【監修あり】ポイントは頭髪密度!髪の毛スカスカの悩みに効果的な対策

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髪の毛がスカスカの状態とお悩みの方。
髪の毛がスカスカになる要因には「髪の毛の成長が促されていない」「髪のダメージが蓄積していること」などがあげられます。
この記事では、髪の毛の健やかな成長を促し、ダメージケアをしながらお悩みに効果的な方法を紹介します。

髪の毛がスカスカになる原因は主に2つ

一般的に髪の毛がスカスカになっている状態で原因として考えられるのは大きく2つの要素です。
①髪が健やかに生育できていない
②髪が太く・長く成長できない
これらの2つの原因を知り、対策を取り入れ「髪がスカスカな状態」からの脱出を目指します。

①薄毛の進行予備軍?「髪が太く長く成長できない」

薄毛が進行しつつあるときには、髪の毛が少なくスカスカな状態になっています。
原因として、脱毛症状が進んでいるので、髪の毛が細く短くなり、抜け毛が増えて、「ボリュームがさみしい=髪がスカスカ」な見た目になっているのです。
いずれにしても放っておけば、これからますます薄毛の症状は進行していくと考えられます。
多くの場合、髪の毛がスカスカだと感じるのは、前髪のあたりから薄毛の進行を感じられるときに実感することが多いようです。 しかし、頭頂部から薄毛の進行がしている場合もあるので自身で四方から確認をすることが大切です。

②髪のダメージが深刻!枝毛・切れ毛が増えて「髪が健やかに成長できない」

髪の毛のダメージが蓄積し、髪の毛のタンパク質「ケラチン」が貧弱になってしまうと「切れ毛」や「枝毛」などのダメージが目立ってきます。
さらに、髪の毛を覆っているキューティクルがはがれてしまうと物理的に髪は「パサパサ・スカスカ」になり 髪の毛にうねりや切れ毛が生じます。
髪のダメージが深刻で、髪の内部密度が低下していると髪の毛がスカスカしてボリュームダウンしてしまう要因になるのです。

薄毛の進行を止める要素

薄毛が進んでいる状態というのは、髪が生えるメカニズムの中でしっかりと太く長く成長するための「成長期」の毛が伸びきらないことが原因の1つです。
通常、髪の毛が太くしっかりと生えるには以下のようなサイクルがあります。
成長期: 髪の毛を作り出す毛母細胞が細胞分裂し、2年〜6年かけて新しい毛を作る。
軟毛から徐々に太くしっかりした毛になるのは毛母細胞の働きによるもの。
退行期: 毛母細胞の分裂が弱くなり髪の毛の成長が徐々にとまる。
この期間は2週間〜3週間程度。
休止期: 休止期の期間は3〜4か月。毛母細胞の分裂が完全にとまる。
毛根が細く浅くなるので、抜け落ちやすくなる。
髪の毛自体の本数が減る場合、この毛周期のうち「成長期」が短くなっているのが要因です。
成長期が短くなってしまう理由は、以下のような原因が考えられます。

男性ホルモンの影響により毛の成長が促されない

男性であれば男性ホルモンの影響を強く受ける場合があります。 成長期後、男性ホルモンの分泌が盛んになることで、薄毛の進行が進むケースも。
男性ホルモンが毛を生やす細胞の中の受容体と結びつき、髪の毛の生育が促されなくなることで薄毛が進行します。
男性ホルモンが髪の成長サイクルを狂わせてしまうのです。

ストレスや生活習慣により髪の成長が滞り抜け毛が増える

ストレスや生活習慣が原因で、髪の毛の成長が促されず抜け毛が増えてしまうのも髪がスカスカになる要因です。
ここではとくに髪の成長が滞ってしまう要因について紹介します。

1.ストレス

ストレスがあると交感神経が優位になり、髪の成長につながる栄養素が運搬されずに成長が滞ります。
交感神経が優位な状態は毛細血管を収縮させるので、体の末端にある髪の栄養血管が収縮してしまい栄養素の運搬効率が悪くなってしまうのです。

