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毛・抜け毛研究所

2017.11.03

  • 豆知識

    薄毛改善への効果を格付け!日本皮膚科学会のAGA治療のランク付けとは?

    AGA治療薬は、有効性を裏付けるデータや副作用のリスクなど、幅広い観点から適切に評価されなければなりません。その役割を担うものが、日本皮膚科学会のAGA治療ランク付けです。

    今回はこのランク付けの見方とその意義、ガイドラインで推奨されている有効成分などをご紹介します。

    日本皮膚科学会のAGA治療のランク付けとは

    AGA治療のランク付けとは、日本皮膚科学会のAGA治療ガイドラインが診療や治療方法を決める指標のことをいい、これまでの男性型脱毛症における治療実績や研究データに基づき、治療方法の効果やリスクを適性評価しているものです。

    そして、治療方法の有効性などを厳格に見極めて、推奨度に応じて5段階に分けたものが、AGA治療のランク付けです。AGA治療を扱う皮膚科や専門のクリニックが参考にしています。

    ランクの見方

    日本皮膚科学会が、さまざまなデータに基づいて決定したAGA治療のランク付けは、「A」「B」「C1」「C2」「D」の5段階で示されます。

    A~Dの5段階に分けられる

    AGA治療のランク別推奨度は以下の通り5段階に分けられています。

    A:行うよう強くすすめられる
    B:行うようすすめられる
    C1:行うことを考慮しても良いが、十分な根拠がない
    C2:根拠がないためすすめられない
    D:すすめられない

    このランク付けは多くのAGA専門クリニックや皮膚科の診療方針の参考となっているだけではなく、AGA患者が病院を選ぶ基準としても活用することができます。

    どんな成分が当てはまるか

    頭皮に治療薬
    ここでは、推奨される成分や治療方法、推奨されない治療方法などについてご紹介します。

    A:「フェナステリド」「ミノキシジル」など

    毛根部分の血管を広げて発毛を促す「ミノキシジル」とジヒドロテストステロン(DHT)の働きを抑えてAGAの進行を抑制する「フェナステリド」は、Aランクの「治療方法として強く推奨される」にランク付けされています。

    B:「自毛植毛術」など

    自毛植毛術とは、後頭部や側頭部などの比較的毛髪に余裕のある部分から毛包ごと採取し、抜け毛の多い箇所に植毛する施術です。ガイドラインでは、この自毛植毛術をミノキシジルの次に推奨されるBランクとし、そのエビデンスを高く評価しています。

    C1:「アデノシン」など

    アデノシンは、日本の化粧品メーカーが開発した育毛有効成分です。血管拡張作用においてその効果がうたわれているアデノシンですが、日本皮膚科学会のガイドラインではC1評価。つまり「用いても良いが、科学的根拠はない」という考えです。

    C2:「セファランチン」など

    セファランチンとは、タマサキツヅラフジという植物から有効成分を取り出して開発された育毛剤です。頭皮の血行を促進する効果があり、特に女性の円形脱毛症に効果があるとされていますが、ガイドラインでは「用いないほうが良い」という判定です。

    D:「人工植毛術」など

    人工植毛術とは、ナイロンやポリエステルなどの化学線維を使って作られた人工毛を、薄毛部分に植毛する施術です。人工毛を植え付けることで薄毛は目立たなくなりますが、自然と髪の毛が伸びることはありません。

    臨床現場で用いられる医薬品は?

    AGA治療を行う医療機関では、日本皮膚科学会が策定したガイドラインに基づき、最高のAランク評価のものが多く利用されています。

    主にランクAのもの

    「これまでの治療実績や治験データなどで確かな有効性が確認されている」「副作用のリスクが少ない」などの観点から、ミノキシジルやフィナステリドなどの育毛剤が多くの臨床現場で用いられています。

    実際にこの2つは、日本だけではなく海外のAGA治療現場でも積極的に活用されている医薬品です。

    アレルギー反応がある場合は別の薬が選ばれる

    たとえAランクの治療薬でも、すべての方に有効であるとは限りません。中には、成分が肌に合わず、アレルギー反応を示す方もいます。

    AGA治療薬として真っ先に推奨されるミノキシジルとフェナステリドですが、使用してみて異常反応が見られれば早急に利用を中止し、別の薬に替えてもらいましょう。

    おわりに

    今回は、日本皮膚科学会のAGA治療ランク付けについてご紹介しました。

    男女ともに、薄毛に悩んだらどの治療法がベストで、どこに相談すれば良いか、迷うケースもあるかもしれません。そのようなときは、日本皮膚科学会が策定したガイドラインを参考にしてください。有効な治療薬の選定と、利用する際の判断基準となるでしょう。

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