「話題の臓活って?」五臓の不調を改善して、体質も髪質も改善しよう!

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「臓活」というキーワードを聞いたことがありますか?
臓活の「臓」とは「肝・心・脾・肺・腎」の五臓のこと。
臓活でそれぞれの臓器を活かすことによって健康や美しさを手に入れることができると近年話題になっています。 加えて、臓活は体質改善だけでなく実は、髪質改善にも効果があるとか。
そこで、この記事では、臓活のメリットや髪の毛との関連性、簡単にできる臓活を解説します。

そもそも「臓活」とは?

「臓活」とは東洋医学の考え方で、五臓の働きを活性化することで健康の維持や推進に繋がると言われています。
東洋医学における五臓「肝・心・脾・肺・腎」は、西洋医学の臓器「肝臓」「心臓」「脾臓」「肺」「腎臓」とは異なるそうです。 内臓としての役割だけでなく、生きるために必要な働きを5つに分類したものというのが定説です。

東洋医学を元にした臓活

私たちは身体の調子が悪い時、その症状やその部位にばかり気を取られてしまいますよね。 西洋医学においてはどこかの臓器に症状がみられると、治療はその臓器のみを行います。
一方、東洋医学では、五臓は互いに調整しながらバランスをとっていると考えられているため、特定の症状を緩和するだけでなく、不調の根本的解決を目指しているのです。

臓活のメリット

五臓それぞれの働きを活性化する臓活を上手に活用すると、あらゆる身体の不調が改善するだけでなく、さらなる健康の促進や美しさ・若さの維持にも効果があります。

1.体温が上がる

近年、日本人の平均体温が低下してきていることを知っていますか?
低体温は心と身体の免疫力を低下させ、様々な不調の原因になると言われています。 臓活によって体温を上げることで、免疫力向上、ストレス緩和、基礎代謝の上昇により痩せやすい体質になるなど、様々なメリットがあります。

低体温 の身体への影響

体温は、1℃低下しただけで身体の不調をもたらし始めます。
・免疫力が30%〜40%低下
・基礎代謝の低下
・自律神経のバランスが不安定になる
・体内酵素の働きが低下
など、体温が下がることで引き起こされる不調はたくさんあります。

臓活で体温を上げるとどうなる?

体温を上げることで
・免疫力が上がり病気になりにくくなる
・太りにくくなる
・血行が良くなり身体の隅々まで栄養が送られる
・ストレス耐性がつく
などのメリットがあり、心と身体が安定し、身体の調子を整えることができます。

2.それぞれの臓器が活きる

五臓は身体が健康であるための役割をそれぞれの五臓が担っています。 臓活でそれぞれの臓器に注目し、働きを活性化させることで、身体の悩みの根本的な解決に繋がっていると考えられています。
五臓がどのような働きを担っているのか、機能していない場合の症状や、五臓を活かすための臓活を紹介していきます。

五臓それぞれの役割とそれを活かす臓活

五臓は24時間常に働き続け、私たちの心や身体に関する全てのことに関わりがあります。 そのため、五臓のどこかが不調になってしまうと、身体や心も不調になってしまうのです。
五臓が正しく機能してこそ、健康が維持されると言っても過言ではありません。

肝は、気(生命のエネルギー)と血(血液やその働き)の流れを円滑にする働きを担っています。 また、血を貯蓄し血流をコントロールすることで、全身に必要な分の血液と栄養素を送り、体を潤してくれます。
そのため、臓活で肝の働きを活性化させることは生理痛や月経前症候群を緩和し、皮膚や髪に潤いを生んでくれるそうです。

肝の不調によって引き起こされる症状

・肌や髪、爪のツヤがなくなる
・生理痛、月経前症候群
・ドライアイや眼精疲労、クマ

肝を活かす臓活

・良質な睡眠をとる
・朝起きたら散歩などで体を動かし、からだの気を巡らせる
・長い時間同じ姿勢を取らず、こまめに動かす
・体を締め付ける服を着たり、髪をきつく縛ったりしない
・働きすぎず、穏やかに過ごす

心は、生理機能から、感情や思考のような精神活動にも関係しています。 また、ポンプのように血を全身に送り出す役割も。
心が活かされると、肌の血色が良くなることで顔にツヤが出て、精神面の安定も期待できます。

心の不調によって引き起こされる症状

・不眠やうつなどの精神的な問題
・循環器系の病気
・血色が悪く、肌にツヤがなくなる

心を活かす臓活

・スマホやパソコンを見過ぎない
・軽い運動を取り入れ、適度に汗をかく
・30分以内の昼寝をする
・一人の時間を設け、リラックスする

脾は、飲食物から栄養を取り込み、気や血に変えて運ぶ役割を持っています。 さらに、内臓を正しい位置に収め、脂肪が垂れないように引き上げる役割もあるとか。
脾が活性化すると、お腹周りのお肉が引き締まったり、頬のたるみを改善したり、むくみや消化器系のトラブルに効果的だと言われています。

