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薄毛・抜け毛研究所
2026.10.16
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飲むミノキシジルの次世代版が登場?副作用軽減を目指す徐放性ミノキシジルの最新情報
「飲むミノキシジルを使ってみたいけど、心臓への副作用が怖い」
「動悸やむくみが出たので使うのをやめた」
ミノキシジルを育毛治療として検討したいけれども、副作用が心配という悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。
ミノキシジルは薄毛治療の一つとして広く知られていますが、従来のミノキシジル内服薬(飲むタイプ)は心血管系への影響を心配する声もあります。ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発された成分であるため、心臓や血管への影響が懸念されることも少なくありません。
しかし2026年、「ミノキシジルの副作用の不安」に正面から向き合った新しい薬が注目を集めています。米国の製薬企業Veradermicsが開発する「徐放性ミノキシジル(VDPHL01)」です。
この記事では、従来の飲むミノキシジルの副作用や注意点を整理したうえで、心臓への負担を抑えることを目指した次世代製剤の最新情報をお届けします。
飲むミノキシジルとは?外用との違い

ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されました。
血管を拡張させて血圧を下げる薬に、副作用として「多毛症(体毛が増える)」が確認されたことから、育毛・発毛促進への応用が進んだのです。
発毛に作用する詳しい仕組みは完全には解明されていませんが、頭皮の血流改善効果などにより毛包への作用や毛周期の成長期を延長する作用などが関与すると考えられています。
現在ミノキシジルには外用薬(頭皮に塗るタイプ)と内服薬(飲むタイプ)があり、外用薬は日本でも一部が市販薬として承認・販売されています。一方、内服薬は日本では2026年5月時点で未承認であり、AGA治療では自由診療のもと、医師の判断で処方されているのが現状です。
ミノキシジル外用薬と内用薬の違い
| 外用薬(塗るタイプ) | 内服薬(飲むタイプ) | |
| 作用範囲 | 頭皮局所に作用 | 有効成分が全身を巡る |
| 副作用 | 頭皮の刺激・かゆみ・フケなどがみられることがある | 動悸・むくみ・多毛症などがみられることがある |
| 日本での承認 | 一部が市販薬として承認・販売されている | 未承認(自由診療として処方) |
| 費用 | 比較的安価 | 医療機関や処方内容によって異なる |
飲む(内服)ミノキシジルは全身を巡るため、高い発毛効果が期待できる一方で、動悸やむくみ、多毛症などの副作用が生じる可能性があります。
また、日本では薄毛治療薬として承認されいないため、使用を検討する際は、効果とリスクを理解したうえで医師と相談しながら判断することが重要です。
外用薬のミノキシジルに関する最新の情報に関してはこちらの記事もご参照ください。
【医療監修あり】ミノキシジルのナノ化で期待されることとは?
飲むミノキシジルの副作用|心臓への影響はあるか

