頭皮湿疹の原因と種類は?頭を清潔に保って湿疹を予防しよう

〈 約 4分59秒 で読めます 〉

頭皮にかゆみや赤みの症状が出る皮膚疾患を「頭皮湿疹」といいます。頭皮湿疹にはいくつか種類があり、その症状や治療法も異なるのです。また、頭皮は髪で隠れてしまって見えにくい部分でもあるため、目で見て症状を確認できないケースもあります。
そこで今回は、頭皮湿疹の種類や予防方法についてご紹介します。

頭皮湿疹の種類

頭皮湿疹の主な種類は、以下の4つです。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、頭皮・額・首・脇の下・へそなどにフケやかゆみが出る症状です。 頭皮や顔の皮脂分泌が過剰になり、マラセチア菌(カビ)が増殖することが影響しています。脂漏性皮膚炎の特徴としては、カサカサとしたフケのようなものが肌に出るほか、頭や額、鼻のまわりに凸凹した紅斑が広がることもあります。

皮脂欠乏性皮膚炎

肌の皮脂や水分量が少なくなり、乾燥を生じる皮膚疾患です。具体的な症状は、肌のひび割れ・赤み・かゆみ・フケです。特に、空気が乾燥してくる秋から冬場にかけてよくあらわれる症状になります。

アトピー性皮膚炎

アレルギー体質の方に起こりやすい皮膚炎です。症状としては、乾燥・紅斑・かさぶた・フケなどがあります。目や口のまわり・ひじやひざの裏・耳のまわりに症状があらわれ、良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか完治しないことが特徴です。

接触性皮膚炎

いわゆる「かぶれ」と呼ばれる皮膚炎です。体質に合わない物質が皮膚に接触し、過剰な刺激となってアレルギー性反応を引き起こします。主な症状は、紅斑や水泡、ヒリヒリとしたかゆみなどです。シャンプーや整髪剤、カラーリング剤など、身の回りにあるものが原因物質と考えられています。

頭皮に湿疹ができる原因は?

頭皮に湿疹ができる主な原因は、頭皮に合わないシャンプーの使用、ジェルやワックスの洗い残し、頭皮の日焼けが考えられます。
肌質と合わないシャンプーの使用やジェルやワックスの洗い残しは、頭皮へのダメージにつながり、結果として頭皮湿疹のリスクを高めてしまうのです。また、日焼けによる紫外線のダメージが、皮膚のバリア機能を低下させます。そうなると、先ほどお伝えした皮膚炎を発症しやすくなるのです。

頭皮湿疹の予防法は?

予防策として、以下の3つのことを意識すると良いでしょう。

正しい洗髪を意識する

正しい洗髪を意識する
頭皮の汚れを落とそうと、ゴシゴシと爪を立てて洗うのは禁物です。 まず、髪を濡らす前に髪を梳かし、ぬるめのお湯で軽く洗い流して髪全体を濡らします。このとき、お湯の温度は38度前後でぬるめに設定しましょう。
次にシャンプーを適量手に取り、しっかりと泡立てます。その泡を頭頂部、両サイド、後頭部にのせ、指の腹を使って優しくマッサージするように頭皮を洗ってください。洗い流すときはシャンプー剤を残さないよう、2分以上かけてしっかり流します。髪を乾かす際は、ドライヤーを遠くから当て、頭皮に熱風が直接あたらないようにしましょう。
また、洗髪方法だけではなくシャンプー剤にも気を配ることをおすすめします。低刺激性のアミノ酸シャンプーや石鹸シャンプーが良いでしょう。洗浄力の強い合成界面活性剤配合のシャンプーや、殺菌成分が含まれているフケ対策用シャンプーは刺激になるため、避けたほうが無難です。

食生活を見直し、頭皮に良い栄養素を取る

頭皮に良い栄養素を取る
頭皮湿疹の予防には、食生活の改善も大切です。特に、頭皮の乾燥を防ぐ食品を積極的に取りましょう。コラーゲン・ビタミンB2・ビタミンB6・脂質・大豆イソフラボンなどが良いとされています。これらの栄養素が含まれる食品を取り入れることで、身体の内側からも頭皮ケアを行うことができます。先ほどの正しいシャンプーの方法と合わせて行うことで、健康的な頭皮環境を目指しましょう。

十分な睡眠を心がける

頭皮湿疹の予防のためにも、十分な睡眠を心がけましょう。寝不足状態が続くと頭皮のターンオーバーが乱れ、過剰な皮脂分泌につながる場合があります。一般的には6時間~8時間ほど眠ると良いといわれています。毎日は難しくても、この睡眠時間に近づけるように意識してはいかがでしょうか。

おわりに

頭皮湿疹は、一度かかると再発しやすいといわれている皮膚炎でもあるため、やはり毎日の予防ケアが大切。正しいシャンプー方法で髪を洗うこと、食生活を見直すこと、十分な睡眠時間を確保することが頭皮湿疹の予防につながります。これらの正しいケア方法を身に付けて、健康的な頭皮環境をキープしましょう。