ピンクの髪型が流行っている理由とは

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A.ブームの明確な火付け役がいるというよりは、複数の著名人が同時にピンクヘアを取り入れ、さらに外出自粛も合間って、普段できない髪色にする人が増えたり、インナーカラーが市民権を得た結果として流行したといえます。
私たちにとって「ピンク」といえばいわゆる「真っピンク」を想像してしまいがちですが、そもそもヘアカラー業界においての「ピンク」色には多くのバリエーションがあります。
そして「ピンク」色を取り入れることは、ここ数年のトレンドでもありました。
ピンクベージュやピンクブラウン。
これらの髪色は「ピンク」といいながらベージュやブラウンを合わせることで落ち着いた仕上がりになるので、ビビッドな髪色には抵抗のある人や、仕事をしながらオシャレも楽しみたいという人に支持されていました。
インナーカラーとして採用する人も多かったようです。
そんな前置きがありながら、最近ではピンクピンクとした「真っピンク」の髪色、正真正銘のビビッドな「ピンク」色が流行してきています。
なぜでしょうか?
今まで静かに取り入れられてきたピンクの様相とはまったく異なる新たな動きが起きています。
今ピンクの髪型が流行っている理由を、ここで解明していきます。

まずは海外の有名人から

日本で流行する現象のほとんどは海外に起源があります。
例えばカイリー・ジェンナー(以下すべての人物名、グループ名、キャラクター名を敬称略させて頂きます)。
ケイト・ブランシェット。ケイティ・ペリー。そしてニッキー・ミナージュ。
彼女たちはいち早く真っピンク色の髪型を取り入れました。
とはいえ例に挙げた彼女たちは「ピンクヘア」をしている有名人のごく一部でしかありません。
当然他にもピンクの髪型にしている海外セレブ、海外の有名人はたくさんいました。
中でも特筆すべきなのはBTSでしょう。
これまで私たちのロールモデルとなっていたのは主にハリウッドのセレブをはじめとする欧米の有名人だったわけですが、韓国発のBTSは、私たちにも多大な影響を与えています。
韓国史上初めてグラミー賞にノミネートされた彼ら。
ファッションやヘアスタイルも先進的でかっこいいので、真似するファンはたくさんいます。当然日本においても。
よってBTSのメンバーがピンクヘアをしていることに触発されて、ピンクヘアにした日本人も相当数いることでしょう。

SNSの影響力

とはいえ恐らく、20年前であれば「有名人の間でピンクヘアが流行っているらしい」という感想だけで終わったことでしょう。
でも今は、誰もが手元のSNSと常に接続している時代。
それは有名人の髪型をリアルタイムで知ることができるうえに、無名であろうと自分が変えた髪型にも誰かが「いいね!」と言ってくれる時代です。
そうなると流行りの髪型や一風変わった髪型を試し、少しでも「いいね!」をもらいたくなるのが現代人の心情でしょう。
例えその髪型がハズレても、「そんな時代もあったね」とのちのち振り返れるマインドセットが現代の若者には備わっていると思われます。
やがて徐々に「ピンクヘア」をする若者が増え、私たちが「ピンクヘア」を目にする機会は増えていった、という理屈がそこにはあるのでしょう。

極めつけは日本の有名人

極めつけは日本の有名人です。
私たちが連日目にするテレビの中の人までもピンクヘアだと、急激に「ピンクヘア」が身近なものとなってきます。
その代表格はお笑いコンビEXITのボケ担当である「かねちー」こと、兼近大樹。
若者を筆頭に今絶大な人気を誇る彼は、まさに「真っピンク」の髪色です。
お笑い芸人でありながら超絶イケメンでもある彼が、髪を真っピンクにすることの意義と影響力はかなり大きいでしょう。
またお笑い界で関連していえば、2021年のR-1グランプリで準優勝を果たしたZAZYの髪の毛も真っピンク。しかもロン毛です。
「ピンクヘア」は私たちがすぐ手の届く範囲にまでやって来ました。

追い打ちをかけた鬼滅の刃

「ピンクヘア」に対して免疫が出来つつあり、憧れもあるがゆえ実践も目論んでいる私たちのもとに、いきなり投下されたのが「鬼滅の刃」でした。
ご存知のように2020年―2021年を通じて社会現象と化した、アニメ「鬼滅の刃」。
その登場キャラクターの中にも実は「ピンクヘア」がいます。
その名は「甘露寺蜜璃」。
全体の髪色が真っピンクでありながら、毛先だけは黄緑色。
しかも計三か所を三つ編みしているのでかなり個性的な髪型です。
すでに「甘露寺蜜璃」のコスプレを楽しんでいる人が多いという事実も鑑みると、鬼滅の刃きっかけでピンクの髪型にする人が今後も減ることはないでしょう。

おわりに

以上、ピンクの髪型が流行っている理由を主に時系列でご紹介しましたが、当然はっきりと区切ることはできません。
中には「かねちー」を見尽くしたのちに、たまたま見たBTSのミュージックビデオを機に「ピンクヘアにしよう」と決めた人もいるかもしれません。
そして最後に付け加えておきたい重要な事実として、「ピンクヘア」を維持するには相応の覚悟と忍耐力、そしてコストが必要です。
まずブリーチをして髪の色を抜き切るには相応の髪の傷みやコストがかかりますし、真っピンクのカラー剤は日に日に色が抜けていきます。
おそらく一週間もすれば、当初の「ピンク」ではなくなるでしょう。もちろん個人差はありますが……。
つまり「ピンクヘア」を維持するのは大変なのです。
ということでまずは、今ピンクヘアの人を少しリスペクトしてみましょう。
そして次の段階として、みなさんも「ピンクヘア」へのチャレンジを選択肢に入れてみてください。
やれば、とにもかくにもかなり目立つことだけは保証します。