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毛・抜け毛研究所

2019.04.19

  • 薄毛

    薄毛の原因は遺伝?ストレス対策や生活習慣の見直しで脱毛症を予防しよう

    薄毛で悩んでいる方の中には、自分の薄毛は遺伝なのでは?と思っている方もいるでしょう。実際のところ、薄毛と遺伝はどのような関係があるのでしょうか。
    ここでは、薄毛の原因の1つに挙げられる遺伝や、ストレスや生活習慣と脱毛症との関係についてご紹介します。

    薄毛と遺伝の関係

    薄毛の遺伝子があるの?

    薄毛の遺伝子があるの?
    まずは、よく言及される薄毛と遺伝の関係についてです。米国人類遺伝学会の機関誌、アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティクス(American Journal of Human Genetics)によると、薄毛になる人とならない人ではX染色体にあるアンドロゲンの受容体に違いがあるとされています。X染色体は母親から受け継ぐものなので、薄毛に関する遺伝情報は母親の遺伝子に依存するといえるでしょう。
    X染色体の中でも、「アンドロゲンレセプター」と呼ばれる受容体が薄毛に関係している染色体です。アンドロゲンレセプターには男性ホルモンであるテストステロンを吸収し、薄毛に直接影響するジヒドロテストステロンに変換する役割があります。
    つまり、アンドロゲンレセプターが薄毛に関する直接の遺伝子だといえます。

    薄毛になりやすい家系とは?

    薄毛と遺伝が関係しているとすれば、薄毛になりやすい家系はあるのでしょうか?
    薄毛に関係する遺伝子は母親が持つと上述しましたが、かといって母親の頭皮環境がそのまま遺伝するわけではありません。女性は男性に比べて女性ホルモンが豊富なため、アンドロゲンレセプターで男性ホルモンを受け取ったとしても、頭皮に悪影響が出にくいといわれています。つまり、薄毛に関係する遺伝子を持っていたとしても女性は影響を受けにくいのです。
    そのため、家系を辿って薄毛になりやすいかどうかを判断した場合は、母方の祖父が薄毛かどうかを確認すると良いでしょう。ただし、薄毛と遺伝の関係についてはまだまだ研究段階です。祖父が薄毛であれば確実に自分も薄毛になるということではありませんので、あくまでも参考程度に考えておいてください。

    薄毛とストレスの関係

    ストレスは抜け毛に影響する?

    ストレスと抜け毛にはさまざまな関係があるとされています。健康な頭皮とは、血行が良く栄養が全体にいきわたっている状態のこと。しかし、ストレスを受け続けると血管が収縮し血行が悪くなるため、栄養状態も悪化してその結果薄毛につながるのです。
    また、ストレスはホルモンバランスを乱す原因にもなります。健康な頭皮には就寝中に起こる成長ホルモンの正常な分泌が欠かせませんが、ストレスがたまっていると良質な睡眠をとることができず、成長ホルモンもうまく分泌されません。そのためストレスがあると毛髪が成長できずに、抜け落ちてしまうといえるのです。

    ストレスが原因で考えられる脱毛症の種類/h3>
    ストレスが原因で考えられる脱毛症の種類
    ストレスがたまっていると、脱毛症を発症してしまうこともあります。特に進行が速く、予兆もなく局所的に起こる円形脱毛症や、全体的に薄くなるびまん性脱毛症などはストレスが大きな原因とされています。
    できるだけストレスをなくすことが、脱毛症予防・改善につながるといえるでしょう。

    薄毛と生活習慣の関係

    生活習慣の乱れは薄毛の原因に

    食事や睡眠などの生活習慣も薄毛に関係しているといわれています。
    そもそも毛髪の主成分はタンパク質です。つまり、普段から良質なタンパク質を摂取することや、タンパク質の形成に必要な睡眠を十分とることは健康な頭皮のためには非常に重要。睡眠に関しては、22時~2時の間は最も成長ホルモンが分泌される時間帯だとされ、この時間帯に質の高い睡眠をとれているかが特に大切です。ただし、仕事などの関係で22時~2時には眠れないという方もいるでしょう。その場合は、できるだけ毎日同じ時間帯に寝るように心掛けてみてください。
    また、食事に関してはタンパク質以外にも亜鉛やミネラル、ビタミン、オメガ3系脂肪酸(脂質)などもバランスよく摂取しましょう。

    薄毛を引き起こす生活習慣

    普段何気なく行っている生活習慣の中には、薄毛の一因になると考えられているものがあります。偏った食生活や不規則な生活リズムはもちろんですが、その他にもいくつかご紹介します。

    喫煙

    タバコを吸うと血管が収縮し、血流が滞りやすくなるため、栄養状態の悪化につながるといわれています。

    筋トレ

    筋トレ

    薄毛の直接的な原因になる物質は、ジヒドロテストステロンです。そのジヒドロテストステロンは元々テストステロンであり、筋トレを行うとテストステロンが増えます。そのため、必然的にジヒドロテストステロンに変わる母数が増えるのでないか、と危惧されています。

    朝のシャンプー

    朝のシャンプー
    朝にシャンプーをしてしまうと、頭皮に必要な皮脂が失われてしまい、本来あるはずのバリア機能がなくなります。そのため、外部からの刺激を受けやすくなり、頭皮環境の悪化につながるのです。

    脱毛症の対策方法

    ストレス解消には運動を!

    ストレス解消には運動を!

    ライフスタイルの改善

    運動を行うだけではなく、毎日のライフスタイルを変えることも重要です。就寝時間がバラバラだったり、食生活も偏っていたりすると、せっかく運動していても効果が最大限に発揮されません。
    22時~2時の間は寝ることが望ましいですが、仕事の状況などは人それぞれですので無理な場合もあるでしょう。その場合は、就寝前には照明を暗くしておく、スマホやパソコンを見ない、ストレッチなどをしてリラックスしておくなど、できるだけ睡眠の質を高める工夫を取り入れてみてください。
    質の悪い睡眠を長時間とるよりも、良質な睡眠を短時間でもとることをおすすめします。
    また、「毎日朝7時にご飯を食べる」など、決まった時間帯に同じ行動をするように心掛けると生活のリズムも整いやすくなります。今まで毎日の生活リズムが不規則だった方は、少しずつでも良いので改善していきましょう。

    髪が喜ぶ栄養素を取ろう

    髪の成長には十分な栄養素が必要です。栄養が足りていなければ、毎日の生活習慣が整っていても薄毛や脱毛症につながる可能性は否定できません。
    まずは肉や大豆製品などに多く含まれるタンパク質の摂取を意識し、野菜・果物・きのこ類、魚貝類などからビタミン・ミネラルなどをバランス良く摂取しましょう。
    さまざまな栄養素を食事のみでまかなうのが難しい場合は、サプリメントを活用するのも手です。食生活をいきなり変えるのは難しいこともあります。その点サプリメントは気軽に取り入れられるので、サプリメントを活用しながら食生活を少しずつ改善していくと良いでしょう。

    おわりに

    現在、遺伝は薄毛の原因の1つとして考えられています。しかし、まだ研究段階でどれほどの影響があるのかは不明ですし、遺伝以外にもストレスや食事や睡眠、喫煙など薄毛や脱毛症の原因になりえる要素は多くあります。
    自分の薄毛が遺伝的なものだと諦めるのではなく、ストレス対策や生活習慣を見直すことで脱毛症の予防・改善にポジティブに向き合いましょう。

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