脾の不調によって引き起こされる症状

・口周りの吹き出物など肌荒れ
・頭、体のだるさ
・消化吸収力低下による下痢、軟便
・顔のたるみ
・お腹まわりに脂肪がつきやすくなる

脾を活かす臓活

・過度な断食・食事制限をしない
・朝食を食べる
・胃に負担にならないものを食べる
・長時間同じ姿勢をとらない

肺は、呼吸をすることで体内の古くなった悪い気を吐き出し、新鮮な気を取り入れる働きがあります。 新しい気は臓器の他に、皮膚や粘膜にも送られ、潤いやバリア機能を高めることで免疫力強化の助けになるそうです。

肺の不調によって引き起こされる症状

・咳や喘息などの呼吸器系の不調
・肌、喉の乾燥
・風邪をひきやすくなる
・便秘

肺を活かす臓活

・深呼吸をクセづける
・乾いた空気から肺を守る
・こまめに部屋の空気を入れ替える
・喉を潤わせる

腎は、生命活動の源となるエネルギーを蓄えている場所。 発育や成長、生殖など人間の根本的な活動に必要なエネルギーは全て、腎で保存されるのです。 また、身体を温める機能を持っているため、むくみや冷えにも関係しています。

腎の不調によって引き起こされる症状

・薄毛、白髪、脱毛
・生理不順、不妊
・足のむくみ、下半身の冷え
・認知機能の低下

腎を活かす臓活

・入浴や腹巻など、下半身を冷やさない
・階段を使ったり、一駅分歩いたりして、足腰を鍛える
・長時間睡眠をとる

臓活が髪の健康にも繋がる理由

ここまで、臓活が心と身体の不調を改善し、体質を改善することができると説明しました。
では、髪質改善や薄毛予防など、髪の健康にはどのような効果があるのでしょうか。 前述した五臓それぞれの機能を活性化させるという点に注目してみましょう。

肝と髪の毛との関わり

肝の不調が、肌や髪、爪のツヤをなくすということはお伝えしました。 実は肝と髪の毛には非常に強い繋がりがあるのです。
肝には前述した働き以外にも、摂取したタンパク質を、髪に必要な形のタンパク質に変換するという働きがあります。 また、毛母細胞を活発にする成長因子も分泌されているため、肝の不調は薄毛や抜け毛の原因になります。

腎と髪の毛との関わり

東洋医学では「髪は血の余り」と呼ばれています。 つまり、血がたくさんあれば、毛量も多く、ツヤツヤで美しい髪が生えてくるということ。
腎臓は、働きが悪くなってしまうと十分な血液を作ることができません。 なぜなら、塩分と水分の排出量をコントロールすることによって血圧を調整することができなくなるためです。
血行が悪くなり、栄養がしっかりと頭皮まで届かなくなると抜け毛や薄毛の原因となってしまいます。 健康的な食事を摂り、夜更かしや過労、ストレスなどの腎を弱らせる生活習慣を止めることで、血行を良くすることを心がけましょう。

自律神経の安定と髪の毛との関わり

肝と腎の健康が、髪の毛の健康にも繋がっていることはお分かりいただけたと思います。
実はもう一つ、臓活と髪の毛の健康には関わりがありました。
最初の方で、臓活で体温を上げることができると説明しましたが、体温が上がることで自律神経は安定します。 自律神経とは、交感神経と副交感神経のこと。この2種類の神経が交互に働くことで、体は健康を保っています。
しかし、交感神経ばかりが働くようになってしまうと、血管収縮が起こり、血行が悪くなってしまうのです。
すると、末端にある髪の毛は栄養不足となり成長できないので、薄毛になってしまいます。 臓活で体温を上げることで自律神経のバランスを保ち、髪の毛まで栄養が行き届くようにしましょう。

すぐにできる!臓活のススメ

臓活によって体の健康が保たれること、また臓活と髪の毛の健康には関係があるということをお話ししてきました。 体の不調を感じている方、髪を健康にしたい方、ぜひ一度臓活をお試しください。

臓活ヨガ

臓活ヨガとは、陰陽五行思考をベースにし、呼吸法などにより内臓を刺激することで体と心を内臓からほぐしていくもの。 内臓をいきいきと蘇えらせることができます。
一般的なヨガのような難しいポーズはないため、老若男女誰でも簡単に始めることができ、いかに内臓にアプローチできるかを目的としています。
内臓の状態をカウンセリングしながら、どの内臓にアプローチするかをインストラクターが一緒に考えてくれるレッスンもあり、自分の身体に合わせて臓活をすることができます。

