1000円カットって実際どうなの?その仕組みや評判、クオリティとは?

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A.美容室・理容室に何を求めるのかによって変わりますが、基本的にコスパは最高だと私は考えます。

スピード重視の人におすすめ

とりわけ人気の美容室でありがちな、丁寧すぎるカウンセリングやたびたび待たされる待ち時間が耐えられない人にとって、いわゆる「1000円カット」のスピード感は魅力的なはずです。(ここでいう「1000円カット」とは、1000円そこそこでカットをしてくれるヘアカット専門店のことです。)
1000円カットの店によって仕組みは多少異なりますが、大方のところ次のような流れです。
まず店の出入り口にある券売機でチケットを買います。 牛丼屋やラーメン屋で先に食券を買うシステムと似ています。
そして次の瞬間には、「こちらへどうぞ」と鏡の前のイスに案内されるのです。
あとは担当者にチケットを渡して希望の髪型を伝えれば、さっそくハサミやバリカンが入っていきます。 カットが終わったら、顔まわりや首まわりに付着している不要な髪の毛を取り除いてもらい、完全に終了です。
空いていれば、店に入ってから15分後にはスッキリとした髪型で店を出ることができます。
鏡の前であまり読みたくもない雑誌に目を通す必要などないのです。
とはいえ、カットのあとにはしっかりとすすいで洗い流してほしいと思う人もいるでしょう。
残念ながら1000円カットの店にはシャンプー台自体がないので、シャンプーは絶対してほしいという人は一般的な美容室・理容室のほうが向いているといえます。

気になるクオリティは?

1000円カットだからという理由で「安かろう悪かろう」という先入観をもっている人がいたら、その先入観は今日をもって捨ててしまいましょう。
たしかに店によって、担当のスタッフによってはハズレもありますが、1000円カットで働く人たちはまさにヘアカットのプロです。 むしろカットのみに特化したスキルを身につけているため、一般的な美容室・理容室のスタッフよりも優れていることが少なくありません。
一日にカットしている客数が比ではないのです。
よって、私たちが希望する髪型を把握する能力にも長けています。
カット中に逐一「これでいいでしょうか?」と聞いてくることもほとんどありません。
スピーディーかつ的確なカットをしてくれる店が1000円カットというわけです。
ただし先ほどもふれたように、たまにハズレに当たることもあります。
同じ系列、同じ店舗ではスタッフによって顧客満足に差が出ないように、マニュアル化して対応するなど、スタッフのスキルや振る舞いを一律にできるよう日々努めているかと思いますが、やはり人間ですから個人差があります。
よって本番には不慣れな新人のスタッフが担当することもあるのです。
とはいえ担当者を指名しないかぎりはどこの美容室・理容室でもあることなので、1000円カット特有のマイナスポイントではないといえるでしょう。

私たちのマナーも大切

かつて私は、1000円カットの担当者に迷惑をかけたことがあります。
その反省をもとに、客側にもマナーが大切だということを学んだのでみなさんにもシェアして本稿を締めたいと思います。
その1000円カットは個人が経営する小さな店舗で、私以外に客はいませんでした。
カット中の来店客もゼロだったため、まさに私だけが店内を独占していたのです。
担当者が寡黙な雰囲気の漂う職人気質な感じだったこともあり、ラジオのBGMだけが響きわたる店内で、静かに目をつむり、私はヘアカットの終了をただただ待ちました。
「いかがでしょうか?」という職人の声に反応して目を開けてみると、そこには何とも微妙な髪型の自分がいたのです。
今思えば、そもそも私のオーダーと私の外見が微妙だったのだと反省しています。
しかし当時は、「もっとここをこうしてほしい」というリクエストを再三にわたってしてしまったのです。 「別に混んでいないからいいでしょう」という身勝手な気持ちもありました。
すると、どうでしょう。
次第に職人の表情が、わかりやすく苛立ち始めたのです。
とはいえ当時の私も、微妙な髪型のまま引くことはできず、お互いがすごい剣幕の中、鏡越しに見つめ合うという滅多にないシチュエーションを経験することとなりました。
最終的に、「もう、これでいいです」といって私が折れたのですが、あの態度はなかったな……と今では反省するばかりです。 混んでいようとなかろうと、「1000円カット」という店のスタンスを考えれば過度なリクエストはもちろんNG。
そもそも「お客様は神様」などという偉そうな態度が客にあってはなりません。
みなさんにはきっとないでしょうが、私のような苦い経験をしないように、ある程度のマナーをもって1000円カットの店を楽しんできてくださいませ。