薄毛治療はどこに相談すればいい?皮膚科とAGAクリニックの違いについて

〈 約 9分48秒 で読めます 〉

薄毛に悩んでいる方の中には、薄毛治療をどこに相談すれば良いのか迷っている方もいるでしょう。 というのも、頭皮トラブルは往々にして皮膚トラブルも併発している場合があるためです。
皮膚炎や頭皮湿疹などが起こっているのか、単なる頭皮環境の悪化が原因なのか、症状や状態によって相談すべき医療機関は異なってきます。
今回は、薄毛治療における皮膚科とAGAクリニックの違いや、皮膚科に行くべき症状とAGAクリニックに行くべき症状などについてご紹介します。

薄毛・抜け毛の症状はさまざま

薄毛・抜け毛の症状や原因にはさまざまな種類があります。現在悩んでいる自分の症状がどれに当てはまるのか、以下を参考にしてみてください。

皮膚科に行くべき症状

皮膚科に行くべき症状
薄毛に伴い頭皮が炎症を起こしている、かぶれている、ニキビができているなど明らかに頭皮に異常が見られる場合や、フケがおさまらないなどの症状があれば一度皮膚科に行くべきでしょう。 頭皮の異常を治療すれば、自然と薄毛の症状が改善することもあります。
また、円形脱毛症などのように急激に抜け毛が起こっている場合も皮膚科が良いとされています。

AGA専門医に行くべき症状

AGA専門医に行くべき症状
明らかな頭皮の異常もなく、円形脱毛症のように突発的に起こった薄毛ではない場合は、AGA専門医にかかることをおすすめします。
AGAは頭頂部や生え際などから徐々に進行してくるのが特徴です。 進行していることに気づきにくく、知らないうちにある程度まで薄毛が進んでいることもあります。 頭頂部などの生え際部分に症状が出ていると判断がつかない場合もありますので、まず医療機関を受診しましょう。
このようにAGAの症状が見られる場合は、育毛・発毛に焦点を当てたケアが必要です。 AGAクリニックでは育毛・発毛を促進するための薬や治療方法が充実しているため、AGAの症状だと考えられるときは専門クリニックに行きましょう。

皮膚科とAGAクリニックの違い

皮膚科とAGAクリニックの違い
皮膚科はその名の通り、皮膚の疾患に関する治療を行うところであり、基本的に薄毛・抜け毛治療の専門医ではありません。
ただし皮膚科でも薄毛の相談は可能ですし、プロペシアなどの薬は処方してもらえます。 その他、かゆみやフケなどの症状に関しては治療してもらえますが、育毛・発毛に関しては専門的なケアができないというのが現状です。
一方、AGAクリニックでは患者の育毛と発毛を目的としているため、治療の主軸が薄毛治療に置かれています。 また、カウンセリングや専門的な検査によって薄毛の原因を突き止めるため、一人一人に合わせた適切な薄毛治療を行うことが可能です。
専門クリニックをしばらく受診した後で、薬のみを医療機関などでもらうという方法もあるので、医療機関担当者とよく相談してみてください。

AGA治療の治療内容とは?

AGA治療の治療内容とは?
AGA治療では具体的にどのようなことを行うのか見ていきましょう。

AGA治療に保険は利くのか?費用は?

保険は適用外

AGA治療では基本的に保険がききません。 保険が適用される治療内容は厚生労働省によって定められているのですが、今のところAGA治療は美容整形と同じカテゴリーに分類され保険適用外となっています。
ただ、AGAが精神疾患によって起こった場合や、他の病気の影響を受けて起こった場合には、医療費控除が受けられる可能性もあります。 しかし、控除を受けるにはAGAとその他の病気に因果関係が認められる必要があるので注意が必要です。

AGA治療の費用

AGA治療は薬による治療と、施術による治療の2種類に分かれます。
プロペシアという治療薬の場合、月7,000円~1万円ほどが相場ですが、ジェネリック薬品にすれば2,000円ほどに抑えられる場合もあります。 ただ、ジェネリック薬品にする場合は成分量などをよく確認することが重要です。
一方、発毛を促進するための成長因子を頭皮に注射する施術の場合、注射1本3~4万円が相場です。 その他にも植毛という方法もありますが、1,000本の植毛を行うのにかかる費用は30万円~100万円という金額が一般的です。
専門クリニックではクレジットの契約などで高額な費用がかかるケースもあるので、契約条件は入念に確認しましょう。

