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薄毛・抜け毛研究所
2025.12.23
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最新脱毛症治療の最前線|S-DSC毛髪再生医療とは?女性にも適応できる再生医療の可能性
薄毛や脱毛症に悩む人にとって、「根本から毛を生やす」治療は希望の一つでもあるでしょう。近年、再生医療の技術を応用した毛髪再生治療「S-DSC毛髪再生医療」が注目を集めています。(2025年10月現在)
S-DSC毛髪再生医療とは、患者自身の毛包から抽出したDSC細胞を培養・再注入することで、毛の再生や成長を促す新しい治療法です。
従来の内服・外用薬や植毛と何が違うのか?
この記事では、S-DSCの仕組みや効果、メリット・デメリットについて、最新情報をもとに詳しく解説します。
S-DSC毛髪再生医療とは?

参考:https://www.s-dsc.com/about?utm_source
S-DSC毛髪再生医療は、近年注目されている先進的な再生医療による薄毛治療のひとつです。東京医科大学皮膚科学分野を中心とした研究チームによって開発され、自己の毛包から採取した特定の細胞「DSC細胞」を培養・増殖し、頭皮に再注入することで毛髪の再生を促す効果が期待できます。
DermalSheathCup(DSC)細胞とは

参考:https://www.s-dsc.com/about?utm_source
「DSC細胞」とは、DermalSheathCup(真皮鞘カップ)細胞の略称です。
これは、毛根の最も深い部分にある毛包の一部(毛包基部)に存在する細胞群で、髪の毛の再生や成長に深く関与しているとされています。
DSC細胞の特徴として、以下のようなポイントが挙げられます。
●毛乳頭細胞と連携して毛髪の成長を司る重要な役割を持つ
●毛母細胞が分裂・増殖する能力(幹細胞様の性質)を促す
●炎症や損傷に対して抑制する効果が期待できる
従来の毛乳頭細胞(DP細胞)や毛包幹細胞と比較しても、より安定した毛髪再生効果が期待される細胞として研究が進められており、これがS-DSC毛髪再生医療の根幹をなす技術です。
S-DSC治療では、まずこのDSC細胞を患者自身の毛包から採取し、培養・増殖させて再注入する治療なのでいわゆる「自家移植」とも言える治療。拒絶反応の心配が少なく、安全性が高いとされています。
従来の毛髪再生医療との違い

参考:https://www.s-dsc.com/about?utm_source
S-DSC毛髪再生医療は、従来の毛髪再生医療と比べて、根本的にアプローチが異なる革新的な治療法です。これまで主流だった治療法は内服薬・外用薬、あるいは自毛植毛などが中心でしたが、S-DSCは再生医療の技術を応用することで、毛包の「再生能力そのもの」を引き出すことを目的としています。
内服・外用薬との違い
一般的なAGA(男性型脱毛症)治療では、フィナステリドやミノキシジルなどの薬剤による進行抑制と発毛促進が行われてきました。これらは継続使用が前提であり、効果が限定的であったり、副作用のリスクもあります。
一方、S-DSC治療は自己細胞の力で髪の成長を活性化させるという仕組みのため、治療が終了しても効果が持続する可能性があり、毎日の投薬や塗布の必要がない点が大きな特徴です。
自毛植毛との違い
自毛植毛は、後頭部などの「ドナー部」から毛包を採取し、薄毛部分に移植する方法です。
定着してしまえば自然な仕上がりが魅力ですが、ドナー部に一定の毛量が必要であること、また外科的手術による侵襲性とダウンタイムが避けられません。
これに対し、S-DSC毛髪再生医療では、数本の毛包からDSC細胞を取り出し、培養して数を増やすことで、広範囲への効果が期待できます。培養用の細胞を採取する際にも傷も非常に小さく、身体への負担が少ないのが特徴でしょう。
幹細胞・PRP療法との違い
近年注目されている幹細胞療法やPRP(多血小板血漿)注入も、頭皮の環境改善や発毛促進を目的とした治療法ですが、これらはあくまでも「再生因子」を注入する治療法であり、毛包そのものを再生する細胞ではありません。
S-DSC治療では、毛の再生をつかさどるDSC細胞に特化しているため、より直接的で強力な再生誘導効果が見込まれており、「発毛細胞を戻す」ことに近いとされる治療技術といえるでしょう。
S-DSC治療の流れ

参考:https://www.s-dsc.com/about?utm_source
S-DSC毛髪再生医療は、最先端の再生医療技術を用いた治療法で、患者自身の細胞を活用する点が大きな特徴です。以下では、その基本的な治療ステップと通院スケジュールの目安について詳しく解説します。
治療の基本ステップ
S-DSC毛髪再生医療は、大きく分けて以下の3段階で進行します。
①毛包の採取
患者自身の後頭部など、比較的毛量の多い部位から数本の毛包組織を採取します。採取といってもごく小さな範囲で済むため、体への負担は少なく、局所麻酔で対応可能です。
②DSC細胞の培養
採取した毛包から、毛の成長をつかさどる「DermalSheathCup(DSC)細胞」を抽出し、専用の研究施設で培養します。約6~8週間かけて細胞を増やす工程は、S-DSC治療の核心部分です。この間、患者は通常の生活を送りながら、次の治療ステップを待ちます。
③頭皮への注入
培養によって増やしたDSC細胞を、薄毛が気になる部位の頭皮に直接注入します。再注入も局所麻酔で行われ、ダウンタイムが非常に少ないのが特徴です。注入された細胞は毛包の再活性化を促し、毛の太さや密度の回復にアプローチします。
期待できる効果とは