2.食習慣

髪の毛が健やかに成長するには、必要な栄養素をきちんと摂取することも大切です。
髪に大切な栄養素としてあげられるのは「タンパク質・ビタミンC・ビタミンB群・亜鉛」です。 食習慣が乱れている人は髪の毛の成長に必要な栄養素の摂取が不足していて、髪の健やかな成長につなげられていない可能性があります。

3.生活習慣

「仕事が忙しい」「プライベートの時間が充実している」などの理由で生活習慣が乱れている人も要注意。 とくに睡眠不足は髪の成長のためには大敵です。
睡眠中は髪の成長に必要なホルモンがたくさん分泌されています。
しっかりとした睡眠時間が確保できていなかったり、深い睡眠が得られずに疲労が蓄積していると薄毛が進行してしまい、「髪の毛スカスカ」な状態に結びついている可能性があります。

薄毛の進行に歯止めをかける「髪の毛スカスカ」のお悩みを改善に導く方法

髪が健やかに成長できないのには理由があるのがわかりました。
髪がきちんと成長できなければ、結果として”細く短い髪の毛が増えて頭髪密度が低下し、髪がスカスカな状態”になってしまいます。 髪の健やかな成長を促すために、自分自身の生活環境を見直してみましょう。
また、男性ホルモンの影響で薄毛が進行しているならば医学的な介入が必要な場合もあります。

男性ホルモンの影響には医学的介入が必要なケースも

抜け毛が進行していれば「テストステロン」という男性ホルモンの影響を受けている場合もあります。 テストステロンが薄毛の進行に一役買っている理由は「髪の毛を伸ばそうとする細胞の受容体に結びついてしまう」から。
ホルモンの影響を受けている場合には、この働きを阻害する「プロペシア🄬(MSD社)」という内服薬が有効です。
最近では内科などでも処方しているケースもあるので、気になる場合は近隣のクリニックを検索して、病院受診を検討するのもよいでしょう。

ストレスの軽減を図る

社会生活の多様化にともない、誰しも少なからず感じているのがストレス。
ストレスは髪の栄養素の運搬を滞らせるだけではなく、睡眠を浅くして髪の成長を促すホルモンの分泌にも影響を与えます。
感じているストレスをゼロにするのは難しいかもしれませんが、自分なりに趣味や気分転換、リフレッシュの方法を見つけて少しずつでもストレスの影響を軽減できるように意識することが大切。
ゆっくりと自分の時間を設けてみたり、スポーツなどで発散してみるのもよいでしょう。

食事のバランスを見直す

髪の毛にいいとされる栄養素は「タンパク質・ビタミンC・ビタミンB群・亜鉛」。野菜を中心としてビタミンを取りましょう。
亜鉛といえば「牡蠣」ですが、日頃から手軽に取るのは難しいはず。 牛もも肉やレバーなどからは亜鉛もタンパク質もあわせて摂取できます。
豆腐や納豆などの大豆製品であれば、余分な脂質のない良質なタンパク質を手軽に補えます。
日常生活の中で手軽に摂取できる食材を見つけて、積極的に髪の毛にいい栄養素を取り入れていきましょう。

生活習慣を見直す

髪の健やかな成長には生育を促すホルモンの分泌が必須です。 そのためには良質な睡眠が重要なのですが、生活習慣が乱れていると睡眠の質は低下します。
睡眠時間の確保だけでなく熟睡できることが大切。
朝に起きてしっかり朝日を浴びて、夜は決まった時間にしっかりと眠れるかどうかがホルモンの分泌には重要です。 熟睡するためにはある程度の疲労感も必要。
休みだからといってダラダラと昼まで布団の中にいるような生活では、結果として生活習慣が乱れ髪の毛の健やかな成長が期待できません。
朝起きて夜しっかりと熟睡することを意識し、正しい生活習慣を送るようにしたいですね。

