【監修あり】頭皮が赤い原因は血行不良?炎症のリスクや改善方法

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「頭皮が赤くて気になる…」実はその症状、黄信号です!
この記事では、頭皮が赤くなる主な原因から対策を解説。
症状により治療が必要なケースもあるので「頭皮が赤い」とお悩みの方は、症状が進行する前にぜひ参考にしてみてください。 必要な情報が網羅されています。

頭皮の赤みの原因とは?

通常、健康な頭皮は白っぽい色をしています。 赤みがかっている頭皮は、何らかの要因でトラブルが生じていると考えられます。
ここからは、頭皮が「赤い」原因について解説します。

血行不良が赤みの原因になることがある

血行不良が原因で赤みが生じている場合、頭皮に必要な栄養素や酸素が不足し、皮膚細胞が正常に機能しなくなっている可能性があります。
頭皮には多くの毛細血管が通っており、栄養素や酸素を運ぶ役割を担っていますが、ストレスや運動不足、加齢、生活習慣の乱れなどによって、毛細血管が収縮します。 毛細血管が収縮し血流が悪化すると、頭皮の細胞に十分な栄養素や酸素が供給されなくなります。 結果として、頭皮細胞がダメージを受け、赤みや炎症につながります。
また、頭皮の血行不良が慢性化すると、毛髪の成長にも悪影響を与える可能性も生じます。
頭皮の栄養や酸素不足になると毛母細胞が活性化されず、毛髪の成長が遅れたり、細くなったりすることがあり、薄毛や抜け毛の要因になるケースもあるのです。

炎症や湿疹が原因で赤くなることがある

炎症や湿疹が原因で頭皮の赤みが生じることもあります。頭皮に炎症が起こると、赤く腫れたり痛みやかゆみを伴うことも。 炎症は、頭皮の皮脂の過剰分泌や過度な摩擦、紫外線の影響、ストレスなどが原因です。
また、湿疹が原因で頭皮の赤みが生じる場合、水疱やかゆみが生じることも。 湿疹は、アレルギーやストレス、紫外線の影響、外部刺激、乾燥によって引き起こされることもあります。

皮脂や汗、シャンプーなどが頭皮に刺激を与えて赤くなることがある

頭皮の赤みは、皮脂や汗、シャンプーなどが頭皮に過剰な刺激を与えて生じるケースもあります。 頭皮は常に皮脂や汗、垢、ダニなどが付着しており、これらが異常に増加すると頭皮環境が乱れ、炎症の一因になるといわれています。
また、シャンプーの成分が頭皮に合わなかったり、シャンプー洗い流しが不十分だと頭皮に負担がかかり、炎症を引き起こすこともあるのです。
特に、頭皮が敏感な人や乾燥肌の人は、皮脂の分泌が少ないため頭皮が乾燥している状態が続き、刺激に対して過敏になっています。 また、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患をもっている人も、頭皮の赤みが起こりやすくなることがあります。

かゆみ、斑点、できものなどの症状が伴う場合もある

頭皮の赤みが生じている場合、薄毛やかゆみ、斑点、できものなどの症状が現れる場合があります。 ほとんどの場合、これらの症状は頭皮の赤みが生じた後に出現し、悪化している兆候であると考えられます。
さらに進行すると、頭皮の炎症や湿疹によって毛根が傷ついたり、毛根に栄養が行き届かなくなったりすることが原因で薄毛や抜け毛につながることも。
かゆみや斑点、できものなどは、頭皮の炎症や感染によって引き起こされることが多く、適切な治療が必要です。 頭皮の赤みとこれらの症状がある場合には、専門医による診断と治療を受けることが重要です。

頭皮トラブルを予防し頭皮の赤みを改善するための対策

頭皮の清潔を保ち、血行を促すことで頭皮トラブルの改善につなげられます。

血行を促すマッサージや頭皮ケアを行う

血行不良が頭皮の赤みの原因である場合、改善するためには、適度な運動やマッサージ、血流を良くする栄養の摂取、ストレスの軽減などが効果的とされています。 また、専用の頭皮用シャンプーやトリートメントなど、血行促進につながる成分が配合されているものもあります。

適切なシャンプーの選択や洗髪方法で対策する

頭皮の赤みが、皮膚炎や湿疹などの病気ではなく、シャンプーの刺激や摩擦によるものである場合、適切なシャンプーの選択や洗髪方法を見直してみましょう。
シャンプーの選択については、頭皮に優しい「アミノ酸系シャンプー」がおすすめです。 アミノ酸系シャンプーとは、天然由来のアミノ酸を主成分としているシャンプーのことです。
アミノ酸は、人間の皮膚や髪の毛の主成分の一つであり、天然由来の成分であるため、肌や髪に刺激を与えず、乾燥しづらいです。 また、弱酸性のため、皮膚の保湿効果を高め、健康的な状態を保つことができます。
選択に悩む場合には、敏感肌用や赤ちゃん用のシャンプーを選ぶのも良いでしょう。

