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毛・抜け毛研究所

2026.02.18

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【ホルモンに作用されない最新薄毛治療】毛包幹細胞に直接アプローチで毛髪密度を改善?

薄毛治療はこの数年で大きな飛躍を遂げています。薄毛治療の導入ともいえる内服治療に始まり、再生医療、PRP、低出力レーザー(LLLT)など、エビデンスに基づいた薄毛治療の選択肢がますます増えているのです。

現在までの薄毛治療の多くは“毛包周囲の環境を整える”アプローチ方法が主流でした。

こうしたなか、新たな可能性として注目されているのが、米国のペラージュ・ファーマシューティカルズが開発する「PP405」という治療用化合物です。

PP405は毛包幹細胞の働きを活性化し、休止期から成長期へ移行させる従来とは異なる医学的アプローチがあるとして注目されています。

この記事では2025年時点で医療現場で行われている主要な薄毛治療の特徴を整理し、近年注目されている「PP405」が“次世代の薄毛治療”として注目されている理由や、最新の臨床データ、既存治療との違いを解説します。

最新薄毛治療の全体像

薄毛治療は進歩が目覚ましく、従来の内服薬だけでなく再生医療や低出力レーザーなど、多様なアプローチが確立されてきています。ここでは、2025年時点で医療現場で広く行われている主要な薄毛治療の特徴を解説します。

再生医療(自家細胞培養・幹細胞治療)

再生医療による薄毛治療は、患者さん自身の細胞や幹細胞由来の成分を活用し、毛包や頭皮環境の再生を促す治療です。

・幹細胞治療:脂肪幹細胞や間葉系幹細胞を抽出・培養し、頭皮へ注入する方法
・幹細胞培養上清液:幹細胞を培養する際に幹細胞から分泌される成長因子・サイトカインを抽出した液を用いる方法。幹細胞自体は含まれていない。

再生医療は毛包周囲の環境を整えることで、細胞の活動を促し毛髪の成長サイクルの改善を狙います。副作用が少ない点がメリットですが、医療機関によって品質が大きく異なる点や、自由診療のため費用が高額になる点がデメリットです。


詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

PRP・成長因子注入

PRP(多血小板血漿)療法は、患者さん自身の血液を採取し、成長因子を多く含む血小板を高濃度に抽出して頭皮に注入する治療です。

・自己血液由来のため安全性が高い
・血小板由来の成長因子により血管新生や毛母細胞の活性化を促す

PRPに成長因子(EGF・FGFなど)を添加して併用する「成長因子注入治療」も普及していますが、成長因子製剤の品質や濃度は医療機関により差があり、科学的エビデンスも治療内容によってばらつきがあります。

発毛レーザー(LLLT)

LLLT(LowLevelLaserTherapy:低出力レーザー治療)は、特定波長の弱いレーザー光を頭皮に照射する治療法です。発毛に関する細胞の働きを促進する効果が期待できます。

・細胞の活性化を促進
・頭皮の血行改善

医療クリニックでの施術の他にも家庭用のレーザーキャップやレーザーコームなどセルフケア用のデバイスも普及しています。副作用が少ない治療として人気があります。副作用が少ないのはメリットですが、効果が出るまでに数か月を要する、機器の品質により効果の出方に差があることなど、取り入れやすい分、課題や個人差が大きい治療法ともいえます。

エレクトロポレーション

エレクトロポレーションは、電気パルスを利用して細胞膜に一時的な隙間を作り、育毛成分を浸透させる技術です。不妊治療で活用している技術を活用した薬液導入方法で、細胞の内部まで有効成分を届けられます。

針を使わない「非侵襲型」の治療として導入するクリニックも増加しています。以下のような、通常であれば真皮層以下には届けられない薬剤も内部まで届けることができます。

・成長因子
・ペプチド
・ビタミン
・ミノキシジル外用剤

真皮層以下に直接成分を届けられるので外用薬よりも薬剤の成分がより多く届けられること、痛みが少ない点がメリットです。導入できる成分の質・濃度・デバイスの性能は医療機関によって差があるため、効果には個人差があります。

マイクロニードリング・メソセラピー

マイクロニードリングは、微細な針を頭皮に刺して細かな傷をつけ、創傷治癒過程を利用して毛包を活性化させる治療です。皮膚の自然治癒を促す過程で成長因子の分泌が増え、毛髪サイクルの改善につながるとされています。

・成長因子
・ミノキシジル
・ビタミン
・アミノ酸

マイクロニードリングで開けた穴を活用し、「成長因子・ミノキシジル・ビタミン・アミノ酸」等の薬液を注入する治療がメソセラピーです。エビデンスは治療内容によりばらつきがありますが、ミノキシジルとの併用などで相乗効果が期待できるケースも報告されています。

内服薬(プロペシア/ザガーロ/ミノキシジル内服)

従来の薄毛治療の中心として広く使用されているのが内服薬です。基本的にはホルモン依存性の治療薬が多いので、女性が使えないものも少なくありません。

●プロペシア(フィナステリド)
男性型脱毛症(AGA)の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)生成を抑制する薬剤です。

