髪に関する知識や技術を公開中
薄毛・抜け毛研究所
2019.02.08
- 薄毛
アトピーによるフケを改善したい!原因と対策をご紹介
特に頭皮がアトピーになってしまうと、枕や襟にフケが付着することもあり、困っている方も多いでしょう。アトピーによるフケを改善するためには、原因を知り適切な対策をとる必要があります。
そこで今回は、アトピーの概要やフケが出る原因、具体的な改善方法についてお話します。アトピーで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
アトピーによる症状

アトピー症状の特徴
アトピーの症状としてよく見られる特徴が、皮膚が薄くなることによるバリア機能の低下です。アトピーが起こった皮膚は外部からの刺激に弱く乾燥しやすくなるため、肌の水分をしっかり保持できない上に強いかゆみを伴うケースが少なくありません。
かゆいからといって乾燥した部分をかくと、保湿を含めた肌のバリア機能はさらに低下してしまいます。
アトピーによるフケの症状
アトピーが頭皮に発症すると、古い角質が剥がれて目に見えるほど大きなフケになることが一般的です。かゆみを我慢できず乾燥した頭皮をかいた場合にも、フケとなって落ちます。
さらに頭皮をかいて傷つけると、雑菌に感染してフケがジュクジュクした状態になってしまうこともあるのでご注意を。
アトピーでフケが増える原因は?

アトピーでフケが増える主な原因は、頭皮における新陳代謝の乱れです。基本的にアトピーになると、皮膚は正常な新陳代謝のペースを保てなくなります。
以下では、アトピーとフケの関係性についてもう少し詳しくご説明しましょう。
なぜアトピーになると新陳代謝が乱れやすいか?
アトピーになった方の多くは、肌の保湿作用に大きく関わる成分「セラミド」が十分に機能していません。その上アトピー肌は、特定の刺激に対して即座にアレルギー反応を起こすほど敏感。そのため、空気がひどく乾燥しているときや体が何らかの刺激を受けたときに、肌の新陳代謝は乱れやすくなるのです。
新陳代謝が乱れるとフケが増える理由
肌の新陳対鞘が乱れると、皮膚の角質は十分に成長できません。次々に新しい細胞がつくられる中、未熟なまま皮膚から剥がれます。通常であれば目に見えないほど小さくなりますが、未熟な角質は大きな塊がまとまって落ちるためフケが増えるわけです。
さらに頭皮をかいたとき皮膚が剥がれれば、それだけフケの量は多くなります。
フケには大きく分けて2種類

フケは頭皮や肌から剥がれ落ちた古い角質であり、大きく「パラパラ型」と「ベタベタ型」の2種類に分かれます。それぞれのタイプについて、以下でお話しましょう。
パラパラ型の特徴
パラパラ型は、皮脂が不足しているタイプです。手で髪を払ったとき、白いフケや乾いたフケが頭皮からパラパラと落ちる場合はこのタイプに分類されます。頭皮が乾燥している方によく見られる症状であり、シャンプーによる髪の洗い過ぎが主な原因と考えられています。
ベタベタ型の特徴
ベタベタ型は、フケがベタベタと湿っぽいタイプです。皮脂の分泌量が多いと発生しやすく、フケに皮脂が混ざりしっとりした感触になります。頭をかくと大きくかたまったまま落ちてくる場合があり、頭皮に貼りつくことも少なくありません。
アトピー性皮膚炎の特徴とフケ対策

アトピー性皮膚炎は、年齢ごとに発症しやすい部位が変化する特徴を持っています。フケが多いときは、症状を見ながら対策を検討する必要があるでしょう。以下を参考に、それぞれの時期に応じた対策を行ってください。
乳児期
乳児期は、頭や顔から発症するケースが一般的です。頭皮、あるいは口や頬の周りに皮膚炎が起きる症例は少なくありません。また生まれて間もないうちは新陳代謝が活発であるため、頭皮の保湿が間に合わずパラパラとしたフケが落ちるケースも多く見られます。
幼小児期
幼小児期に発症例が増える部位は、肘や膝といった手足の関節部分です。耳の付け根あたりが発疹する「耳切れ」と呼ばれる症状も、珍しくありません。生後3~4カ月以降でも皮脂の分泌量はとても少ないといわれているので、アトピーがある子どもは肌の乾燥に注意した方が良いでしょう。
思春期・成人期
思春期・成人期は、上半身に症状が強く表れる特徴があります。主な発症部位は、顔や首から胸、あるいは背中です。患部をかいても、通常、かゆみは解消しません。頭皮であれば、ずっと同じところをかき続けてアトピーの症状が進行すればフケも増加する可能性があります。
アトピー性皮膚炎におけるスキンケア
アトピー性皮膚炎が発症した際には、日頃のスキンケアや入浴時の洗髪方法に気をつけると症状の改善につながります。以下では、アトピーの方に実施していただきたいスキンケアについてご紹介します。
正しいスキンケアの方法

アトピー性皮膚炎に有効なスキンケアとしては、オイルやローションによる保湿が挙げられます。
オイルの中でも、皮脂の成分である「オレイン酸トリグリセリド」が含まれている椿油の他、ホホバオイルやあんず油などもアトピーに有効なオイルとして人気です。使用する際は、シャンプー前に頭皮に塗り、2~3分放置してから洗い流してください。
入浴方法
アトピーを含め皮膚疾患がある方の場合、入浴は38℃前後のぬるめのお湯が入浴に適した温度だと考えられています。入浴の際は、皮膚をふやけさせないように注意し、入浴剤の使用も肌の状態によっては控えてください。血行を促進するタイプのものは、かゆみが強くなってしまう可能性がありますが、スキンケア効果が見込める入浴剤は、乾燥肌の改善にもつながるためおすすめです。
おすすめのシャンプーは?
アトピーによるフケを少なくするために注意していただきたいのが、シャンプー選びです。必要以上に皮脂を奪ってしまうシャンプーを使用すると、頭皮の乾燥がさらに悪化してしまいます。石油系界面活性剤入りシャンプーは皮脂を取り除く効果が強いため、使用しないでください。
おすすめのシャンプーは、汚れを除去できて、かつ頭皮に適度な潤いを残るシャンプーです。オイル系のシャンプーであれば、馬油や植物性など天然由来のものがアトピー肌に適しています。石鹸系から選ぶ場合は、「弱酸性」の表記があるものにしましょう。
また、薬用シャンプーには、アトピーによるフケの効果のある成分が含まれているものがあるため、気になる方はチェックしてみてください。
おわりに
アトピーはつらい症状を伴いますが、生活の工夫や心がけて改善していく可能性があります。今回は、アトピーのフケに対して有効な対策をご紹介しました。フケに悩んでいる方は、入浴の工夫やシャンプー選びで少しずつ改善を目指しましょう。ストレスもアトピーの一因と考えられていますので、ご紹介した対策を行いながら気長に改善を待つことも大切です。