産後に起こる女性の抜け毛、その原因と対策は?

〈 約 4分25秒 で読めます 〉

産後は女性にとって、母親になった喜びや幸福をたくさん感じられる期間と言えるでしょう。 しかし、産後は妊娠から出産までの間に起こった体の変化や症状が表にでてくる期間でもあります。その1つが「抜け毛」です。産後突然髪の毛が抜け始め、このままだとすべて抜けてしまうのではと不安に思った方は多いでしょう。

そこで今回は、産後に起こる女性の抜け毛の原因と対策についてご紹介します。

産後に髪の毛が抜ける原因とは

カレンダーに書き込む 産後に髪の毛が抜けてしまう1番の原因は、ホルモンバランスの変化です。女性ホルモンは、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類に大きく分けられます。

エストロゲンは髪のハリ、コシ、ツヤを出すなど、髪の成長を促進する働きがあり、プロゲステロンは髪の毛の周期を延ばす働きがあります。この2つの女性ホルモンが妊娠や出産を迎えると分泌量が大きく増減することで、髪に影響がでます。

まず妊娠中にプロゲステロンが爆発的に増加することで、髪の毛の周期が延び、抜け毛が減ります。そして産後は、エストロゲンとプロゲステロンの量が急激に減ることによって、今まで抜けていなかった髪の毛が一気に抜けます。つまり産後の抜け毛は、本来抜けるべきだった髪の毛が抜けているため、過度に心配をする必要はありません。

産後の抜け毛は個人差がありますが、産後1カ月~3カ月頃から始まります。そしておおむね産後3カ月~1年間で治ると言われています。しかし産後1年を過ぎても抜け毛が収まらない場合は別の原因があるのかもしれません。

産後1年を過ぎても抜け毛が治らない場合の原因

体重計に乗る女性の足 産後1年程が経過しても抜け毛が治らない場合は、違う原因が考えられます。

その1つが生活習慣の変化です。産後は赤ちゃんが中心の生活となるため、出産前と生活が一変してします。夜泣きや授乳などで、睡眠不足になったり、ストレスがたまったりすることもあります。ストレスは女性ホルモンの分泌を不十分にするだけでなく、自律神経を乱して代謝も悪くします。そうなると抜け毛が長引いてしまうことがあります。つらいときは一人で抱え込むのではなく、家族の力を借りて、ときには体や心を休ませましょう。

また産後の無理なダイエットも禁物です。妊娠で増えてしまった体重を落とそうと焦ってダイエットをすると、抜け毛だけでなく、体全体に悪影響がでてしまいます。無理にダイエットをするのは控えましょう。

産後の抜け毛の対策

産後の抜け毛は自然と収まるものですが、栄養補給や生活習慣の改善を行うことで早く落ち着かせることもできます。産後の抜け毛の対策は以下の通りです。

【1】バランスの良い食事を取る

妊娠中はお腹の赤ちゃんに栄養を取られる分、しっかりバランスの取れた食事を心掛けましょう。毛頭の成長を促すビタミンB郡、豊富なミネラルや食物繊維を多く含む海藻類、女性ホルモンの働きをよくする大豆イソフラボンを含む豆腐や納豆などを食べるようにすると抜け毛の予防につながります。

【2】ストレスをためない

産後は生活習慣が変わるため、ストレスを感じることが増えると思います。ストレスは髪にとって大敵。産後はゆっくりすることが難しいと思いますが、家族の協力を得て、自分の時間を作るなどストレスを解消できる時間を作りましょう。

【3】充分な睡眠を取る

寝不足は血液の流れを悪くするため、抜け毛が増えてしまうことがあります。夜泣きなどがあるため産後は特に睡眠不足になりがちです。空いた時間にできるだけ睡眠を取り、体を休めましょう。

おわりに

出産という喜ばしいことの裏で、不安を感じる産後の抜け毛。ホルモンによる作用ということが分かれば怖くはありません。しかし抜け毛は気にし過ぎてしまうと鬱になることもあります。あまり気にし過ぎないことも大切です。

産後は髪の毛と共に体調を整えるためにもできるだけ休養を取り、ストレスを減らし、栄養バランスのよい食事を心掛けて、育児を楽しみましょう。