ドライヘッドスパ大ブームはなぜ起きているのか?

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A.ドライヘッドスパはリラクゼーション効果が高いだけでなく、現代人の抱えるさまざまな悩みを根本的に解決できる可能性があります。そこに、相対的な開業ハードルの低さが後押しをした形です。

ドライヘッドスパとは

まずは基本からお話します。
多くの方は、ドライヘッドスパと美容室のオプションで施術してもらえるヘッドスパとを混同していますが、これらは大きく異なります。
美容室でのヘッドスパにももちろんリラクゼーション効果がありますが、その主な目的は髪の修復や頭皮のクレンジングです。
リラクゼーション効果よりも、頭皮環境を整えることに重きを置いているのです。
一方でドライヘッドスパは、まさにリラクゼーション効果を最大限に高めるために存在しています。
頭部の奥底に眠っている脳を、ゆっくりともみほぐすように、入念にマッサージしてもらえるため、あまりの気持ちよさに施術中にそのまま眠りに入ってしまう方も多いようです。
また「ドライ」という言葉が示しているように、基本的に水やオイルなどは一切使用しません。
別名「無水ヘッドスパ」とも呼ばれています。

ドライヘッドスパブームの理由を考察

ではここから、ドライヘッドスパが大ブームとなった要因を探っていきましょう。
大きく分ければ、以下三つの要因が見事にハマったので、ドライヘッドスパは高い評判を得たのだと思います。
まず一つ目のブーム要因は、その手軽さでしょう。
水やオイルを使わず素手だけで施術してもらえるため、施術前後に着替えをしたり髪を洗ったりする必要がありません。
予約時間に合わせてお店へと出向き、そのまますぐにリラクゼーションの世界へと没入することができるのです。
また価格帯においても、60分で8,000円ぐらいが相場です。(ヘッドスパ60分の場合は9,000円~が大体の相場となります)
次に二つ目のブーム要因は、その効果がリラクゼーションだけに留まらないことを利用者の多くが実感しているからでしょう。 本当に良いものはすぐに口コミで広がりますからね。
たとえば現代において、首や肩のこりにお悩みの方は多いですが、ドライヘッドスパではこれらを緩和することにも有効です。
筋肉のこりをほぐし、血行を促進します。
「ヘッド」とはいえ頭部だけではなく、首や肩あたりもマッサージの範囲に含まれています。
ほかにも列挙すればその効果の幅はとても広く、眼精疲労や睡眠不足の解消、自律神経を整える方法としても有効だと高い評価を得ているのです。
つまりドライヘッドスパは、現代人が抱えているあらゆる「疲れ」を一挙に緩和するようなものすごいポテンシャルを秘めています。
それがお手軽にできるのですから、ブームに乗って絶対に損はないでしょう。(ただ、一度の施術では二週間程度の効果しか期待できないため、月に二回は定期的に通うことがおすすめです)
三つ目は、開業の際に初期費用がヘッドスパよりもかなり抑えられることにあると考えます。
水道設備や、シャンプーの機材などは初期のコストとしてはかなり大きな額になりますが、ドライヘッドスパであれば、施術台のみでも対応可能です。

コロナとヘッドスパ

……このように、少し前までドライヘッドスパが大ブームの予兆を見せていたのですが、私たちにとって今最大の懸念は、コロナですよね。
たしかにドライヘッドスパは、プロの手によって素手でおこなわれる施術を特徴としているので、否応にもお店の人と密接してしまいます。
しかしコロナが蔓延し始めた当初とは異なり、私たち市民のあいだでもようやくセーフティーラインのような独自基準を自律して設定できるようになってきたのではないでしょうか。
お店の人も自分もマスクをしていて、かつあまり会話を交わさないで済むドライヘッドスパなら、感染のリスクはきわめて低いと思います。
もちろんそのお店が手指消毒や検温、換気などのコロナ対策をしっかりと実施していることが大前提ですが、見えない敵をこれからも恐れ続けては私たちのほうが疲弊してしまいます。
だから自分でできる最大限のウイルス対策はしつつも、そろそろ自分がリラクゼーションの世界へ没入することを許してもいいのではないでしょうか。