AGA治療の流れ

病院やクリニックによって細かい流れは異なりますが、基本的にはカウンセリングが最初のステップです。
カウンセリングを通して、現在の生活習慣や薄毛の現状、悩みや治療の方向性などを共有し、今後の治療をスムーズに進めていけるようにします。 このとき、希望する治療期間や費用などがあれば相談することができるので、気になることは遠慮せずに伝えましょう。
AGAクリニックなど専門の医療機関では、髪の栄養状態の検査や遺伝検査も受けられます。その後の治療方針にも関わってくるため、気になる場合は検討しても良いでしょう。 カウンセリングが終われば、希望する治療方法、期間、費用に従って治療が始まります。
契約は長期間で高額になるケースが多いので事前に下調べをしたり、勢いで決断をしないように注意しましょう。

女性の薄毛専門の医療機関もある?

女性の薄毛専門の医療機関もある?
薄毛に悩んでいるのは男性ばかりではありません。 しかし、女性も男性同様、人目が気になるなどの理由で足を運びにくいと感じる方もいるでしょう。
そのため最近では女性の薄毛専門のクリニックもあります。 初めにカウンセリングを受け症状や治療方法などの相談ができる点は他の医療機関と同じです。
ただし、女性の方でも来院しやすいように、他の患者と顔を合わせないで済むように時間調整がされていたり、インターネットで予約ができたりとできるだけ人目に触れないように治療を進めることができるようにさまざまな配慮がされているのが嬉しいところでしょう。
また、女性の薄毛は男性とは異なるアプローチをすることもあります。 女性の薄毛専門の医療機関では、一般的な治療の他にもヘッドスパや育毛メソセラピーなどを組み合わせて行うなど、女性に適した方法で治療を行うのです。 ヘッドスパには、普段のシャンプーで落としきれない汚れをきれいにすると同時に、頭皮に刺激を与えて血行を良くする効果が期待できます。
もちろん、内服薬を使って頭皮環境を内側から改善するアプローチもしますし、外用薬で外側から薄毛を直接抑える治療もします。 薄毛に対して総合的なケアを行えるうえ、人目を気にせずに通院できることが女性の薄毛専門のクリニックのメリットといえそうです。

薄毛治療を受ける際の費用は?

皮膚科に行くのかAGAクリニックに行くのか、また治療法をどうするのかなどで細かい費用は異なってきます。

男性と女性、頭皮ケアの違い

男性と女性では頭皮の状態が異なるため、適切な頭皮ケアにも違いが見られます。
皮膚科の場合、1回の治療で9,000円~1万5,000円が相場だとされていて、月1回のペースで半年ほど通うことが一般的です。つまり、皮膚科に通った場合、おおよそ5万4,000円~9万円が費用の目安になります。
AGAクリニックの場合は、投薬治療か施術かを選択することになりますが、多くのケースでは投薬治療を勧められます。
プロペシアの場合、上述した月7,000円~1万円の薬代に加えて診察代を含め、1万~1万5,000円ほどが月々の目安になるでしょう。 ただし、診察代は初回無料の場合もありますし、クリニックによっては投薬治療でもさらに費用が必要なところもあるため、実際には1万円~3万円と考えられます。
また、AGAの治療に関しては即効性が期待できるものではなく、最低でも半年、基本的には1年ほどの治療期間が必要です。 そのため、皮膚科の場合と同じく半年の治療を想定すると、月6万円~18万円が治療費の相場といえます。
このように薄毛治療にかかる費用を比較した場合、皮膚科の方がリーズナブルといえますが、それぞれに治療できる専門分野が異なっているため、自分の症状に合わせた医療機関を選びましょう。
プロペシアやミノキシジルを個人輸入するという方法もありますが、医療機関での血液検査などを実施しないと自分の身体の変化もわからず大変危険ですので、必ずAGAクリニックや医療機関の指示を仰いでください。

おわりに

薄毛に悩んでいる方で、自分の症状がどのような状態に当てはまるのか分からないという方は、皮膚科やAGAクリニックなどの医療機関を一度受診することをおすすめします。
適切なケアができる範囲がそれぞれ異なるため、まずはご自身の症状と向き合い、把握することから始めてみましょう。