「薄毛=年配の人の悩み」だと思っていませんか?
実は今、20代の若い女性たちも抜け毛や髪のボリュームの減少に悩む人が急増中しています。
SNSや美容トレンドの影響でパーマやカラー、食事制限によるダイエットを繰り返す人が多い一方で、仕事や人間関係によるストレスや不規則な生活習慣が重なり、髪や頭皮に知らず知らずのうちに負担をかけてしまっていることも少なくありません。
この記事では、20代女性に多い薄毛の原因や脱毛症の種類、日常生活でできるケア方法や医療の選択肢までをわかりやすく解説します。
「まだ若いから大丈夫」と思っているあなたこそ、早めの対策が未来の髪を守るカギになるかもしれません。
なぜ?20代女性に増えている薄毛の悩み
(参照:https://www.lotte.co.jp/kamukoto/beauty/1086/)
「薄毛」と聞くと、年齢を重ねた人の悩みという印象が強いかもしれません。
しかし、近年では20代という若年層の女性からも「抜け毛が増えた」「髪のボリュームが減ってきた」といった声も多くなっています。
実際に20代女性の中で薄毛の症状に悩む人は増加傾向にあり、2022年の調査情報を参照すると、37%以上もの20代女性が薄毛や抜け毛の悩みを持っていることもわかりました。
その背景には現代社会特有のライフスタイルや美容習慣が深く関係していると考えられています。
例えば、20代の女性のライフスタイルに影響を与えることもあるダイエットやストレス、不規則な生活、間違ったヘアケアなどはすべて髪の健康に悪影響を及ぼす要因です。
また、紫外線やヘアカラー、アイロンによる髪のダメージも蓄積すれば薄毛や抜け毛を引き起こすリスクになりえます。
20代女性の薄毛を引き起こす6つの要因
(参照:睡眠とホルモン分泌の関係は?|スイミンネット)
忙しい毎日を過ごす中で朝食を抜いたり、コンビニ食や外食に偏ったりといった生活が続いている人も多いのではないでしょうか。
食生活の乱れは髪に必要な栄養を十分に届けることができず、髪の成長を阻害します。
また、睡眠不足も髪にとっては大敵です。
髪の毛は成長ホルモンの分泌によって育つため、睡眠の質が低下すれば髪の健康も損なわれます。
夜更かしやスマホの使用などにより眠りが浅くなると、髪の再生リズムが乱れ、抜け毛が増える原因になります。
紫外線ダメージの蓄積
紫外線は肌だけでなく、頭皮や髪にも大きな影響を与えます。
頭皮は顔の2倍以上の紫外線を浴びているといわれており、対策をしないまま日差しの強い場所に長時間いると、乾燥や炎症が生じます。
頭皮ダメージが蓄積されれば毛穴が詰まり、毛根の働きが弱くなることもあります。
特に分け目や生え際など、紫外線を直接受けやすい部位は薄毛のリスクが高まりやすくなります。
20代のうちから日傘や帽子、UVスプレーなどを活用して紫外線対策を習慣にしましょう。
20代女性によく見られる脱毛症の種類
20代の女性に見られる薄毛症状には、いくつかのタイプがあります。
症状によって原因や治療法が異なるため、自分の脱毛症がどのタイプなのかを知ることが大切です。
びまん性脱毛症
(参照:【医師コメントつき】「びまん性脱毛症」の症状・原因・対処法|AGAタイムス)
頭全体の髪が均等に薄くなっていく脱毛症で、若い女性に起こりがちな一般的な薄毛症状の一つです。
加齢によって起こるケースもありますが、20代ではホルモンバランスの乱れやストレス、栄養不足などが原因となることが多く、髪のハリやコシが失われ全体的にボリュームがなくなっていきます。
【フケが特徴】脂漏性脱毛症・粃糠性(ひこう性)脱毛症
(参照:脂漏性脱毛症とは|ベタつくフケや湿疹を伴う抜け毛について|メディカルブロー)
過剰な皮脂分泌によって頭皮が炎症を起こし、毛根がダメージを受けることで髪が抜けやすくなるのが脂漏性脱毛症です。