●ザガーロ(デュタステリド)
フィナステリドよりも広い範囲でDHT生成を抑える作用があり、より高い改善効果が期待できます。

●ミノキシジル内服
高血圧の薬の開発過程で作られた薬です。血管拡張作用により毛包への血流を改善し、毛母細胞の活性を促します。ミノキシジルに関してはエビデンスが豊富で、「予防・進行抑制」に強みがあります。


ミノキシジルについてはこちらの記事も参考にしてください。

従来治療の共通点と課題

現在の薄毛治療はエビデンスが確立されている一方で、課題が残されているものもあります。課題が残されているだけではなく、治療効果の出方としても既存の薄毛治療は「毛包そのものを再活性化できない」という限界点も抱えているのです。

ここでは既存の薄毛治療の課題について掘り下げていきます。

ホルモン作用に依存した治療が多い

これまでの薄毛治療の中心は、男性ホルモン(DHT:ジヒドロテストステロン)の抑制を目的とした薬剤が基本でした。フィナステリドやデュタステリドに代表される治療薬は、男性型脱毛症(AGA)の進行を抑える上で有効。基本的なメカニズムは「DHTの生成を抑える(進行抑制)」「脱毛を減らす(休止期の延長)」といった「抑制型」の効果が中心です。

休眠状態にある毛包を積極的に成長期へ戻す作用はありません。ホルモンの働きに関連した作用のため、性別や体質によって使用できない患者さんもいます。特に男性ホルモン作用系の薬剤は、原則として女性の使用はできません。

ホルモン作用系に関連した副作用の課題

デュタステリドやフィナステリドなどの薄毛治療に関する薬剤は、ホルモン作用に関するので、副作用もホルモン作用性に関したものが報告されています。

・性欲低下
・勃起機能の低下
・精子量の減少
・乳房の膨張・違和感
・気分変調

報告されている副作用はすべての患者さんに起こるわけではありませんが、長期服用が前提の治療であるため定期的な診察や血液検査などで経過を追って、副作用と作用の状況を見ながら継続管理をしていくことが重要です。

ホルモン系に作用しないミノキシジル内服にも「むくみ・動悸・多毛」などの副作用の報告がされています。

効果の限界(休止期毛包を根本的に“起こせない”)

従来の多くの薄毛治療は、ヘアサイクルのペースに働きかける作用を持つ治療はありませんでした。従来の薄毛治療の作用は

・血流改善(ミノキシジル)
・DHT抑制(フィナステリド・デュタステリド)
・成長因子補給(PRP・メソセラピー)

といった“毛の成長をサポートし成長期の延長のサポート環境を整える治療”が中心です。

休止期の毛包にアプローチできれば、成長期の毛が増えて薄毛の要因となる「抜け毛が増えて髪の成長が止まる」という現象が改善され、薄毛症状の改善につながることは予測できるのですが…、次の課題があります。

●休眠毛包は“環境改善だけ”では再び成長期に戻りにくい
●毛包幹細胞そのものの代謝が低下していると発毛が起こらない
●毛母細胞の分裂・再生が不十分だと新しい毛髪を作れない

そのため、従来治療では「発毛を促す力=休止期の毛の量を減らすには限界がある」という課題が残されています。

一歩進んだ育毛治療「PP405」とは

近年、新しく開発された薄毛改善につなげられる効果があるとして注目されている成分が「PP405」です。PP405は、アメリカの再生医学スタートアップ「ペラージュ・ファーマシューティカルズ(Pelage Pharmaceuticals)」が、次世代型の育毛治療につながる効果を期待して開発している化合物です。

従来の薄毛治療は、男性ホルモンを抑える薬や血流を改善する薬が中心でしたが、PP405は毛包幹細胞そのものを“再び動き出させる”という新しいアプローチが可能になる治療と考えられています。

「休眠している毛包を目覚めさせる」という独自の性質から、ホルモン依存性になってしまう従来の治療では改善が難しかったケースにも効果が期待でき、さまざまな分野で注目されています。

休眠毛包を成長期に戻す作用に期待

髪が生えるためには、毛包が「成長期」にしっかり入り、健やかに髪の毛が成長するとともに休止期の毛の量が減っていくことも重要です。

一般的な薄毛症状は、毛包が休止期のまま動けず、成長期の働きも弱いので細い毛しか生えてこなかったり抜け毛が増えてしまいます。

PP405は、ミトコンドリアへのピルビン酸の取り込みを抑制し、毛包幹細胞を制御してこの休眠している毛包に直接働きかけ、再び成長期へ戻すことを目指す治療薬です。

「毛根の活動を再スタートさせる」という発想は、従来の治療では十分に得られなかった新しいアプローチです。発毛力の低下した毛包そのものを活性化できる点が大きな期待につながっています。

実際にマウス実験によると治療開始から30〜40日以内に正常な毛包の形成につながったとの報告がありました。

ホルモンへの作用を必要としない治療薬

PP405の大きな特徴は、「ホルモン系に一切触れない」点です。

現在のAGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンの働きを弱める仕組みで効果を出します。そのため性機能への影響や副作用のリスクがあり、女性は使用できないなどの制約があります。

