超高齢化社会日本の髪問題!介護施設に入所している人の髪のお手入れについて

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「超高齢化社会に入りますよ!」とアナウンスされても、高齢者との接点があまりない若い人たちからすれば、「そうですか……」としか答えようがないかもしれません。
ところが注意深く町を散歩するだけでもわかりますが、高齢者向け介護施設の多いこと多いこと。近年その数はグッと増えています。これは都市部、地方にかぎらない全国的な話です。
さて、このように目を凝らしさえすれば超高齢化社会の中に自分もすでにいることがわかるわけですが、高齢者の方々の施設内での暮らしぶりなど現場の細かなことまではなかなか知ることができませんよね。
そこで今回は、介護施設に入所している人の髪のお手入れについてお伝えします。

自立の方は基本自分で

高齢者を十把一絡げにして語ることは到底できません。
現在の定義だと「65歳以上」の方々が高齢者と呼ばれていますが、65歳の方と100歳の方では求められるケアの仕方がまるで異なります。
さらに人によって、身体の状況、現在抱えている病気や既往歴、家族の有無や家族の意向、本人の性格や意向などが異なるので、それぞれの高齢者に合ったケアをしていかなければなりません。
とはいえ基本となる鉄則があります。
それが「自分でできることはなるべく自分でしてもらう」という鉄則です。
自分で髪の毛を洗える方にはなるべく自分で洗ってもらい、自分で髪の毛をとかせる方にはなるべく自分でブラッシングしてもらいます。
これは何も、介護職員が手を抜いているわけではなく、その人の運動能力の保持やいわゆる認知症予防を小さな目的としているとともに、何よりもその人にこれまで通りの生活をしてもらいその人らしく生活してもらうことを大きな目的としています。
よって基本的にはサポートの必要な高齢者にのみ髪のお手入れのお手伝いをし、自立の方には付かず離れずの距離で見守るようにしています。
ある老人ホームでは、毎朝起きたら必ず髪の毛をポマードでセットする94歳のおじいさまがいましたが、横で見ていると慣れた手つきでササっとセットしていましたね。

入浴は週2回

施設にもよるかと思いますが、有料老人ホーム・デイサービスセンター、ともに入浴は一人週2、3回が一般的でしょう。
先ほど、自立の方は基本何でも自分でしてもらうと書きましたが、施設内にいる以上はどんなに元気な高齢者であっても、職員はすぐに手を差し伸べられる場所で見守る責任があります。
これはどの施設においても同じです。
とはいえデイサービスのように通いで来られる方々の中には、プライベートの時間に銭湯に行ったり美容室に行ったりしている方もいるそうです。
施設を離れれば、みなさん自由に生活しているようですね。
また日常生活すべてにおいて介助が必要な方であっても、本人や家族の意向、経済的な事情などにより、老人ホームなどの施設には入らず自宅で過ごしている方もたくさんいます。
そのような方にはヘルパーが赴き、食事や排せつをサポートするほか、髪の毛をといたり結わいたりしてあげることが可能です。
なかには「訪問入浴」を専門とする介護サービスもあるため、自宅で湯船に浸かり、髪の毛を洗ってもらうことも可能なのです。

月イチで美容師さんが来ます

では自力で美容室に行けない高齢者の方がどのように髪の毛を切っているのかというと、美容師さんが月イチでちゃんと来てくれるから安心なのです。
これもまた、有料老人ホーム・デイサービスセンターの両方と、多くの介護施設が特定の美容室と専属契約しているようです。
ちなみにある有料老人ホームでは、美容師さんがカラーやパーマにも対応してくれたので、くるくるのいわゆる「おばちゃんパーマ」をできたてホヤホヤの状態で見ることができました。
町には高齢者向けの介護施設がグッと増えてきているわけですから、介護施設でのヘアメンテナンスに特化した美容室は今後ますます増えていきそうですね。

おわりに

介護施設に入所している人の髪のお手入れについて、現場の声をお伝えしましたがいかがでしたか?
自立している方の中には、帽子やカチューシャなどでおしゃれを楽しんでいる人もたくさんいます。
みなさんいくつになっても男ですし、女ですよ。