髪に関する知識や技術を公開中
薄毛・抜け毛研究所
2018.04.09
- 豆知識
FAGA(女性男性型脱毛症)とは?発症する原因や効果的な治療方法
髪の毛のボリュームが減ってきたと感じる方は、これからご紹介する内容を参考に、FAGAの対策を始めてみましょう。今回は、FAGAの原因や治療方法についてご紹介します。
FAGAとは
女性に起こる脱毛症であるFAGAは、女性男性型脱毛症とも呼ばれる症状です。「女性(Female)の男性型脱毛症(AGA)」ということで、頭文字を取ってFAGAと名づけられました。
FAGAになると、1本1本の髪の毛が細くなり、全体のボリュームが少なくなり、さらには、髪の毛の分け目から地肌が透けて見えるようになることが特徴です。
FAGA(女性男性型脱毛症)の症状分類
・I型
全体的に髪の毛が薄くなりつつある状態です。分け目の近くには、うっすらと地肌が透けて見える部分が見られます。
・Ⅱ型
全体的に髪の毛のボリュームが少なくなり、地肌が透けて見える部分が広がってきている状態です。
・Ⅲ型
なるべく早めに治療を受けるためにも、日頃から髪の毛のボリュームの変化をチェックしてみましょう。ただし、薄毛を気にするあまりストレスを抱えないようにする工夫も必要です。FAGAは治療によって改善できる可能性があることを知ることで、あまり深刻に考えずに気持ちを穏やかに保つことをおすすめします。
FAGAとAGAとの違い

また、FAGAとAGAは治療方法にも違いがあります。AGAの治療薬の中には、女性が服用しても効果が期待できないどころか、体に悪影響を与えてしまうものもあります。例えば、AGA治療薬の「プロペシア」は女性の服用が禁止されている医薬品です。同じ脱毛の症状だからといって、自己判断で医薬品の服用は行わないように注意しましょう。
FAGAの原因
FAGAの原因として考えられているものをご紹介します。
加齢による女性ホルモンの減少

また、女性ホルモンが減少すると、相対的に強く働くものが男性ホルモンです。男性ホルモンの「テストステロン」は、「5α-リダクターゼ」という酵素と結びつくことによって、「ジヒドロテストステロン」という物質に変わります。
このジヒドロテストステロンによって髪の毛の成長サイクルが阻害されると、結果として薄毛や脱毛が引き起こされてしまうのです。
ストレスや栄養不足
また、ストレスによる影響で薄毛が引き起こされるケースも考えられます。加齢だけでなく、薄毛につながる生活習慣に注意しておきましょう。
たばこやお酒などの生活習慣
FAGAを進行させやすくする原因としては、たばこやお酒などの生活習慣が挙げられます。たばこを吸うと、血管を収縮させるニコチンという成分の働きによって、毛根に栄養が届きにくくなってしまうのです。
また、お酒の飲み過ぎで肝臓に負担をかけると、髪の毛の成長に欠かせないタンパク質が作られにくくなり、薄毛を進行させてしまうおそれがあります。
FAGA以外の女性特有脱毛症
FAGAの他にも、女性に特有の脱毛症として、以下のものが挙げられます。これらの脱毛症に心当たりがないかどうか、それぞれの特徴を確認してみてください。
円形脱毛症
脱毛が進行すると脱毛箇所が広がったり、さらに複数の脱毛箇所が生じたりします。自己免疫疾患をはじめとした免疫疾患が原因で引き起こされる一方、精神的なストレスやアトピー性皮膚炎との関係性もあるのではないかと考えられています。
牽引(けんいん)性脱毛症

また、髪の分け目をずっと変えずにいることで、頭皮に負担をかけてしまっているケースもあります。なるべく負担の少ないヘアスタイルを心がけることで、予防をしましょう。
分娩後脱毛症
しかし、出産によって女性ホルモンのバランスが急激に元に戻ることで、一気に脱毛が起こりやすくなるのです。このような脱毛の症状は「分娩後脱毛症」と呼ばれますが、産後半年を過ぎる頃には自然と元の状態に戻ります。
粃糠(ひこう)性脱毛症
症状の原因として考えられるのは、皮脂とマラセチア菌です。頭皮を清潔に保つとともに、皮膚科の医療機関での医薬品による治療が必要となります。

脂漏(しろう)性脱毛症
地肌が赤く、かゆみがあり、炎症を引き起こしている場合はこちらの脱毛症が疑われます。悪化による慢性化を防ぐためにも、すみやかに医療機関で治療を受けましょう。
FAGAの治療方法
一般的に医療機関で行われるFAGAの治療には、下記のような種類があります。ご自身の症状に応じて、医師と相談の上で治療法を選択していきましょう。
なお、FAGAの治療はいずれも健康保険が適用されません。中にはやや高額になる治療方法もあるため、コスト面も含めてよく検討してみてください。
内服薬による治療
FAGAの治療では、男性型脱毛症とは異なる内服薬が処方されます。女性の薄毛治療で使われるのは、「パントガール」という治療薬です。こちらの内服薬には、「ケラチン」「パントテン酸カルシウム」「シスチン」「ビタミンB群」をはじめとして、健康的な髪の毛を作るために必要な成分が含まれています。
少なくとも3カ月間の継続が必要となるため、根気よく治療を続けていきましょう。
外用薬による治療
FAGAの治療で外用薬が処方されることもあります。その際は、「ミノキシジル」と呼ばれる成分が入ったローションを塗布する治療が一般的です。
ミノキシジルは、頭皮の血流を促進するとともに、毛母細胞に働きかけることで、髪の毛の成長を助けます。ただし、かゆみやかぶれなどの副作用が生じることもあるため注意が必要です。医師に指示された用法用量を守って治療を続けてください。
育毛メソセラピー

また、他の治療法と組み合わせて行われることもあります。注射針を用いない注入方法もあるため、痛みが苦手な方は検討してみましょう。
HARG療法
髪の毛の再生能力アップを目指す「HARG療法」では、「HARGカクテル」というオリジナルの薬剤を注入することで、頭皮の細胞に働きかけます。HARGカクテルに含まれるのは、幹細胞から抽出された成長因子と、ビタミンやアミノ酸などの栄養分です。カクテルの成分は、一人一人の症状に応じて調整されます。トータルバランスを考えた育毛ができることが、この治療法のメリットです。
自毛植毛
「自毛植毛」とは、自分の髪の毛を薄毛が気になる箇所へ移植する治療法です。医薬品による治療と異なり、すぐに効果を実感できるのが特徴となっています。また、ご自身の髪の毛を使用するため、人口の髪の毛を使用する場合と比べて、定着しやすいのもメリットです。
移植する髪の毛は、一般的に後頭部や側頭部から採取されます。植毛には高度な技術が求められるため、専門の医療機関で治療を受けましょう。
おわりに
今回は、FAGAの原因や治療方法についてご紹介しました。
医療機関で受けられる自費治療によって症状の改善を目指すなど、薄毛の進行を抑えるためにできる対策があります。大切な髪の毛を守るために、ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。