【監修あり】【最新毛根情報】毛根に黒い塊がつくのはヘアサイクルの異常事態?今現在色が黒い原因とは

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抜けた髪の毛の毛根を気にしたことはありますか?
よく見てみると毛根に白い塊や黒い塊がついていることがあります。 抜けた髪の毛の毛根の状態によって健康的な毛根か、問題がある抜け毛なのかがわかります。
この記事では健康的な毛根や注意しなくてはいけない毛根の特徴や対処法、セルフケアまでを詳しく解説しています。
自分の毛根が現在どんな状態なのか把握するのに役立つ情報が満載です。 是非参考にしてみてください。

毛根が黒いのは何か異常が起きている

毛根が黒いということは通常ではありえなく、何かしらの異常が起きている可能性があります。 毛根が黒くなってしまう根本的な原因を解説します。

ヘアサイクルの乱れ

髪の毛は毛根から生えて成長し、やがて抜けていきます。 この一連の流れを「ヘアサイクル」といい、成長期→退行期→休止期と3つのフェーズにわかれています。
ヘアサイクル 毛髪の状態
成長期 今ある髪の毛の約9割が成長して伸びていく時期
退行期 髪の毛を生成するために大切な役割をしている毛母細胞の活動が低下し、徐々に髪の毛の成長が緩やかになっていく時期
休止期 最終的に髪の毛の成長が完全にストップして根もとから新しい髪の毛に押し出されるような形で抜け落ちていく。その後また新たなヘアサイクルに突入する
このヘアサイクルには個人差はありますが、平均4〜6年で1周するといわれています。
ヘアサイクルが乱れてしまうと、通常のペースよりも髪の毛が抜け落ちるのが早まったり長くなったりと髪の生え方に影響します。 成長期には髪の毛が成長するのと同時に髪の毛に色素細胞が送られ、毛髪に黒や茶色の色がついていきます。
通常、休止期に入るとこの色素細胞の輸送もストップしてしまうので、毛根部分には色がつかず白いままです。
毛根が黒いということは、休止期の毛根の特徴である「白い毛根」ではないので、ヘアサイクルが乱れて成長期の途中の髪の毛が抜け落ちてしまっている可能性があると考えられます。

血行不良

もう1つ毛根が黒くなってしまう原因が「頭皮の栄養不足」です。
髪の毛は頭皮の血行が悪いと栄養や酸素などが行き渡らなくなってしまい、頭皮環境が悪化します。血行不良で栄養不足になった毛根は痩せてしまったり健康的に育たなくなってしまい、成長期の途中で抜け落ちてしまうこともあるのです。
バランスの悪い食生活や過度なストレス、睡眠不足なども血行不良の原因につながるので注意しましょう。

髪の毛が抜けるときの毛根の状態は?

抜けた髪の毛の毛根をチェックしてみて、状態によって正常かどうか見極めていきましょう。

黒い

毛根が黒い場合は、先程もご紹介した通り何かしらの異常が起きてしまっている可能性が高い状態です。
ヘアサイクルを終えて抜け落ちた髪の毛の毛根は通常白っぽくなるため、黒いということはまずありません。 血行不良、栄養不足、脱毛症などの可能性も考えられるため、原因を見極める必要があります。

白い

通常、休止期に抜ける毛根は白くなっているため、問題はありません。 休止期に入るメラニン色素の供給がストップして色がつかなくなった部分で正常な抜け毛です。
しかし、毛根に皮脂のような白いベタつきが付着している場合は、毛穴に皮脂が詰まっていたり、皮脂が過剰分泌していたりと頭皮環境が悪くなっていることも考えられます。

何もついていない

髪の根もとの部分が丸みを帯びず細くまっすぐな場合は何もついていない状況です。 通常のヘアサイクルで抜けた髪の毛には毛根が付着しています。
きちんと栄養を吸収した健康的な毛根は丸みを帯びていて膨らんだ形をしています。 太く丸みのある毛根がついていたら、ヘアサイクルの自然な抜け毛と言えるでしょう。
逆に毛根がやせ細ってしまっていたり、膨らみが小さい毛根は栄養が足りていなかったりする場合は異常脱毛の可能性があるため気をつけなくてはなりません。

毛根が黒い場合どうしたらいい?薄毛・脱毛対策を解説

毛根が黒い場合はそのまま放置してしまうと症状が悪化してしまったり、薄毛の原因となってしまうことがあります。 きちんと対策する必要があるでしょう。
抜け毛にはヘアサイクルを終えて抜け落ちる「自然脱毛」と、ヘアサイクルの乱れなどが原因でヘアサイクルを全うできないで抜けてしまう「異常脱毛」の2種類にわかれています。
異常脱毛を起こさないためにも、大切なのがは頭皮環境を整え栄養をしっかりと行き渡らせることです。 そのためにできる対策とセルフでは対処しきれない場合の対策をご紹介していきます。

