信号かもしれません。

1日100本までなら大丈夫

頭皮が健康な状態でも、髪の毛は毎日抜け落ちます。もっとも抜けやすいのが、シャンプー中と、睡眠を取っているときです。このタイミングで多少抜け落ちても、それは自然現象であり、過剰に反応する必要はありません。
自然脱毛の本数は、1日平均100本前後といわれています。つまり、1日あたり100本程度の抜け毛であれば、問題ないということです。ただし、元々の毛量が多い場合は1日200本近く抜けることもあるため、100本を超えたら異常だとは一概にはいえません。
どれくらいの本数が抜けているか、正確な数を確かめることは困難ですが、シャンプーをしているとき、あるいは寝起きの枕を見たときに、これまでより明らかに抜け毛が増えている感じがしたら、何らかの対策が必要かもしれません。

脱毛症かどうかは、抜け毛の質で判断

1日にどれくらい髪の毛が抜けているか、正確な数の見極めはほとんど不可能でしょう。そこで、自然脱毛か異常脱毛かを区別する判断基準として、抜け毛の本数ではなく髪質をチェックすることをおすすめします。脱毛症の場合、抜け毛に次のような特徴があります。
  • 抜け毛が短い
  • 抜け毛の根元が細い
  • 抜け毛の毛先が細い
  • 切れ毛・産毛が多い
髪の毛が十分に成長することなく抜けてしまう状況であれば、ヘアサイクルが正常でない可能性があります。気になる方は、お風呂場や枕に落ちた抜け毛を手に取り、毛先や根元を確認してみましょう。

抜け毛が多い季節ってあるの?

秋 抜け毛に季節性はあるのでしょうか。髪の毛は、秋になると抜けやすくなり、他のシーズンと比べ、抜け毛の数は2~3倍増えるといわれます。

秋にもっとも抜ける

秋に自然脱毛で250本以上抜ける、という方も少なくありません。なぜ、秋は他の季節と比べ抜けやすいのでしょうか?その原因は秋そのものではなく、夏にあります。
夏は、気温が高く紫外線もひときわ厳しいシーズンです。猛暑のせいで頭皮に大量の汗がたまり、毛穴も詰まりやすくなります。頭皮コンディションが乱れる多くのファクターを抱えているときがこの季節です。
特に問題となるものが、紫外線の影響です。人間の体のうち、もっとも高い位置にある頭部は紫外線が一番強くあたる部分となります。夏の強い日差しを受ければ、ダメージも小さくありません。紫外線の有害物質が頭皮に浸透し、結果、抜け毛となって発症する時期が秋です。この季節に抜け毛が増えるのは、夏に抱えたトラブルの結果といえるでしょう。

夏の対策が重要

秋の自然脱毛を必要以上に増やさないためには、夏の頭皮ケアが重要となります。外出時は日よけ目的の帽子やUVカット用品を有効活用しましょう。
また、皮脂や汗も多くなるため、1日の終わりには必ずシャンプーで頭皮を洗浄してください。ただし、洗いすぎると皮脂が不足して紫外線の影響も強くなってしまいます。シャンプーは1日1回を基本に、質の高い洗い方を心がけましょう。

男性と女性それぞれの抜け毛の原因って?

抜け毛 では、髪の毛が抜ける原因としてどのようなことが考えられるのでしょうか。ここでは男性と女性、それぞれの抜け毛の原因をご紹介します。

男性の抜け毛の原因は?

テストステロン
男性の抜け毛の多くは、AGA(男性型円形脱毛症)であるとされています。
AGAは、男性ホルモンが毛母細胞に悪影響を及ぼす物質に変質することで発症する脱毛症です。その原因物質は、ジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれ、5aリダクターゼという酵素とテストステロンという男性ホルモンが結合して生成されます。
元々、男性ホルモンが多すぎると髪の毛が成長しにくい傾向があり、DHTに変質すればその力が約10~30倍向上するといわれます。そのため、DHTが増殖するとヘアサイクルは正常に働かなくなり、髪の毛が太くなる前に抜けやすくなってしまうのです。
AGAは進行性の脱毛症であるため、放置していると髪は薄くなる一方です。専門の治療を受けない限り、抜け毛の症状を改善させることはできません。

女性の抜け毛の原因は?