ミノキシジルの副作用のなかでも、心配されやすいのが心臓への影響です。
ミノキシジルには血管を拡張して血圧を下げる作用があり、血圧が低下すると、それを補うために心拍数が増加することがあります。また、体液が蓄積することで、むくみが生じる可能性もあります。
ミノキシジルの、もともと高血圧の治療薬として開発された経緯とその特性を考えると、心血管系の副作用がみられる可能性があることも理解できるでしょう。2021年の研究報告をもとに、主な副作用をまとめました。
研究で報告された主な副作用
| 副作用 | 概要 | 報告されている頻度 |
| 多毛症 | 頭皮以外(顔・腕・背中など)の体毛が増える | 15.1% |
| むくみ(浮腫) | 手足や顔などにむくみが生じる | 眼窩周囲浮腫:0.3% 体液貯留:1.3% |
| 動悸・心拍数の増加 | 血管拡張に伴う代償的な反応として心拍数が上昇する | 0.9% |
| 頭痛 | 血流の変化に伴い生じる可能性がある | 0.4% |
AGA治療で用いられる飲むミノキシジルは、高血圧治療で使用されている量と比べて低用量で処方されるのが一般的です。そのため、副作用の発現リスクは比較的低いと考えられていますが、リスクがなくなるわけではありません。
飲むミノキシジルの使用に注意が必要なケース
以下に当てはまる方は、飲むミノキシジルの使用前に医師へ相談し、慎重に検討することが大切です。
| 注意が必要なケース | 理由 |
| 高血圧・低血圧がある方 | 血圧に影響を及ぼす可能性がある |
| 心臓疾患の既往がある方 | 心拍数増加など血管系への影響に注意が必要 |
| 妊娠中・妊娠を希望する方 | 十分な安全性が確立されていない |
| 腎機能が低下している方 | 体液貯蓄やむくみが生じる可能性 |
このほか、高齢者や肝機能が低下している方なども注意が必要です。使用を検討する際は、自身の健康状態に適しているか医師に確認しましょう。
副作用が出たら|症状別に覚えて注意点覚えておきたい対処法
動悸・むくみ・めまいなどの副作用が症状が現れた場合は、早めに処方医へ相談しましょう。医師は必要に応じて心電図や血液検査を行い、減量・中止・治療法の変更などを検討します。
一方、「胸の激痛」「呼吸困難」「意識が遠のくような感覚」など緊急性が疑われる症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。AGA治療において、このような重篤な症状が起きることは非常に稀とされていますが、万が一に備えて知っておくことが大切です。
また、副作用と考えられる症状が現れた場合は自己判断で対応せず、医師の指示を受けるようにしましょう。
次世代版「徐放性ミノキシジル(VDPHL01)」とは

参照:https://www.veradermics.com/about-vdphl01/
今回注目されている次世代版の内服育毛薬「VDPHL01」は、米国の製薬企業Veradermics(ベラデルミクス)が開発した、徐放性の経口ミノキシジル製剤です。
従来の経口ミノキシジルは血漿中濃度が内服後約1時間以内にピークに達しその後、比較的速やかに低下します。こうした血中濃度の変化が、心拍数の増加やむくみなどの副作用に関係する可能性として指摘されています。
一方、VDPHL01は「徐放性(extended-release)」製剤として設計されており、独自の技術によってミノキシジルを長時間に渡って徐々に放出し、毛包へのミノキシジルの曝露を持続させることを目指しています。
従来の即放性ミノキシジルでみられる急激な血中濃度の上昇を抑えながら、発毛に必要な濃度をより長く維持することで、発毛効果と安全性の両立を目指して開発されています。
| 従来の飲むミノキシジル | VDPHL01(徐放性) | |
| 製剤タイプ | 即放性(比較的速やかに放出) | 徐放性(時間をかけて徐々に放出) |
| 血中濃度の変化 | 服用後に血中濃度が上昇し、その後低下する | 血中濃度の急激な変化を抑え、薬物への曝露を長く保つよう設計 |
| 心血管系への影響 | 動悸やむくみなどが生じる可能性がある | 心血管系への影響を抑えることを目指した設計 |
| 発毛効果へのアプローチ | ミノキシジルを経口投与して発毛を促す | ミノキシジルを徐々に放出し、毛包への曝露を長く保つことを目指す |
VDPHL01は現時点でFDA未承認であり、現在も臨床試験が進められている開発中の製剤です。日本での承認・販売については、まだ決まっていません。臨床試験では有望な結果が報告されていますが、承認前の開発中の治療薬であることを理解しておきましょう。
臨床試験の結果|約8割以上が毛髪の見た目に「何らかの改善」と回答

