髪の毛にご利益がある神社?東京都北区の関神社を参拝してみた

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東京都北区王子にある関神社をご存知ですか?
東京十社の一つである王子神社の末社で、髪の毛にご利益のある珍しい神社なのだとか。 一体髪の毛にどのようなご利益があるのか気になりますよね。
今回は関神社の髪の毛にまつわる話を詳しくご紹介します。
また、実際に訪ねて参拝してきたので、王子神社や関神社までのアクセス方法、またその周辺についても触れています。 髪の毛に関する悩みをお持ちの方は、ぜひ関神社を参拝してみてください。

関神社とはどういう神社?

東京都北区の王子神社のなかにある、全国でも数少ない「髪の祖神」が祀られている神社です。
その御祭神の名は百人一首でも有名な蝉丸法師。
髪の毛が逆立っていたことから「逆髪姫」と呼ばれ嘆き苦しんでいた姉のために、かもじ・かつらを作り、髪の毛を美しく見せるアイテムを発案した人物として知られており、その話は能の演目『蝉丸』としても有名です。
現在ではウィッグという名でも親しまれるかつらですが、今も昔も、美容として髪の毛に対する意識が強かったことが分かりますね。
日頃のケアを怠ってはいけませんが、神頼みしてでも末長く髪の毛を綺麗に維持したいものです。
では早速、そのご利益を授かりに関神社(王子神社)に行ってみましょう!

関神社(王子神社)へのアクセス方法は?

今回は東京メトロ南北線王子駅から出発します。駅構内の地図によると3番出口から出るのが近いそうです。
その他、JR京浜東北線王子駅、都電荒川線王子駅前・飛鳥山駅からでもアクセスが可能です。
駅構内から地上に出ると、すぐ近くに「王子カルチャーロードギャラリー」と書かれたトンネルがあります。ここを真っ直ぐ進んでいきましょう。
トンネルを抜けるとすぐに、自然豊かな音無親水公園という場所に辿り着きます。
音無親水公園から王子神社に向かっている道中にJR王子駅がありました。
南北線からでもJR線からでも距離に大差はありませんが、JR線の方が若干近いみたいですね。
音無親水公園には、運動をしている人や犬の散歩をしている人など、早朝にも関わらず人が数人いました。
自然が多く、いるだけで落ち着く空間です。
歩いていると「祝七五三詣り」ののぼりに挟まれた門が見えてきました。
ここをくぐっていくと王子神社に到着のようです。
階段を20段ほど登っていきます。山道のように見えますが、とても歩きやすい階段でした。
階段をのぼり終えたら王子神社に到着です!
この行き方だと裏に到着してしまうようですが、5分もかからずに到着できました。
では、境内を散策していきましょう。

王子神社を散策

王子神社の正面には、このように大きく「王子神社」と書かれた門柱があり、上には「元准勅祭」と書かれています。
王子神社は東京十社に数えられる神社のうちの一つで、昔、天皇が京都から東京へと移った頃に、「勅祭社」と呼ばれる国家鎮護のために勅使が遣わされる神社でもありました。
その後「勅祭社」に准ずる神社として、明治天皇が該当する神社を「准勅祭社」と定めましたが、現在、その制度が廃止となったため元がついた「元准勅祭」となったのです。
つまり、王子神社は明治天皇が定めた東京を代表する神社ということになります。
そのため、東京十社巡りで訪れる人も多いスポットで、大きく立派な鳥居が構えているのですね。
ちなみに王子神社は別名「王子権現」と呼ばれることもあります。
王子神社の御祭神は、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)・天照大御神(あまてらすおおみかみ)・速玉之男命(はやたまのおのみこと)・事解之男命(ことさかのおのみこと)が祀られています。
境内に入ってすぐ、王子神社に関する資料が展示されています。この資料によると、王子神社は「王子」という地名の由来にもなったそうです。
『若一王子縁起』絵巻と北区無形文化財の王子田楽に関する資料もあります。
田楽は、毎年8月の例祭で奉納される踊りのことで、田楽舞としても親しまれています。機会のある方は、夏に訪れるのも良さそうですね。
王子神社の拝殿がこちら。
「開運除災」「子育大願」の神社として、初宮や七五三などに参拝する方が多いようです。他にも、家内安全や身体健全、交通安全にもご利益があるとされています。
拝殿近くには狛犬も。私が訪れたのは早朝でしたが、参拝客も3〜4人ほどいて、静かながら地元の方から愛されている神社だと感じました。

髪の毛にゆかりのある関神社はこちら

では、メインの関神社をご紹介します。
王子神社の駐車場付近に小さく佇んでいるのが、髪の毛にご利益があるとされている王子神社の末社・関神社です。
関神社は戦災により一度焼失しましたが、かつら屋や床山、舞踊・演劇関係など、髪の毛に携わる多くの業者により昭和34年に再建されました。
入り口には旧字体で「関神社」と書かれています。
冒頭でも述べた通り、ここにはかもじ・かつらを発案し、「これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂(あふさか)の関」の百人一首で有名な蝉丸法師が祀られています。
髪の毛にご利益のある神社なので、かつら屋や床山(力士のまげや、役者や人形のかつらを結う職人)など、髪の毛にまつわる職業を営むお店の名前がずらりと並んでいます。
髪の毛に関する職業の報恩・供養や薄毛に対するご利益のほか、武芸上達のご利益もあるそうです。理髪業者以外に芸能関係者の祈願にも効果があるみたいですよ。
たくさんの理髪業者の名前が並んでいることが伝わるでしょうか。それだけ信仰が厚く、参拝しがいのある神社であることが分かりますね。
拝殿は小さめですが、しっかりとお参りさせていただきました。
せっかくなので、髪の毛に関する悩みを伝えてみました。何かご利益があることを祈ります!
拝殿のすぐ隣には、立派な毛塚塔が建てられています。
こちらも、毛髪報恩のために理髪関係業者が建立したものです。
裏側には、毛塚建設委員の名簿が記載されています。多くの人が建設に携わったことが伺えますね。
映画内でかつらを使用することもあり、松竹株式会社や東映株式会社など有名な映画制作・配給会社の名前も見受けられます。
かつらの幅広い汎用性を実感しますね。

近くの音無親水公園を散策するのもおすすめ

王子神社・関神社を参拝した後は、近くの音無親水公園を散策するのもおすすめです。
国営昭和記念公園や上野公園に並ぶ日本の都市公園100選に選出されている公園で、江戸時代から親しまれている石神井川が流れています。
春には桜が、秋には紅葉が園内を彩り、夏には水遊びスポットとして子連れの方が多く来園されます。
静かな空気が流れる空間は、まさに都会のオアシス。
他にも、近くには明治6年に日本最初の公園として指定された飛鳥山公園があります。
飛鳥山公園には重要文化財である渋沢栄一の旧邸の遺構が残されているので、歴史好きの方も楽しめるはずですよ。
どれも駅からのアクセスが良いので、関神社(王子神社)で参拝をした後は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

まとめ

髪の毛にご利益があるという珍しい神社・関神社を参拝しました。
東京十社の王子神社の末社としてひっそり佇んでいましたが、かつら屋や床山、映画会社など連なる業者名を見て、髪の毛にまつわる多くの業者から厚い信仰を受けていることが分かりました。
将来の薄毛やダメージなど、髪の毛の悩みは尽きません。
日頃からしっかりケアを行うことが大切ですが、神頼みも効果があるかもしれませんよ。
髪の毛に関わる仕事をしている方や髪の毛に対する悩み・不安を抱えている方は、ぜひ一度参拝してみてくださいね。