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症は別名、女性男性型脱毛症(FAGA)とも呼ばれる、AGAと似た性質を持つ症状です。女性も一定レベルのテストステロンを持っているため、その量が増えすぎて女性ホルモンとのバランスが崩れると、脱毛が起きやすくなります。
女性ホルモンは、加齢やストレス、生活環境の変化などで分泌力が低下する特徴を持つ物質です。また、年齢を重ねるほどコラーゲンや皮脂の分泌量も少なくなり、頭皮の乾燥を招く点に注意を要します。
びまん性脱毛症の場合、AGAのように薄毛が進行した結果、髪の毛がなくなってしまうまではいきません。症状の特徴としては、「髪のボリュームがなくなる」「地肌が目立つようになる」「毛先が細くなる」「髪の毛のツヤとコシが失われる」などがあります。
髪の毛のボリュームが徐々に減少していくことが多いため、なかなか症状に気付かない方も少なくありません。髪質やボリュームに変化がないか、毎日鏡の前でチェックすることが大切です。

出産

妊娠・出産も、頭皮に大きな影響を及ぼします。出産を経た女性はさまざまな体調の変化に悩まされますが、その主な原因はホルモンバランスの乱れです。妊娠中は大量の女性ホルモンが分泌され、反対に出産後は大幅に減少します。出産後、敏感肌になってかゆみや湿疹が出やすくなるのも、ホルモンの分泌力低下が原因です。
頭皮環境も、ホルモンバランスの乱れで大きく変わります。出産3カ月を経過したあたりから、大量の抜け毛に見舞われるケースもあります[分娩(ぶんべん)後脱毛症]。また、子育てや環境の変化など、さまざまなストレス要因がそれに拍車をかける面も否定できません。
分娩後脱毛症は、時間の経過とともに症状が落ち着きますので、それほど心配する必要はないでしょう。ただ、ストレスを余分に抱えてしまうと女性ホルモンの分泌力もなかなか回復しないため、子どもを預けて1人で気分転換をするなどしてリラックスする時間を持つことを心がけてください。

牽引(けんいん)性脱毛症

髪の毛を無理に引っ張るヘアスタイルを続けることで発症する、女性に多く見られる脱毛症です。ポニーテールやお団子ヘアなどの髪型は、頭皮を突っ張らせ、毛根に大きな負担を与えます。毛根がダメージを受ければ、毛母細胞が傷付けられ、抜け毛を招いてしまうでしょう。それらのヘアスタイルが長年定着すると、当然毛根への負担も大きくなり、ダメージが蓄積され、ゆくゆくは牽引性脱毛症などの深刻な薄毛・抜け毛が誘発されるのです。
また、同じ分け目を続けるスタイルも、牽引性脱毛症の原因の1つです。慢性的にあらわになった地肌は、紫外線などの外部の刺激を受け続け、耐性も弱くなります。頭皮環境も悪化して抜け毛を増やしてしまうでしょう。なるべく頭皮に負担がかからない範囲でヘアスタイルを考えることをおすすめします。

男女共通の薄毛の原因は?

円形脱毛症

500円玉くらいの大きさで脱毛症状が現れることを、円形脱毛症といいます。円形脱毛症が発生する箇所は1つとは限らず、複数の円形脱毛が発生するケースもあります。また、複数箇所に生まれた円形脱毛がつながって、頭皮全体が薄くなる重度の症状もあり、その場合は医療機関などで本格的な治療を必要とします。
円形脱毛症の主な原因は、ストレスです。男女とも、ストレスを抱えすぎると自律神経やホルモン、内臓器官など、さまざまな体機能に悪影響を与え、最終的には頭皮にまで被害が及びます。ストレスが多い実感があれば、適度にリフレッシュするなど体調管理に気を配ることが大切です。症状が深刻であれば、迷わず専門機関に相談し、適切な治療を受けましょう。