洗髪不足や誤ったシャンプー選び、ホルモンバランスの乱れなどが原因とされており、フケやかゆみを伴うのが特徴です。
皮脂の過剰分泌が起りフケが生じているので、頭皮のべたつきとともにフケもべたべたしています。
一方で粃糠性脱毛症の場合は乾燥によるフケが大量に発生し、毛穴を塞いでしまうことで髪の成長が阻害されるタイプの脱毛症です。
頭皮の乾燥により、乾いた白っぽいフケが生じます。
シャンプーの頻度が多すぎたり、逆に少なすぎたりすることが原因となることがあります。
牽引性脱毛症
(参照:プロが教える!牽引性脱毛症の8つの原因と対策の完全ガイド|HAIRS)
ポニーテールやお団子ヘア、編み込みなど、髪を強く引っ張るスタイルを長期間続けることで、毛根に負担がかかり脱毛につながる症状です。
生え際やこめかみなどに抜け毛が集中して見られやすく、若い世代の女性に増えている傾向があります。
参照:【医療監修あり】牽引性脱毛症とは?原因・対策・改善方法を徹底解説
円形脱毛症
(参照:円形脱毛症|海老名皮フ科クリニック)
突然一部の毛が丸型から楕円に抜け落ちる症状です。
以前はストレスが関与していると考えられてきましたが、現在では自己免疫の異常によるものとの考えが主流になりつつあります。
さまざまな要因が考えられていますが、適切なケアを早めに取り入れることで早期治療が可能な脱毛でもあります。
保険診療で治療が受けられる脱毛症の一つです。
分娩後脱毛症
(参照:【医師監修】妊婦さんの抜け毛の原因は?妊娠中・産後の抜け毛対策|エピレット)
出産後にホルモンバランスが急激に変化することで、一時的に大量の抜け毛が発生する脱毛症です。
20代後半~30代前半で出産を経験した女性に見られやすく、多くの場合は時間の経過とともに自然に回復していきます。
参照:【監修あり】産後に髪の毛が抜ける原因は?抜け毛予防に効果的な方法
20代女性の薄毛に効果的なセルフ対策
「まだ病院に行くほどではないけれど、抜け毛が気になる」
「今のうちに何か対策しておきたい」
そんな人に向けて、日常生活でできるセルフケアを紹介します。
できることから日々の習慣を少し変えてみて進行を遅らせ、症状の改善がみられる一助にしていきましょう。
髪と頭皮に優しいヘアケア
(参照:シャンプーで避けるべき成分は?注目すべき成分から自分に合ったシャンプー成分がわかる診断まで紹介!|ONE COSME)
強い洗浄成分を含むシャンプーや、熱すぎるドライヤーの風は頭皮にダメージを与えます。
アミノ酸系の低刺激シャンプーを使用し、洗髪時は優しくマッサージするように洗いましょう。
ドライヤーは髪から20cm以上離し、頭皮を乾燥させすぎないようにしましょう。
バランスの良い食事と睡眠
髪の材料となるタンパク質や、成長をサポートするビタミンB群、鉄分、亜鉛などの栄養素を意識的に摂取しましょう。
睡眠は成長ホルモンの分泌を促す大切な時間です。
毎日7〜8時間の睡眠を目安に、規則正しい生活を心がけましょう。
禁煙・節酒
喫煙や過度な飲酒は血行不良を引き起こし、毛根に必要な栄養素が届きにくくなります。
また、喫煙は活性酸素を生み出し、さまざまな細胞へのダメージ源になりえます。
髪にとっても有害な習慣なので、意識的に改善を目指したいところです。
ストレスマネジメント(例:運動・趣味・カウンセリング)
ストレスは自律神経を乱し、ホルモンバランスの崩れにもつながります。
また、ストレス過多になると交感神経が優位になり、毛細血管も収縮します。すると末端の血行不良も起こりやすくなります。
ウォーキングなどの軽い運動、趣味に没頭する時間、誰かに話を聞いてもらうなど、心のメンテナンスを意識的に行いましょう。
サプリメントや育毛剤の活用