S-DSC毛髪再生医療は、従来の投薬治療や外用薬では得られにくかった根本的なアプローチが期待されています。ここでは、代表的な効果について詳しく解説しましょう。
毛の太さ、密度の増加
S-DSC治療では、患者自身の毛包から採取・培養された「DermalSheathCup細胞(DSC細胞)」を頭皮に注入することで、発毛サイクルに直接働きかけることができるのです。これにより今ある毛髪の成長が促進され、毛が太く・濃くなる効果が期待できます。
また、DSC細胞が頭皮に定着すると、新たな毛包の形成や休止期に入っていた毛包の活性化が進むと考えられており、全体的な毛髪密度の改善にもつながる可能性もあるのです。
頭皮環境の改善(炎症抑制など)

参考:https://www.s-dsc.com/about?utm_source
DSC細胞には、抗炎症作用能力も報告されています。頭皮のかゆみ・赤み・フケといった慢性的な炎症症状の軽減が期待されるだけでなく、頭皮環境の正常化も促される可能性があるのです。
頭皮の環境が改善することで、毛根への栄養供給や老廃物の運搬、ダメージの蓄積の軽減なども、間接的な発毛促進につながると言えるでしょう。
単に「毛が増える」だけではなく、頭皮の土台づくりから整えるというのがS-DSC治療の大きな特徴のひとつです。
S-DSCは誰に向いている?

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S‑DSC毛髪再生医療は万能ではありませんが、一定条件を満たす方には向いている治療です。以下のような特性や適応を持つ人々が、この治療の恩恵を受けやすいと考えられています。
男性型または女性型脱毛症と診断された成年者
この治療は、男性型薄毛(AGA)や女性型薄毛(FPHL)と診断された成人が対象となります。若年者で発症している場合や、脱毛症の原因が他にある場合は、まず医師による診断が必要です。
従来の治療で効果が十分でなかった、または副作用などで継続が難しかった人
外用薬・内服薬・ミノキシジル等の一般的な治療で思うような改善がなかったり、薬剤の副作用(頭皮のかゆみ、体への影響など)で続けられなかった人には、有力な選択肢になるでしょう。
毛髪の薄毛が進行しすぎていない比較的初期〜中期の薄毛

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臨床データによれば、薄毛の進行度があまり深刻でない段階、初期の薄毛状態の方のほうが改善が見られやすい傾向にあります。研究によると40代の女性で、薄毛がそれほど進行していない方に効果が見られたようです。
積極的に再生医療をしてみたい女性
性別を問わず適用できる治療で、特に女性型脱毛症の方に期待されています。女性の方が治療実感を得やすいという報告がいくつかあるのも特徴です。
適応外・注意すべきケース
S-DSC治療が適用できない、または慎重に検討すべきケースもあります。
●妊娠中または授乳中の女性
●局所麻酔薬で過敏症の既往歴がある方
●ウイルス感染(B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV等)の検査で陽性の方
●医師が対象不適当と判断したケース(全身状態・皮膚の状態・その他疾患など)
S-DSCのメリット・デメリット

S-DSC毛髪再生医療は、これまでの育毛・発毛治療とは異なるアプローチをとることで注目を集めています。しかし、すべての人にとってベストな選択肢とは限りません。
ここでは、治療を検討するうえで知っておきたい主なメリットとデメリットを整理します。
メリット
・毎日の継続が不要
従来の内服薬や外用薬による治療では、効果を維持するために継続的な使用が必要でした。一方、S-DSCは毛包の再活性化を目的とする治療であり、1回の施術ごとに中長期的な効果が期待できるのが特徴です。薬を毎日飲んだり塗ったりする必要がないため、治療の手間や負担が大幅に軽減されます。
・ドナー部採取の負担が少ない
自家毛包由来のDSC細胞を使用しますが、その採取にあたってはごくわずかな範囲から毛包を採取するだけで済みます。FUTやFUEといった植毛手術のように、後頭部を大きく切除する必要はありません。採取後の傷跡もほとんど目立たないため、見た目への影響が少ないのも特徴です。
デメリット
・費用の負担が大きい
S-DSC治療は保険適用外の自由診療であり、費用は1回あたり数十万円以上かかることが一般的です。加えて、複数回の施術が必要なケースもあり、トータルで100万円前後のコストが発生する可能性があります。コスト面での負担は無視できません。
・限られた施設でしか受けられない
S-DSC毛髪再生医療は、まだ提供施設が限られており、全国どこでも受けられる治療ではありません。大学病院などの一部の医療機関または提携クリニックでのみ提供されているため、遠方から通院する必要があるケースもあるでしょう。
・まだ研究段階の治療である
S-DSCは新しい毛髪再生医療として期待されていますが、長期的な効果のエビデンスは発展途上であり、すべての症例に効果が保証されているわけではありません。再生医療等安全性確保法に基づく「特定認定再生医療等委員会」の認可を得て実施されていますが、あくまで臨床研究段階にある治療であることは理解しておくべきです。
まとめ

S-DSC毛髪再生医療は、毛包の再生能力そのものにアプローチするという、まったく新しい次元の薄毛治療です。自分自身の細胞を使って再び毛を育てるというコンセプトは、安全性の高さと効果の持続性が期待され、将来的には「脱・投薬治療」への道を切り開く可能性を秘めています。
一方で、費用面や提供施設の限られた現状、そしてまだ研究段階であるという点には注意が必要です。とはいえ、従来治療では限界を感じていた方や、女性で新たな選択肢を探している方にとって、S-DSCは非常に有望な選択肢のひとつとなるでしょう。
薄毛治療を根本から見直したい方は、一度専門医に相談してみてはいかがでしょうか。