毛周期の異常

毛周期の異常
毛周期の異常がもたらす脱毛症も存在します。毛周期とは、髪の毛が正しく成長するためになくてはならないヘアサイクルのことです。「成長期」→「退行期」→「休止期」の3つのプロセスがあり、この周期を繰り返す中で髪の毛は生成されます。成長期が異常に短くなったり、休止期の期間が長くなったりすれば、毛髪の健康的な成長は見込めません。
成長期は初期・中期・後期に分かれており、それぞれ適切な長さを保つことが非常に重要です。成長期が短くなれば、ヘアサイクルの周期もおのずと短くなります。一般的に毛周期は5~6年程度といわれますが、成長期の短縮によって髪の毛が早い段階で抜け落ちれば、髪全体のボリュームは失われていくでしょう。
毎日のシャンプー時にどれくらい髪の毛が抜けているか、髪質は正常を保っているか、頭皮環境のこまめなチェックを心がけてください。

自己免疫疾患説

最近、新たな脱毛症の原因として取り沙汰されているのが、「自己免疫疾患説」です。自己免疫疾患とは、免疫の異常作用によって体の正常な器官や細胞を傷付ける疾患のことです。
私たちの体に備わっている免疫という機能が、外部から侵入してくるウイルスや敵性物質を排除することで、健康な体を維持できます。ところが、自己免疫疾患にかかると、正常な細胞に対しても異物と判断してしまうことがあり、毛母細胞もそれによって攻撃を受けることがあります。
攻撃された毛母細胞は少なからずダメージを受けるため、修復は容易ではありません。その結果、髪の毛の発育は阻害され、抜け毛が増えて薄毛の範囲も広がる事態が生じます。
自己免疫疾患の原因として考えられることは、疲労の蓄積やストレスの増大、さまざまな感染症などです。自己免疫疾患は脱毛症以外にも、関節リウマチや甲状腺疾患などの深刻な病気を引き起こす可能性も高いため、自己免疫疾患を誘発する要因をできるだけ排除するように心がけましょう。

粃糠(ひこう)性脱毛症

大量に生じたフケが毛穴を詰まらせることで抜け毛を増やす脱毛症です。女性より男性に多い症状といわれますが、シャンプーのやり過ぎで乾燥肌になればそのリスクを高めてしまうため、女性でも油断はできません。
考えられる原因は、強い乾燥と、頭皮への大きなダメージです。カラーリングやパーマなどで薬剤を使用すると、強い刺激が頭皮に加えられ、炎症やかゆみなどを引き起こします。かさぶたによって毛穴が詰まることも発症の一因とされるため、カラーやパーマを施す際はこのようなリスクが潜む点に注意してください。
粃糠性脱毛症を予防するためには、まず乾燥や外部刺激などから頭皮を守ることが大切です。そのためにも、地肌に優しいシャンプーを使用することをおすすめします。

抜け毛への対策は何をすればいい?

AGA、FAGAの治療

AGA、FAGA治療
AGAの治療法として代表的なものが、抜け毛を抑止する治療薬の服用・塗布です。
厚生労働省が認可した唯一の薄毛治療用の飲み薬であるプロペシアは、服用をはじめてから6カ月程度で症状の回復が見込めるといわれます。これに加え、ミノキシジルなどが含まれる発毛促進剤を使用しつつ、頭皮環境の経過を見ていく治療方法もあります。
プロペシアは女性の服用が禁じられているため、女性の薄毛に適した治療をすることが必要です。女性向け抜け毛抑止薬の代表が、パントガールです。いわば女性版プロペシアと呼ばれる内服薬で、ケラチンやL-シスチン、ビタミンB群など髪の毛の生成に必要な栄養素を多く含む医療品です。ちなみに外用薬のミノキシジルは、女性が使用しても発毛効果が期待できますので、医療機関で相談の上、パントガールと併用して頭皮環境の正常化に役立てても良いでしょう。