適切な洗髪をして適度な頻度を保つ

頭皮を清潔に保つためには、適切なシャンプーの使用も重要です。
シャンプーは、頭皮の汚れを落とすだけでなく、頭皮の血行を促進する効果もあります。 力を入れすぎたり、爪を立てたりすると、頭皮を傷つけてしまうため注意が必要です。
洗髪方法は、指の腹を使って優しくマッサージするように洗うと血行が促進されます。 また、シャンプーの泡をしっかりと洗い流し、頭皮への負担がかからないようにしましょう。
また、頭皮の清潔を保つためには、適度な頻度で洗髪をすることも大切です。 頭皮が脂っぽい場合や、外出後や運動後などには、汗や汚れを放置せず取り除くために洗髪をしましょう。
しかし、頭皮を過剰に洗いすぎると、逆に頭皮の乾燥を招いたり、皮脂の過剰分泌を促進することにもなるため、適度な頻度での洗髪が重要です。 一般的には1日に1~2回の洗髪が適切とされています。

ストレスや生活習慣の改善によって血行を促す

ストレスが慢性的にかかっていると交感神経が優位になり毛細血管が収縮します。 また、生活習慣により同じように血管収縮や末梢までの血流不足が生じ、血流不足につながります。
そのため、ストレスや生活習慣の改善によって血行を促すことで、頭皮の赤み軽減につなげられるでしょう。
ストレスを軽減するためには、定期的な運動や深呼吸、ストレッチなどのリラックス方法を取り入れることも有効です。 また、十分な睡眠をとると自律神経が整いやすくなり血行不良の改善にもつなげられます。
生活習慣の改善としては、禁煙や食生活の改善、アルコールの過剰摂取を控えることが挙げられます。

良質な食生活を心がける

頭皮の健康には栄養素のバランスの取れた食生活が重要です。 特に、ビタミンやミネラルが不足すると、頭皮の健康に影響を与えることが知られています。
例えば、亜鉛は頭皮の健康維持に重要な栄養素であり、不足すると頭皮のトラブルを引き起こすことがあります。 また、ビタミンAやビタミンC、ビオチン、鉄分なども頭皮の健康に関わる栄養素です。
そのため、普段から野菜や果物、魚や豆類、肉や卵など、さまざまな食品からバランス良く栄養素を摂取することが望ましいです。 また、脂肪や糖分の過剰摂取は血行不良を引き起こす可能性につながるため、適度な摂取量を意識しましょう。

炎症や湿疹は医師の診断と適切な治療が必要

頭皮の赤みのほかに炎症や湿疹が出ている場合は、早めに医師の診察を受けることを検討しましょう。 炎症や湿疹は原因によって種類が異なり、適切な治療方法も異なるため、自己判断での対処により悪化してしまうケースも。
炎症や湿疹に対する治療方法は、症状や原因によって異なります。 一般的な治療法としては、ステロイド剤の塗布や抗生物質、抗真菌薬、抗ヒスタミン剤などが使われます。
症状により原因も異なるので、医学的なアプローチのほかに生活習慣の改善やシャンプーなどの使用方法や選定方法などの指導を受ける場合もあります。
具体的な症状と治療方法について見てみましょう。
・皮膚炎
皮膚炎とは皮膚の炎症を指し、多くの種類があります。頭皮においては、接触性皮膚炎や脂漏性皮膚炎などが見られます。
接触性皮膚炎は、頭皮が外部からの刺激によって炎症を起こす病気で、アレルギー反応や化学物質などが主な原因です。
脂漏性皮膚炎は、頭皮の油脂の過剰分泌や細菌感染によって炎症を起こす病気で、かゆみや赤み、フケが見られることがあります。
・頭皮の赤みを引き起こす蕁麻疹
頭皮に蕁麻疹が現れることは比較的まれであり、通常はアレルギー反応によって引き起こされます。 蕁麻疹は、免疫系の反応によって肌に炎症が生じ、かゆみ、赤み、腫れなどの症状を引き起こします。
頭皮の蕁麻疹は、食品、薬物、化粧品、ハウスダスト、ペットの毛、花粉、虫刺され、紫外線、ストレスなど外的な刺激によって引き起こされることがほとんど。 また、頭皮の蕁麻疹が出現した場合、かゆみや痛みを感じることがあります。
治療法としては、かゆみ止めやステロイド外用薬が処方される場合もあります。 また、アレルギーの原因となるものを特定し、それを避けることも重要です。
・頭皮の赤みを引き起こす毛嚢炎
毛嚢炎は、頭皮の毛穴に菌が感染することによって引き起こされる皮膚疾患で、赤くて痛みがある発疹や膿瘍が頭皮に現れます。 また、かゆみや脱毛の症状も併発することもあります。
治療には、抗生物質の局所的な塗布や内服、痛みを軽減するための鎮痛剤の使用が含まれます。

まとめ

頭皮の赤みは、頭皮トラブルの最初に起こる症状の1つ。
放置していると抜け毛や薄毛につながりかねない前駆症状です。 早めに発見し、対処できれば大きなトラブルにつながることは少ないはず。
毎日の洗髪後のドライヤー時にでも頭皮の健康状態を観察する習慣をつけて、「早期発見・早期対処」ができるようにしたいですね。


監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。 同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。