髪型の不思議!リーゼントってどうやって作るの?その歴史とは?

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A.基本的には「ポマード」と「クシ」、そして「ドライヤー」の3点があればリーゼントを作ることが可能です。
しかしながらリーゼントに詳しくない人が考えるリーゼント像と、愛好者にとってのリーゼントはどうやら似て非なるもののようです。
前者の人が考えるリーゼントへの印象は、サイドの髪をビチッと後ろへ流し、前髪はおでこが見えるように上げてはいるけれども垂れ下がんばかりに膨らんでいて、セットが大変そうに見受けられます。
そしてひと昔前の不良や、ロカビリー音楽を好きな人だけがする特殊な髪型という印象です。
とはいえリーゼントという髪型自体は、別に不良でなくても、ロカビリーが好きでなくても、やろうと思えば素人の私たちにも簡単にできそうなものです。
サイドの髪をビチッと押さえて、上げた前髪にボリュームが出るようにすればいいだけでしょうから……。

リーゼントの由来を知る

実はまず、ここに誤りがあります。
なぜなのかは、「リーゼント」という名前の由来を確認すれば理解することができます。
リーゼント以前、「ダックテイル」と呼ばれる髪型がありました。
それは頭の両サイドから後ろの髪をポマードやワックスを使って後ろに流し、後頭部のちょうど真ん中で「Iの字」になるように合流させる髪型です。
後ろから見ると左右対称に見えるのが特徴的です。
この「ダックテイル」の見た目が、イギリスはロンドンにある「リージェント・ストリート」という左右対称の大通りに似ていることから、「リーゼント」と呼ばれるようになりました。
つまりリーゼントの生命線は、もともと後頭部の「Iの字」にあるわけです。
リーゼントに詳しくない人にとっては、前髪やサイドこそリーゼントにとって重要だと思っていましたが、本来はちがうのです。

エルヴィスのポンパドール

ただ、時代が流れると髪型も変化していきます。
1950年代に一世を風靡したエルヴィス・プレスリーは、リーゼントに、前髪を高くした「ポンパドール」というヘアスタイルを組み合わせました。
この髪型が大流行したことによって、極東の島国では「ポンパドール=リーゼント」のように誤解されて今に至っているのだと考えられます。
私たちが思うリーゼントは本当はポンパドールであって、多くの日本人が「リーゼント」と呼んでいるリーゼントは、あくまでガラパゴス的和製のリーゼントだといえるでしょう。
ちなみにポンパドールは、アメリカでは「ポンプ」、イギリスでは「クイッフ」と呼ばれているようです。

リーゼントの作り方

ここで本題の「リーゼントってどうやって作るの?」に戻りますが、この場合の「リーゼント」はガラパゴス的和製リーゼントとして私は話を進めます。
用意するのは、ポマードとクシ、ドライヤーの3点です。
①作り方は簡単で、まず濡れた髪の毛をドライヤーでしっかりと乾かします。
この時、前髪の根元が立ち上がるように意識しながら、オールバックにするように乾かしましょう。
②そして髪の毛が乾いたら、髪全体にポマードをなじませていきます。
この時のポイントは、前髪の根元にはポマードをつけないようにすることです。
根元までポマードをべったりつけてしまうと、前髪が立ち上がりにくくなってしまいます。
注意しましょう。
③あとは最後にクシで髪の毛を流しながら、ポンパドール部分の高さを整えれば完成です。
この「リーゼント」なら、朝の忙しい時間帯にもさほど苦にならずに「リーゼント」を楽しめるのではないでしょうか。
実際、ポマードではなくジェルやワックスを使う派がいたり、仕上げにスプレーでがっちり固める派がいたりするそうですが、このガラパゴス的和製リーゼントは基本的にこのようにして作ることができます。
清潔感もありながら男らしさも演出できるガラパゴス的和製リーゼント、ぜひ一度お試しください。