熱に応じて髪色変化!ロンドン発のヘアカラー「ファイヤー」とは何か

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イギリス、ロンドン発の「Fire」というヘアカラーをご存知でしょうか。
なんと周囲の温度や湿度、紫外線などの変化に応じて髪色が変化するヘアカラーです。
おしゃれの一つとして多くの人が楽しむヘアカラー。髪へのダメージをわかっていても綺麗さを保つためには頻度も多くなってしまいますよね。
まるでカメレオンのように変化ができる不思議なヘアカラーについてご紹介したいと思います。

ヘアカラーが与える髪へのダメージ

ヘアカラーは肌を綺麗に見せる色や個性を表す色、清潔に見える色など多くのカラーがあり季節や流行に合わせてチェンジする人が多い一方で髪へのダメージはとても大きいです。

「ヘアカラー」の仕組みについて

ヘアカラーには1剤と2剤があります。 1剤には酸化染料とアルカリ剤が入っており、アルカリ剤が髪の毛を膨張させ表面にあるキューティクルを開き内部に薬剤が浸透しやすい状態を作ります。 2剤には酸化剤が含まれており、この2つを混ぜた混合液が髪の内部に浸透していきます。
発色した染料は分子が互いに結びついて大きくなり、キューティクルの隙間から出られなくなることで、髪の色が定着します。

「ヘアカラー」が与える影響

本来であれば髪の表面を保護し、艶やなめらかさを守るキューティクルを強制的に開けてしまうため、どうしても髪の毛にダメージを与えてしまいます。
皮膚が敏感な人や、頭皮に傷などある場合、ヘアカラーの成分の影響で皮膚刺激となり、炎症を起こすことがあります。 体質や皮膚の状態によっては染料がかぶれの原因になるため、使用前には必ずパッチテストをしましょう。
毛根にダメージを与え続けることになるので、髪の生まれ変わるサイクルにも影響を与えてしまいます。 抜け毛や薄毛といった症状にも繋がりやすくなるので注意が必要です。
しかし、ヘアカラーをしているとどうしても根元が伸びてしまったり、色が落ちてきてしまうため綺麗に保つためにはヘアカラーの頻度が高くなってしまいます。
ダメージを考えると頻繁なヘアカラーは避けたいものの、カラーチェンジをしたい…と思っている人も多いと思います。 ロンドンでは気温によって色が変わる「Fire」というカラー剤が発明されました。
まるでカメレオンのように変化ができる画期的なヘアカラーで、通常のカラー剤よりもダメージが少ないという噂もあります。

不思議なヘアカラー「ファイヤー」とは

ロンドンのローレン・ボウカーさんは、気温によって色が変わるカラーリング剤を発明しました。
その技術には「Fire」という名前がつけられ、彼女が手がける「The Unseen」とモデルエージェンシーの「ストームモデルズ」がコラボし、ロンドンファッションウィークでお披露目されました。

「The Unseen」やボウカーさんとは一体?

イギリス人デザイナーのローレン・ボウカーさんは設計者であり、発明者、ディレクター、講演者と幅広く活躍し材料科学とデザインを専門としています。
ローレン・ボウカーさんが手がける「The Unseen」は、科学とデザイン、アート、デザイン、パフォーマンスを融合させた「リアクティブファッション」を生み出しています。 The Unseenは科学者やエンジニア、デザイナーなどで構成されており、ロンドンファッションウィークのBFCスペースでビデオが公開され、今回のFIREは世界への最初の進出を示しています。
特許取得済みの色変更技術は、科学とデータに焦点を当て、周囲の温度や湿度、紫外線で色が変化する特注のインク、化合物を作成しています。 ファッション界では、ボウカーさんは「錬金術師」として知られています。

