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毛・抜け毛研究所

2022.03.25

  • 豆知識

    体毛を剃る、剃らないは自分が選択する時代!注目のブランドと共に体毛と向き合う

    最近、メディアで話題になっているアメリカのシェーバーブランドBillie。
    シェーバーを販売する会社なのに「体毛を除毛するのは、個人の自由」であると掲げており、自分で選択する大切さを呼びかけています。
    このように体毛に対する多様性を訴える動きが世界各国で広がっています。
    日本でも刃物メーカーの貝印が脇毛を生やしたバーチャルヒューマンを起用した広告が話題となりました。
    広告を見た人からは、「周囲の価値観に縛られることなく自分の身体への向き合い方は自分自身で決めたい」といったポジティブな声が上がっています。
    そこで今回は、両社が打ち出したメッセージやその背景について紹介します。
    脱毛をするか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

    日本では平安時代から体毛の処理がされていた?

    そもそも、日本ではいつから体毛を処理するようになったのでしょうか。
    日本で脱毛が始まったのは平安時代にさかのぼります。
    当時、貴族の女性たちの間では額に映えるムダ毛を抜いて、足りない部分を墨で書き足すことが流行っていたそうです。
    江戸時代には、毛抜きを使ってムダ毛が処理されていたと伝わっています。
    当時の様子を描いた浮世絵には毛抜きを使って眉毛を整える女性の姿があります。
    江戸時代から明治にかけては、薬品や電気を使った脱毛方法が開発され始めました。
    このように時代が進むにつれて、脱毛方法が多様化していき、1916年にはアメリカで電気分解脱毛器が開発されます。
    日本では1960年から脇脱毛をする人が出始めたのです。
    その後、エステサロンでの電気脱毛、レーザー脱毛、光脱毛が開発され、様々な方法で除毛や脱毛ができる時代へと移り変わっていきました。

    体毛を剃るのは自分自身で決めること

    現在のように女性の脱毛が当たり前の時代となると、社会の目を気にして毛を剃る人も少なくありません。
    そんな中、アメリカのシェーバーブランドBillieは、女性にムダ毛があることをないように振舞っている社会の不自然さを指摘します。
    同社の「プロジェクト・ボディヘア」と題したキャンペーン動画には以下のような言葉が綴られています。
    「全ての人には毛が生えている。女性でも。社会では女性にムダ毛が存在しないフリをするけど、実際はあるよね?自分でチェックしたし。
    いつでも、どんなふうにでも、もし、あなたが剃りたいと思ったとき。私たちはここにいるよ。」
    動画が公開されると様々な国からアクセスが殺到し、再生回数は現在までに140万回を上回り、世界各国から注目を集めています。

    女性向け製品が高い理由は?

    女性向けシェーバーブランドBillieが立ち上がった背景には、「同じような製品なのに男性用よりも女性用の方がなぜ高価なのか?」という問題があります。
    同社のジョージーナ・ゴーリー氏は自身の体毛を剃るときにピンク色をしているだけで値段の高いシェーバーではなく、男性向けの青色のシェーバーを使用していました。
    そういったこともあり、女性のためのブランドを始動することになります。
    Billieのスターターキットは9ドルで同社によると競合他社の男性向けのシェーバーの半額となります。
    また、Billieがこだわっているのは価格だけではありません。
    シェーバーに付属する石鹸や、シェービングクリーム、脱毛後のボディケア用のローション、ボディウオッシュは、ビーガン、グルテンフリー、GMOフリー、低刺激でもあります。
    原材料は全て天然製品で、安全面も重視しました。
    このように特別な理由なしに女性用製品が男性用製品よりも高い値段で販売されている現象を「ピンク税」という言葉で表しています。
    ニューヨーク市消費者局の調査によると女性は男性よりもおよそ4割も多く支払っているそうです。

    ピンク税って何?

    2015年にNew York City Department of Consumer Affairs(NYCDCA)がまとめた消費者調査によると、成分・容量・数量・サイズなどが同等の商品であっても、女性用商品は男性用より価格が高いと指摘されています。
    例えば、シャンプーや制汗剤などは女性用の方が13%も高くなっています。
    また、おもちゃは男児用と比べると女児用の方が7%、女性服は8%高いという結果が公表されています。
    調査を行なった機関では、同じような商品だとしても、男女差は少なからずあると認めつつ、女性は男性に比べて年間平均1351ドル(約15万円)も多く支払っていると指摘しました。
    また、ピンク税は、性差別ではなく経済学であるという批判もありますが、全く同じ製品が色違いというだけで女性用が倍近く高い価格で販売されているという事例も見られます。
    このように同じような商品なのに男性用よりも女性用の方が高価であることが性差別であると問題視されているのです。

    日本の刃物メーカーの貝印も体毛の固定概念を問い直す

    最近、日本では季節問わず電車内に脱毛の広告が貼られているのが目立ちます。
    女性にとって脱毛することがスタンダードになり、除毛していないと後ろめたい気持ちになる人も少なくありません。
    そんな中、刃物メーカーの貝印が公表した脱毛や除毛に関する価値観の多様性を表した広告が話題になりました。
    同社では、2020年に15〜39歳の男女600人を対象に剃毛・脱毛についての意識調査をしました。
    その結果、全体の9割がファッションや髪型のように剃ることは自分で自由に決めたいと回答しました。
    また、気分によって毛を剃っても剃らなくても良いと思うと8割以上の人が答えていることが明らかとなりました。
    こうした結果を受け、同社では脱毛・除毛に悩む人の本音に寄り添うメッセージを発信することを決意。
    広告に書かれたメッセージには、
    「ムダ毛を気にしない女の子もカッコいいし、ツルツルな男の子も素敵だと思う。
    ファッションも生き方も好きに選べる私たちは、毛の剃り方だってもっと自由でいい」
    と綴られています。
    このメッセージに共感した人たちがSNSで「こうした広告がもっと増えてほしい」という声が上がり、大きな話題を呼びました。

    まとめ

    SNSを開くと有名人や友達のきらびやかな容姿が目にとまり、自分自身と比べる機会が誰しもあるのではないでしょうか。
    電車内には、脱毛の広告が数多くあるため、日常的に視界に「脱毛」という文字が飛び込んできて、自分の体について考える機会が多いともいえるでしょう。
    また、動画サイトYouTubeで、体毛や薄毛、体型などと外見のコンプレックスを不必要にあおって商品を宣伝する広告に対して非難の声が上がり、広告の配信停止となるケースもみられます。
    だからこそ、Billieや貝印の「周囲の価値観に縛られることなく自分の体のコンプレックスへの向き合い方は自分自身で決めよう」というメッセージは多くの人に響いたのかもしれません。
    脱毛しようか迷っている人は、どちらの選択をしたらより自分を好きになれるのか今一度考えてみてはいかがでしょうか。
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