髪の毛のダメージを軽減!普段のヘアケアを見直す

1度髪の毛のダメージが生じてしまえば、リカバリーすることはありません。
髪が長い方であれば、ダメージを受けた部分を少しずつカットしましょう。 短い場合も、これから健康な髪を伸ばしつつ、ダメージを受けた部位を少しずつカットして伸ばしていくのが理想。
そのためには普段のヘアケアを見直し、ダメージの軽減を目指しましょう。
普段のヘアケアが髪の毛にダメージを与えているならば、シャンプーの仕方やアウトバスケアを見直す必要があるかもしれません。

正しいシャンプー

シャンプーも方法が間違っていれば髪の毛へのダメージになります。 髪への負担を考えると、実はシャンプー前の下準備は非常に大切なのです。
紹介する方法を実践して、毎日の負担を軽減させましょう。
①お風呂に入る前のブラッシング
髪の毛が濡れる前に髪をとかして、髪の毛についたホコリやゴミを落とします。 髪をとくことで予洗いのお湯が浸透しやすくなり、頭皮をしっかりと濡らすことができます。
②シャンプー前の予洗い
シャワーで1分程度髪と頭皮全体を流すことを意識しましょう。 シャワーのあてる位置を変えながら髪の後ろ側と額側をしっかりと濡らします。
③シャンプーは地肌をしっかりと洗う
髪の毛をゴシゴシとこするのも髪に対する負担を増加させます。シャンプーは頭皮をやさしく洗うだけでOK。
髪の毛をゴシゴシとこする必要はありません。
髪の毛が長い人は、シャンプーの泡で包み込むようにやさしくパックした後にシャンプーを流しましょう。

トリートメントを取り入れる

シャンプーをした後、すぐにリンスしてしまう人もいるかもしれません。
リンスは髪の毛の表面を覆う膜のような役割を果たします。できればその前にトリートメントをしての栄養補給を。
トリートメントで髪の毛のダメージケアを目指しましょう。 シャンプー後のトリートメントは髪の毛の汚れがなく、水分をしっかりと含んだ状態なのでトリートメントの最適なタイミングです。

アウトバストリートメントを使ってドライヤーのダメージから髪の毛を守る

髪の毛を洗った後、自然乾燥で終わっている人はいませんか?
自然乾燥は髪の毛どうしで摩擦が起きるので、ダメージの原因になってしまいます。 そうなるとキューティクルがはがれパサつきや切れ毛、枝毛により髪の毛がスカスカになってしまう要因に。
お風呂の後はしっかりと髪の毛を乾かすことが大切です。
しかし、ドライヤーの熱も髪の毛にダメージを与える要因です。 髪の毛へのダメージを考えるなら、ドライヤーの前に洗い流さないアウトバストリートメントやヘアオイルでドライヤーの熱から髪の毛を守りましょう。
オーバードライに気をつけながらしっかりとドライヤーで髪の毛を乾かすことを意識して。 ドライヤーは髪の上側斜め45°の角度であてると、キューティクルへの負担が少なくなります。

まとめ

改めてまとめると髪の毛がスカスカになってしまう原因は、
①髪そのものの成長が滞っている場合
②髪の健やかな成長が促されない場合
の2つです。
どちらも思い当たるなら、スカスカな状態がさらに進行してしまう可能性も。 髪の毛のダメージケアは気づいたその日から始めることで、少しでも早くリカバリーを目指すことができます。
「もしかしてスカスカになってきた?」と気になっていて、今回紹介した要因が思い当たるならすぐにでも対策を取りましょう。
悩んでいるだけではスカスカな髪の毛は改善しません。 行動することが今の状態を改善する第一歩になります。
少しでも早くダメージに立ち向かい、理想の髪の毛をを手に入れましょう。


監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。 同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。