PP405は毛包幹細胞の代謝だけをターゲットに作用するため、副作用リスクが大幅に抑えられるだけではなく、ホルモンの作用に影響しないので女性でも使える育毛治療の実現が期待されています。

「ホルモン系の治療を避けたい人」「男女ともに使える治療を求める人」にとって、新たな選択肢となりうるでしょう。

PP405の現在の実験状況

PP405は現在、臨床試験の中期段階にあたる「第2a相試験」まで進んでいます。第2a相段階では主に、安全性と初期の効果が評価されますが、報告によると既に良好な反応が確認されており、国際的にも期待が高まっています。

想定されている投与方法は“1日1回の塗り薬”で、全身に吸収される成分はほとんど検出されていません。現在の計画では、2025年に第3相臨床試験を開始し、2027年頃の商用化を目指して開発が進行中です。

PP405の現在までに報告されているデータ

これまでPP405を使用した参加者の開示されている臨床データでは、明らかな発毛作用が確認されていて、さらに副作用の報告がほぼないこと、使用中止後にも症状の改善効果が見られたことなどが報告されています。以下に実験の概要と報告されたデータをまとめます。

■投与方法:1日1回の局所塗布(4週間)
■安全性:全身吸収は検出されず、副作用は最小限
■効果:20%以上の毛髪密度が増加した重度男性は31%(プラセボ0%)
■「毛包のある場所から新たに毛が生える」現象を確認
■観察期間(8週間後)でも改善が持続
■120名中95%が毛髪密度の改善
■1㎠あたりの毛髪数:平均62%増加

この結果を見ても「休眠毛包から新たに毛が生える」現象が初めて臨床で確認された点は画期的で、これがPP405が“次世代治療”と呼ばれている理由の一つといえるでしょう。

既存治療とPP405の比較

薄毛治療には、ホルモン治療・再生医療・PRP・メソセラピーなど、さまざまなアプローチがあり、それぞれに強みと弱点があります。既存の主要な薄毛治療法と今回注目されているPP405の特徴を比較しながら、整理しましょう。
治療分類主な作用長所限界PP405との違い
ホルモン治療
(フィナステリ度・デュタステリド)
ホルモン(DHT)抑制実績・エビデンス豊富発毛は限定的
副作用あり
女性不可
PP405はホルモンを介さず、毛包を再活性化
再生医療
(上清幹細胞)
成長因子で環境改善男女OK/副作用少高額
直接幹細胞を起こせない
PP405は幹細胞内部の代謝に直接作用
PRP
メソセラピー
成長因子・血行改善自己血使用など安全性高め効果が不安定
継続必須
効果が不安定
継続必須
PP405
(治験薬)
毛包幹細胞の代謝再起動現在治験中で未使用現在治験中で未使用既存治療とは作用点が根本的に異なる

PP405の現時点での注意点

PP405はまだ実験段階にある成分です。国内では承認されておらず、再生医療とも区分が異なります。今後、新しい育毛成分として市場に出回り始めた際には、非正規品も出回るリスクなどもあるため、誤った情報に惑わされないことが大切です。

ここでは、現時点で知っておくべきポイントを整理します。

国内では未承認で販売されていない

PP405は現在、臨床試験の途中段階にある治験薬で、日本を含むどの国でも一般の医療現場では使用できません。医療機関での処方や個人での購入も認められていないため、治療として受けることは不可能です。商用化は2027年前後と予測されていますが、まだ確定ではありません。現時点では「研究中の新薬」であり、一般利用はしばらく待つ必要があります。

再生医療ではない

PP405は、幹細胞や上清液を使う再生医療とはまったく異なるカテゴリーの治療薬です。細胞を投与するのではなく、毛包幹細胞の“内部の代謝”に直接働きかける低分子薬であり、扱いも法的区分も再生医療とは別になります。両者は作用の仕組みも目的も異なるため、「再生医療の一種」と誤解しないよう注意しましょう。

まとめ

薄毛治療は、ホルモン治療・再生医療・PRP・レーザーなど多様なアプローチが登場し、従来よりも幅広い選択肢から自分に合った治療を選べる時代になりました。

しかし多くの治療は、毛包周囲の環境を整えたり進行を抑えることが中心で、休止期に入った毛包そのものを「再び動かす」ことには限界がありました。

こうした中で、毛包幹細胞の代謝に直接作用する「PP405」は、これまでとは根本的に異なるアプローチを持つ治療候補として大きく注目されています。

初期臨床試験では高い改善率が報告されており、非ホルモン型であることから女性にも応用できる可能性があります。一方で、PP405はまだ治験段階にあり、国内外を問わず一般の医療機関で使用することはできません。

再生医療とも区分が異なり、模倣品や偽造品のリスクも高いため、現時点では安全性を最優先にし、正式な臨床試験の進展を待つ必要があります。

薄毛治療は今後も発展し続ける領域です。

従来治療で得られにくかった「休眠毛包へのアプローチ」が現実味を帯びてきた今、PP405は将来の治療選択肢を大きく変える可能性を秘めています。

新しい技術の動向を正しく理解して、薄毛治療の選択基準に活かしていきましょう。
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