食事

薄毛予防のための食事は、たんぱく質や亜鉛、ミネラル、ビタミンを重視するメニューが大前提です。髪の毛の90%は、ケラチンと呼ばれるたんぱく質でできています。ケラチンが多く含まれる卵や大豆を意識して取り入れましょう。
亜鉛は、脱毛抑制に効果の高い物質です。亜鉛を多く含む食べ物は、カキ類や海藻類、リンゴ、イワシ、青魚など。カキには亜鉛以外にも豊富なアミノ酸が含まれています。機会があれば積極的に摂取してください。
ビタミンAやビタミンB、ビタミンEなどのビタミン群も大切です。ビタミンは、フルーツや緑黄色野菜に多く含まれています。食べ物に含まれるたんぱく質を体内で吸収するためにはビタミンの摂取が欠かせないため、ほかの食べ物と合わせバランスよく取り入れましょう。

睡眠

睡眠の質を高めることも、薄毛対策として大切です。基本は早寝早起きを守り、仕事もプライベートも充実した時間を過ごしましょう。精力的に活動し、適度に疲労していれば、夜もぐっすり眠れます。
もっとも適した睡眠タイムは、午後10時~午前2時までの時間帯で、成長ホルモンが活発に分泌されることから“ゴールデンタイム”と呼ばれます。この時間帯に睡眠を取れるよう意識して、1日のプランを立ててください。
快適な睡眠は、疲労の回復とストレスの軽減につながります。頭皮に栄養素を運ぶ血管にとって大敵なのが、疲労とストレスです。この2つを適度にコントロールするためには良質な睡眠の確保が欠かせません。量と質のバランスを考えた睡眠を重視しましょう。

運動

適度な運動は、脂肪の燃焼を助け、効率的なエネルギー代謝をもたらします。ウォーキングやスイミング、エアロビクスなどの有酸素運動は、質の高いトレーニング効果が見込めるため特におすすめです。体を動かして肥満を解消できれば、血行不良の改善につながり、毛髪成長のバックアップにつながることも。発汗による不純物の排出も期待でき、健康的な体に近づけるでしょう。
また、運動は気分転換やリフレッシュをしたいときにも最適です。気分が落ち着かず、イライラがたまっているときに運動をすれば、嫌な気持ちも吹き飛び、ストレスの軽減につながるでしょう。ストレス緩和に成功すれば、頭皮環境の改善に一歩近づきます。

シャンプー

シャンプー
シャンプーは、頭皮ケアの基本です。そのため、入念なプランと適切な方法を取り入れる中で進めることが何よりも重要です。シャンプーの種類やタイミング、すすぎ方、回数まで、細かくケアプランを立てて実行に移してください。
特に重要視してほしいものが、シャンプーの種類です。石油系成分や界面活性剤の入ったシャンプーは、洗浄力が強すぎるあまり必要な皮脂まで洗い落とす傾向があります。頭皮保護の役目もある皮脂をすべて除去すれば、外部刺激による大きなダメージは避けられません。薄毛予防を重視するなら、地肌に優しい成分が配合されたアミノ酸系シャンプーの使用をおすすめします。

過度なカラーなどを控える

カラーリングを頻繁に行えば、髪の毛に大きな負担がかかり、切れ毛や枝毛、縮れ毛の原因になるでしょう。度重なるカラー剤の刺激でやせ衰えた髪の毛は成長力を失い、抜けやすくなります。かぶれや炎症をも引き起こすため、やり過ぎにはくれぐれも注意してください。
自宅でセルフカラーリングを施す方もいますが、あまりおすすめできません。どうしてもカラーリングを楽しみたい方は、美容師など専門家の手に委ねましょう。頭皮ができるだけ傷まないようフォローしてくれます。また、その後のケアに関するアドバイスも送ってくれるでしょう。オシャレを楽しむなら、カラー後のセルフケアまで視野に入れて計画を進めてください。

おわりに

頭皮のコンディションを正しく把握するためにも、1日における自然脱毛の本数、異常脱毛か自然脱毛かの見分け方を押さえておきましょう。それと同時に、抜け毛の原因・症状も脱毛症の種類によっていくつかパターンがある点に注意してください。治療や対策は、それに応じた適切なものをチョイスすることが大切です。男性型脱毛症にはプロペシアの服用が有効ですが、女性型脱毛症は別のアプローチからの治療が不可欠です。自分の判断に少しでも迷いがあれば、専門の治療期間のアドバイスを仰ぐようにしてください。