髪にいい食べ物は体にもいい?髪が健康のバロメーターと言われる理由

〈 約 4分57秒 で読めます 〉

人間の体は外部から必要な栄養素を取り入れることで健康を保ちます。
同様に、髪の毛もタンパク質やアミノ酸といった主成分がなければ育ちません。髪の毛の状態を見れば健康状態も分かると言われますが、その理由は何でしょう?

今回は、髪の毛が健康のバロメーターと言われる理由についてご説明します。

健康な髪とは

まず、健康な髪の毛とはどういう状態を指すのでしょうか。以下にポイントをまとめます。

キューティクルが整った髪

キューティクルの構造 髪の毛は、幾層かの保護膜に守られています。そのもっとも外側の部分を保護しているのが、キューティクルです。 キューティクルは通常、魚のうろこのような形をして髪の毛の表面を保護しています。キューティクルがしっかり整った髪の毛は、手触りも良く、コシや硬さも実感できる状態。

逆にキューティクルが剝がれると、髪の手触りがパサパサして質感が感じられず、簡単に切れてしまうほど弱々しく変化してしまうのです。

弾力性がある髪

髪の毛を引っ張ってしなやかさが残る髪は、弾力性を保っており、健康な状態であることを意味します。試したことのある方もいらっしゃると思いますが、毛先を指でからませても、指をはなすとすぐ元通りに戻る髪の毛は、ほどよく弾力性がキープされている証拠です。

枝毛や切れ毛がない髪

サラサラして質感もあり、枝毛や切れ毛もない髪の毛は健康の証し。
逆に枝毛や切れ毛が増えると、髪の毛は抜けやすく、成長も悪くなるでしょう。

なぜ枝毛や切れ毛が増えるかと言えば、先ほど説明したキューティクルがはがれ落ちたり、栄養素が足りなくて弾力性が失われたりすることで、太くたくましい髪の毛に育ちにくくなる恐れがあるからです。

髪の毛が異常に細くなり、長く育つ前に抜けるような状態が続けば、「男性型脱毛症(AGA)」のサインかもしれません。早急な対策を講じることが重要です。

髪に栄養が回ってくるのは最後?

体内の栄養素 十分な栄養素が回らなければ、髪の毛の成長もままならず、簡単に抜け落ちる不安定な状態になる恐れがあります。実は、髪の毛は内臓などの重要な器官と比べ、栄養素が届きにくいという欠点を抱えているのです。

髪の主成分はタンパク質

髪の毛の主成分は、ケラチンと呼ばれるタンパク質です。
実に髪の毛の成分の99%をこのケラチンが占めています。そのため、髪の毛の発育を守るには、良質なタンパク質を積極的に取り入れる必要があります。

しかし、タンパク質を取り入れるだけでは不十分です。髪の毛を作り出すケラチンを体内で合成するには、亜鉛が必要不可欠。亜鉛が不足すればいくら良質なタンパク質を取り入れても髪の毛は育ちにくくなります。

髪の毛の役割とは?

髪の毛の役割を一言で言えば、体内の有害毒素を排出するための機能です。
体にとって不要な物質は、尿や汗、便などを通して取り除きます。それと同じように髪の毛にも役割があり、例えば重金属などの有害物質も、髪の毛に届けられそれが抜け落ちることで体外へと排出してくれます。

体の健康を支えるために、髪の毛は存在すると言ってもいいでしょう。

髪の毛に栄養が回ってくるのは最後

人間の体は、心臓や内臓、神経組織が正常を保つことで生命維持が図れます。これらの器官・組織は必要な栄養素がなければ正しく維持できません。

髪の毛は健康に関わる役割を果たしていると言えど、心臓や脳などの生命に関わる部位と一緒かと言うとそういうわけではないようです。栄養素は、心臓や脳など重要な部位に優先して届けられるので、髪に栄養素が届くのはどうしても後回しになってしまいます。

髪の状態で分かる栄養状態

髪の毛がきちんと育っている状態は、必要な栄養素が行き渡っていることを意味し、それはつまり脳や心臓、内臓などにも栄養素が届いている証拠だと考えられます。

反対に、髪の毛が薄くなれば有害物質を排出する機能も低下し、健康が損なわれる恐れがあります。
体そのものの健康をキープするためにも、普段の生活から髪の毛や頭皮をいたわっていきましょう。

おわりに

髪の毛の状態は、体の健康を推し量るバロメーターでもあります。健康な髪は、タンパク質や亜鉛をはじめとした栄養素が正常に頭皮や髪に運ばれていることを示しています。髪にハリやコシがなくなったり、キューティクルが整っていない状態が続いたりしている場合、栄養不足や消化器官が正常に働いていない可能性も考えられます。

薄毛・抜け毛を防ぐためには、シャンプーやマッサージ、育毛剤などの外的ケアと同時に、体の中の状態にも気を配ることが大切です。