「Fire」の仕組みについて

Fireには炭素ベースの分子を使用しています。
特定の温度を超えると、一方の分子がもう一方の分子よりも安定することで反応が起こります。光や温度の吸収によって異なる色に変化するのです。
周囲の気温が温かくなるとオレンジがかった黒から濃い赤に変化します。そして氷のように白い金髪から温度が下がると青に変わります。

髪の毛のダメージを抑えるためには

魔法のようなヘアカラー「Fire」ですが、残念ながらまだ一般販売は実現していません。
今後ダメージを抑えたさまざまなヘアカラーがでてくると思いますが、ヘアカラーを楽しみつつ、ダメージを最小限に抑えるためにもは日頃のセルフケアがとても大切です。

毎日のシャンプーでのケア

清潔で綺麗な髪を保つためにも欠かせないシャンプーですが、洗い方を間違えてしまうと髪を傷付けてしまう原因にもなります。
髪の表面を覆って艶を出すキューティクルは、髪が濡れると開き、乾くと締まる性質です。 シャンプーのときはキューティクルが開いた状態なので、強くこすって洗ってしまうとキューティクルは傷付き、艶が失われ、パサパサした髪の原因となります。
シャンプーをする際は、手の平でシャンプーを泡立て、地肌をマッサージするように洗い、髪の毛は泡でなでるように優しく洗いましょう。

お風呂後の自然乾燥

濡れてキューティクルが開いた状態の髪の毛を放置すると、髪に大切な潤いやたんぱく質が失われてしまいます。 自然乾燥は髪の毛を傷つける大きな原因になってしまうので、お風呂から出たらすぐに髪を乾かしましょう。
また髪に水分が残っていると雑菌が繁殖し、かゆみやにおいも発生しやすくなってしまいます。
しかし髪のキューティクルは熱に弱く、ドライヤーやヘアアイロンなど熱を当てることでもダメージを受けてしまいます。 なるべく短時間で済ませ、1ヵ所に熱を当て続けないようにしましょう。
ヘアアイロンやコテは高温すぎるとすぐに傷んでしまうため、温度にも注意が必要です。

紫外線と静電気も髪へのダメージ

夏の紫外線と冬の静電気、この2つも髪の毛へのダメージはとても大きいのです。
夏、紫外線を浴びると毛髪の中で酸化が起き、ダメージを受けてしまいます。 髪の色素も酸化によって分解され、髪の赤色化を招いてしまいます。
髪の内側はメラニンがあり、紫外線をある程度は吸収することができますが、表面のキューティクルにはメラニンが存在しません。 そのため内側に比べて髪の毛表面は紫外線の影響を受けやすくなります。
またサーフィンや水泳を楽しむ人の髪の色が明るいと思った人も多いと思います。それは海水の高濃度の塩分やプールの塩素によって脱色されてしまうのが原因です。 予防するためには海水や塩素をすぐに洗い流し、しっかりトリートメントをすることでダメージを軽減することができます。
静電気が起きるとキューティクルが剥がれやすくなり、ダメージヘアが進んでしまいます。 髪の毛内部のタンパク質や水分が流出してしまうため、パサつきがひどくなり髪がまとまらない原因にも繋がってしまいます。
頭皮近くより毛先の方が水分は少ないため、静電気が起きやすく毛先がこすれ、絡んだりします。 切れ毛や枝毛に繋がり、さらなる髪のダメージに繋がります。 オイルが配合されたスタイリング剤などを使用し、髪の毛を保湿することで静電気の予防に繋がります。

まとめ

おしゃれを楽しむためのヘアカラー。 髪へのダメージを与えていると分かっていながらも綺麗に保つためには頻度が高くなりますよね。
ロンドンで開発された「Fire」は気温で色が変わる魔法のようなヘアカラーとして注目が集まっています。 まだ販売はされていませんが、近い未来、綺麗な髪を保ちつつさまざまなヘアカラーを楽しめる日が来るかもしれません。
大切な髪の毛を守るために日常のケアをしっかりとし、綺麗で美しい髪の毛をキープしたいですね。