臓を活かす関節たたき

より簡単に臓活を始めるなら、関節たたきがおすすめ。
五臓に直接触れることはできませんが、ツボや関節を刺激することで整えることができます。 特に関節は邪気(悪い気)が溜まりやすい場所です。関節を詰まらせないことで不調を改善しましょう。
肝:肝の関節は「わきの下」。
片腕を床と平行に伸ばして、もう片方の手でわきの下を20回ほどたたきます。 イライラしたときやストレスを感じたときにもやってみると◎。
心:心の関節は「ひじの小指側(下側)」。
手の甲を上に向けて片腕を床と平行に伸ばして、もう片方の手でひじの小指側を下から20回ほどたたきます。 眠りが浅いときや、情緒不安定なときにもおすすめです。
脾:脾の関節は「そけい部」。
両足を開いて立ち、片足を少し後ろに引いて、そけい部を伸ばし、20回ほどたたきます。手足が重く感じるときやだるいときにもやってみてください。
肺:肺の関節は「ひじの親指側(上側)」。
手の甲を上に向けて片腕を床と平行に伸ばし、ひじの親指側を20回ほどたたきます。喉や鼻の調子が悪いときにも試してみてください。
腎:腎の関節は「ひざ裏」。
両足を開いて立ち、片方の足の甲で、もう片方のひざ裏を20回ほどたたきます。 片足立ちが難しい場合は、手でひざ裏をたたいても大丈夫です。下半身のむくみや冷えにも効果が期待できます。

臓活おかゆ

毎日欠かせない食事でも、五臓を活かすことは可能です。
おかゆはじっくり煮込んで作っているため、具材の栄養素を摂取しやすくなります。 おかゆ本来の力と、五臓の活性化を促す具材を組み合わせて、身体の悩みや季節特有の不調を整えていきましょう。
ここでは、それぞれの臓器に効果のある食材を紹介します。
肝:緑色の野菜、特に春が旬のものがおすすめ。梅干しやレモンなどの酸っぱい食材も◎。
◯にら・ちんげん菜・春菊・菜の花・ブロッコリー ・ライチ・キャベツ・よもぎ・トマト・マグロ・ しじみ・ピーマン・セロリ・にんじん・ごぼう・ ほうれん草・すもも・びわ・エビ・カニ・イカなど
心:全身に血を巡らせる食材や、体内の余分な熱を抑えるゴーヤなどの食材がおすすめ。
◯らっきょう・れんこん・あずき・キビ・アロエ・牡蠣・鶏のハツ・ごぼう・メロン・スイカ・きゅうり・アーモンド・ココナッツ・緑豆もやし・冬瓜・大根・かんぴょう・唐辛子など
脾:消化をサポートする、カボチャなどの黄色い食材や、自然な甘みのある食材がおすすめ。
◯とうもろこし・大根・ごま・豆類・かぶ・アスパラガス ・昆布・かつお・白菜・キャベツ・落花生・小松菜・カリ フラワー・ぜんまい・なす・レタス・たけのこ・にんにくなど
肺:豆腐や白豆などの白い食材、わさびなどの辛い食材がおすすめ。
◯山芋・白菜・大根・みょうが・きくらげ・パクチー・わさび・こんにゃく・モモ・イチジク・柿・梨・バジル・らっきょう・ぎんなん・アスパラガス・ごぼう・玉ねぎ・黒糖など
腎:黒豆などの黒い食材や、昆布などの塩辛い食材がおすすめ。水分代謝を促進する食材や体を温める食材も◎。
◯くるみ・昆布・黒豆・黒ごま・栗・ワカメ・エビ・帆立貝・白菜・牛肉・ラム肉・ハマグリ・山芋・餅・米など

まとめ

「臓活」とは、東洋医学の考え方から発想を得た、五臓「肝・心・脾・肺・腎」の働きを活性化し、健康を維持・促進する活動です。
臓活を行うことで身体の不調を根本的に解決することができると言われています。 五臓はそれぞれが別の働きを担っているため、どの臓器にアプローチするのが良いのか、ご自身のお悩みに合わせて身体を見つめ直してみてください。
また、臓活と髪の健康には強い結びつきがあります。 特に「肝」と「腎」を活かすことは、髪の毛に必要な栄養素を十分に送ることに繋がるため、薄毛や抜け毛の改善、ツヤツヤな髪の毛の発毛に効果が期待できます。
臓活は簡単に始めることができる健康法です。
何から始めればいいか悩んでしまう方は、ご紹介した
・臓活ヨガ
・関節たたき
・臓活おかゆ
から始めてみてはいかがでしょうか。
心も身体も髪の毛も、「臓活」で健康に、美しく保っていきましょう。