抜け毛・薄毛の原因

脱毛の因子にもなる!「TGF-β」とはいったい何者?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
名称未設定-1
抜け毛や薄毛を起こすAGA(男性型脱毛症)に影響を与える事由の1つとして、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの増加があります。また、「TGF-β」も、注意すべき脱毛因子として知られています。

ではいったい、TGF-βはどんな働きで私たちの髪の毛の成長を妨害するのでしょうか?

今回は、TGF-βの主な働きと、脱毛のメカニズム、生成を抑える方法についてご説明します。

「TGF-β」の働きについて

TGF-βは、毛乳頭や毛母細胞の活動を抑制し脱毛を引き起こす因子として知られています。しかし一方で、生体の恒常性を維持するためのすぐれた機能を持つ因子でもあります。

組織発生や細胞分化の働き

細胞の増殖や分化 TGF-βは、細胞の増殖や分化を抑制し、細胞の働きを調節するたんぱく質の一種です。 その特徴として見逃してはならないのが、がん細胞との関係です。

がん細胞は増殖を繰り返すことで正常な組織を破壊していきますが、がん初期の段階ではTGF-βの増殖抑制作用により、がん細胞抑制に働くといわれています。

つまりTGF-βは、AGAで悩む方には天敵ともいえる存在ですが、早期のがん細胞の増殖を抑えるという重要な役割を果たす因子でもあるため、なくてはならない重要な成分なのです。

「TGF-β」は脱毛の因子にもなりえる

がん細胞抑制のためになくてはならないTGF-βですが、その働きが活発になりすぎると脱毛リスクを高めてしまうといわれています。

まずは、TGF-βがどんな働きで脱毛を促すのか、そのメカニズムを理解しましょう。

TGF-βによって脱毛する仕組み

髪の毛を正常に伸ばすためには、毛乳頭に栄養素を送り込み、毛母細胞の分裂を促進しなければなりません。しかし、脱毛因子ともいわれるTGF-βには、毛母細胞の増殖を抑える働きがあります。この働きが活発になることで、髪の毛の成長サイクルが乱れてしまうのです。

AGAの最大因子といわれるジヒドロテストステロンは、男性ホルモンと酵素である5αリダクターゼが結びつくことで生成されます。さらに、このジヒドロテストステロンは男性ホルモンレセプターと結合することで、脱毛因子であるTGF-βの増殖を促します。

ジヒドロテストステロンの生成によって増えたTGF-βは、もう1つの脱毛因子であるFGF-5に伝達され、毛母細胞に「髪の毛を抜け」という命令を出してしまいます。毛乳頭に直接働きかける作用を持つFGF-5に刺激を与えることで、脱毛の動きが加速してしまうのです。

簡潔にまとめると、「ジヒドロテストステロンの生成」→「脱毛因子TGF-βの増殖」→「FGF-5への伝達」→「毛乳頭に“抜けろ”という指令」となります。
この一連の流れが、TGF-βによる脱毛メカニズムなのです。

「TGF-β」の発生を抑えるには?

活発に働くTGF-βの生成を抑制できれば、抜け毛の進行も抑えられると考えられています。 そのために必要なポイントは以下の通りです。

FGF-5の働きを抑える

FGF-5は、毛乳頭に脱毛シグナルを送り脱毛を促します。そのため、FGF-5の働きを弱めることでTGF-βの働きが抑えられ毛乳頭に脱毛指令を送ることができなくなる、つまり、脱毛が抑制できるのではないかといわれています。

FGF-5S、FGF-7を活発にする

ざるにのったわかめ FGF-5(脱毛因子)の正反対の働きを持つのが、FGF-5S(発毛因子)です。髪の毛の量はFGF-5とFGF-5S のバランスで決まるといって良いでしょう。

FGF-5Sには発毛を促す働きがあるため、FGF-5Sを増やせば抜け毛が減り、新しい髪の毛が成長する可能性が高くなります。

FGF-5Sを増やすには、海藻類の摂取が有効といわれていますので、ワカメや昆布などを普段の食生活に積極的に取り入れることをおすすめします。

また、発毛促進因子であるFGF-7を増やすことも、髪の毛の成長に効果的とされています。毛乳頭細胞が生み出すFGF-7の分泌を促進することで、毛母細胞が活性化し、髪の毛の成長サイクルの維持につながるのです。

FGF-7を頭皮内に増やすには、生成を促す成分であるアデノシンや、ミノキシジルなどを使った育毛剤を使うのが有効でしょう。

おわりに

私たちの体内には、発毛を促進する因子と脱毛を促してしまう因子の両方が存在します。

TGF-βは初期のがん細胞の増殖を抑えてくれるものの、毛母細胞の働きを抑制してしまう脱毛因子でもあるため、体内でバランス良くコントロールすることが大切です。