必要な栄養素を補う目的で、サプリメントを取り入れるのも一つの方法です。
ビオチン、鉄、亜鉛、ビタミンB群などが含まれたものが理想的。
また、市販の育毛剤やスカルプエッセンスで頭皮の環境を整えることも、セルフケアとして有効です。
医療の力で解決!20代でも受けられる薄毛治療
「セルフケアではなかなか改善しない…」と感じたら、医療の力を借りることを検討してみましょう。
近年では20代でも薄毛治療を受ける女性が増えており、年齢に関係なく効果的な治療法が選択できます。
20代に有効な主な治療法
20代の女性の薄毛治療の基本となるのが「薬物療法」です。
女性に処方されることの多いミノキシジル(外用薬)は、頭皮の血流を改善し、発毛を促す効果が期待できます。
医師の診断のもと、2%くらいの濃度で処方されることが多く、びまん性脱毛症やFAGAの初期治療に有効です。外用薬で手軽に日常生活にも取り入れられるため、忙しい20代の女性でも効果的な治療を期待できるでしょう。
また、「メソセラピー」も20代女性に人気のある治療法のひとつです。
成長因子やビタミン、アミノ酸などの有効成分を頭皮に直接注入することで、毛根の活性化を図ります。
注射や専用の機器で行われるため即効性があるのは魅力ですが、クリニックに通う必要や、値段が高額になることもあるため、自分の薄毛症状とスケジュール、金額を含めて検討することが重要です。
職場や友人にバレたくない…薄毛を周囲にどう説明する?
「薄毛が気になってきたけど、周りには知られたくない…」「どう思われるかが怖い」というのは多くの20代女性にとって共通の悩みのひとつです。
しかし、薄毛は恥ずかしいことではなく、誰にでも起こりうること。とはいえ、周りからどう見られるかを気にする気持ちはとても自然です。
あえて詳細に説明する必要はありませんが、「最近、頭皮が敏感でケアを始めているんだ」「髪にボリューム出すために治療してる」といった軽い言い回しを用いることで、違和感なく受け止めてもらえることも多いです。
また、誰にも相談できないという孤独感がある場合は、専門のカウンセラーや医療機関の相談窓口を活用して、自分の気持ちを整理することも大切です。
薄毛が気になったときのカバー方法
今すぐ見た目を改善したいときには、髪型やアイテムを使ったカバー方法もおすすめです。
「分け目のチェンジ」は、同じ分け目を続けることで負担がかかっていた毛根を休ませ、見た目の印象もリフレッシュさせます。
「トップにボリュームを出すヘアスタイル」を意識すると、薄毛部分が目立ちにくくなります。
ふんわりと立ち上げるようにブローする、カーラーを使うなどの工夫も効果的です。
「パウダー系やスプレータイプの増毛アイテム」は、一時的に地肌を目立たなくする便利なアイテムです。
自然な見た目に仕上がるので、外出時や仕事中でも使いやすいのがメリットです。
薄毛を隠すことは「前向きな工夫」です。
自分に合った方法を取り入れて、気持ちも前向きに整えていきましょう。
まとめ
20代の薄毛は年齢的に「まだ早い」と見過ごされがちですが、実際には同じような悩みを抱えている女性も少なくありません。
ホルモンバランスの乱れ、生活習慣、ストレス、美容習慣、そのどれもが複雑に絡み合い、髪の健康に影響を及ぼします。
正しい知識と適切なケア、そして必要であれば医療の力を借りることで症状を改善し、自信を取り戻しましょう。
「まだ大丈夫」ではなく、「今こそ見直すチャンス」。
あなたの未来の髪のために、今日からできることを始めてみませんか?
監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。
同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。