セルフケア

まずはセルフでできる対策からご紹介していきます。

食生活の見直し

頭皮に栄養を送るためには、バランスのいい栄養素を摂取する必要があります。 脂質や糖質のような脂っこいものや甘い物ばかり摂取していると、頭皮が皮脂の過剰分泌でベタついてしまい頭皮環境が悪化してしまいます。
髪の毛を生成するうえで大切なタンパク質、ビタミンなどを積極的に摂取しつつバランスの良い食事ができるように心がけましょう。

良質な睡眠

睡眠不足は自律神経を乱してしまい、血流が悪くなります。 血流が悪くなると頭皮や毛根に栄養が行き渡らなくなってしまいます。
髪の毛の成長ホルモンがちゃんと分泌されるよう毎日7〜8時間は睡眠をとることが理想です。

ストレス発散

ストレスを抱え込みすぎていても自律神経は乱れてしまいます。 通常、自律神経は交感神経と副交感神経が交互に作用することでバランスを保ちます。
しかしストレスを感じているときは、交感神経が優位になり緊張状態が続きます。 交感神経は血管を収縮させてしまいます。
ストレスによる自律神経の乱れが続くと頭皮の血行不良となり、頭皮環境に影響を及ぼします。 ストレスを溜めすぎる前に、自分で適度に発散することを心がけましょう。

運動

血行を促すためにも普段から、体を動かす習慣を取り入れておくことも大切です。
運動不足になると血液を押し出す力も弱まってしまうため血流が悪くなりがちに。 ハードな運動をする必要はなく、軽いストレッチやウォーキングなどでもOK。
無理のない範囲からはじめてみましょう。 習慣づけることが大切です。

頭皮を清潔にする

頭皮に皮脂や汚れが詰まった状態だと頭皮環境が悪くなります。
毎日のシャンプーが大切です。誤ったシャンプー方法や、洗浄が足りていないと皮脂や汚れが落ちきらずに残ってしまい酸化の原因に。 適切なシャンプーをして毎日汚れを落とさなくてはなりません。
逆に汚れを落とそうと1日に何回もシャンプーをしてしまうと、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥やフケの原因になってしまいます。 頭皮の状態に合わせて、毎日1~2回のシャンプーで汚れを落としましょう。
また、シャンプーの成分も気にしてみましょう。
石油系界面活性剤などが含まれているシャンプーは安価で製造ができるのでシャンプー市場では多く出回っています。 この成分は食器用洗剤などにも使われているほど脱脂力の強い成分です。
人によっては皮脂がとられすぎてしまうこともあります。
おすすめは「アミノ酸系シャンプー」。 余分な皮脂は洗い流してくれて、必要な皮脂は残してくれるバランスの良い洗浄力のシャンプーです。

頭皮ケア

自宅で頭皮用のシャンプーを取り入れたり、頭皮のマッサージをして血流を促してあげることも頭皮環境を整えるために有効です。
毎日する必要はなく週に2〜3回程度、炭酸シャンプーなどでスッキリと毛穴から汚れを浮かせて洗浄しましょう。
頭皮のコリをほぐし血流を促してくれるので毛根にも栄養が行き渡りやすくなり元気な毛根を育むことができます。
あまり頻繁に頭皮用シャンプーを使ったり、毎日マッサージしてしまうと頭皮の刺激になりすぎて負担がかかってしまう場合も。 適切な頻度を守りながら日常のケアに取り入れてみてください。

ヘアサロンで対処した方がいいケース

毛根が黒いと気づいた初期の段階や、毛根が白く皮脂でベタついた状態にある場合はヘアサロンでヘッドスパを受けると改善に導けることもあります。
ヘアサロンでのヘッドスパは、頭皮用のクレンジングシャンプーなどを使って頭皮の毛穴に詰まった皮脂や汚れを除去していき、頭皮マッサージで血流を促すことができます。
普段のシャンプーだけでは落としきれないような皮脂や汚れも除去できるので、頭皮環境を整えるのに最適です。

病院受診を検討した方がいいケース

毛根に異常が起きて、セルフケアやヘアサロンでの対策をして長期間経っても改善がみられない場合は病院受診を検討しましょう。
そのまま自己流のヘアケアを続けてしまうと抜け毛や薄毛が進行してしまう可能性も出てきます。 なかなか相談しづらい問題かもしれませんが、原因をきちんと調べてもらい自分にあった対策で治療を進めてもらうことを検討しましょう。

まとめ

毛根は頭皮の状態をみるためのひとつのバロメーター。 今回の記事を参考にご自身の毛根をチェックする習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
抜けた髪の毛の毛根チェックは簡単です。日頃の習慣として取り入れることで、いつでも健康な髪の毛を維持する手段の1つとして活用することができます。
健康的な状態であればそのまま維持していきましょう。 もし、何かしらの異常を見つけ対処が必要な場合は少しでも早く必要な対策を取り入れてみてください。


監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。 同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。