2026年4月27日、Veradermicsは男性AGAを対象とした大規模な臨床試験(302試験)の結果を発表しました。試験には519名の男性が参加し、VDPHL01を1日1回または1日2回服用するグループと、偽薬(プラセボ)を服用するグループに分け、6か月間にわたって比較しました。
結果を見るうえで注目したのは、「毛髪の増加量」と「本人が何らかの改善を感じた割合」の2点です。
| グループ | 髪の本数の変化(1cm²あたり) | 本人が「何らかの改善」を感じた割合 |
| 1日1回投与(8.5mg) | 約30本増加 | 約79% |
| 1日2回投与(8.5mg×2) | 約33本増加 | 約86% |
| 偽薬(プラセボ) | 約7本増加 | 約36% |
上記の表のように、髪の本数の変化は、偽薬(プラセボ)グループと比べて約23〜26本多い結果となりました。また試験中、心臓への重篤な副作用は報告されず、全体的な副作用の発生率も偽薬(プラセボ)グループと大きな違いはなかったとVeradermicsは発表しています。
女性脱毛症(FAGA)への有効性データについて
2026年7月、Veradermicsは女性の薄毛を対象とした試験データを公表しました。6か月間の投与後、非軟毛の本数に改善がみられ、安全性についても良好な結果が得られたと発表しています。
一方、女性を対象とした試験は現在も進行中で、さらなる検証が続けられています。
現時点でわかっていること・わかっていないこと
| わかっていること(事実) | まだわかっていないこと |
| 臨床試験で偽薬(プラセボ)を上回る発毛効果が報告された | 1年以上使った場合の長期的な安全性 |
| 治療に関連する重篤な有害事象や、心臓由来の「特に注目すべき有害事象」は報告されなかった | 現在処方されている低用量の内服ミノキシジルとの直接比較結果 |
| 1日1回・2回投与のいずれでも効果が報告された | FDA承認の時期 |
| 女性の薄毛(FAGA)でも有効性を示すデータが報告された | 日本での承認・発売の見通し |
| 副作用の発生率は偽薬(プラセボ)グループと大きな違いがなかったと報告された | 実際の価格・保険適用の有無 |
これまでの臨床試験では、発毛効果や安全性について一定の成果が報告されています。一方で、試験期間や対象者数には限りがあり、長期的な安全性についてはまだ十分にわかっていません。
現時点で治療に関連する重篤な有害事象や、心臓由来の「特に注目すべき有害事象」は報告されていませんが、「心臓への副作用がない」と証明されたわけではない点には注意が必要です。
今後の臨床試験やFDAの審査など、さらなる検証が待たれます。
副作用が不安な場合は医師に相談を
「経口ミノキシジルの副作用が怖くて始められない」「使っていたけれど、動悸が気になってやめた」という方は、まず皮膚科や薄毛専門クリニックへの相談を検討しましょう。
現在の治療選択肢には外用ミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドなどがあります。自分の症状や体質、健康状態などを踏まえ、どの治療が適しているかを医師と相談しながら検討することが大切です。
まとめ

飲むミノキシジルは薄毛治療に一定の効果が期待できる一方で、心臓への副作用(動悸・むくみ・心肥大など)への懸念が長年課題でした。これはミノキシジルがもともと高血圧治療薬として開発された成分であることが要因です。
2026年、Veradermicsが開発する徐放性ミノキシジル「VDPHL01」は、この課題に取り組んだ新しいアプローチとして注目を集めています。現在の臨床試験段階ではプラセボ(偽薬投与グループ)を上回る発毛効果が確認されるとともに、治療に関連する重篤な有害事象や、心臓由来の「特に注目すべき有害事象」は報告されていません。
ただし、VDPHL01はまだ承認前の開発中の製剤であり、長期的な安全性などについては今後も検証が必要です。「副作用が不安で薄毛治療を始められない」という方は、皮膚科などの医療機関に相談し、自身の症状や体質に合った治療法について医師と検討してみましょう。
参照:Veradermics社ホームページ
【毛髪診断士コメント】
飲むミノキシジルは発毛効果が期待できる一方、副作用が気になる方もいるかと思います。新しい徐放性タイプは今後の研究が期待される治療ですが、まだ承認前の段階です。気になる方は自己判断で使用せず、まずは専門医に相談し、自分に合った治療法を検討しましょう。
公益財団法人日本毛髪科学協会 毛髪診断士 和田亮臣